猫町倶楽部×みんなのつぶやき文学賞コラボレーション企画

2022年02月12日(土)の夜、猫町倶楽部とみんなのつぶやき文学賞のコラボレーション企画で、小林秀雄「様々なる意匠」の読書会を行いました。

私もこの機会に久しぶりに精読して、批評の批評とでもいうべき同論の面白さを味わいました。

なぜここにお邪魔しているかと言いますと、今年で第2回目となる「みんなのつぶやき文学賞」の結果発表会に登壇することになり、このたびの猫町倶楽部での企画にも参加したのでした。

猫町倶楽部と「みんなのつぶやき文学賞」のコラボレーション企画は、全部で4回の予定です。

第1回:1月12日(水) 若林踏さん「横溝正史「蝙蝠と蛞蝓」

第2回:1月22日(土) 橋本輝幸さん「グレッグ・イーガン「適切な愛」」

第3回:2月12日(土) 山本貴光「小林秀雄「様々なる意匠」」

第4回:2月26日(土) 倉本さおりさん+長瀬海さん「ファン・ジョヌン『ディディの傘』」

 

nekomachi-club.com

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新連載「文学のエコロジー」

『群像』2022年3月号(講談社)に新連載「文学のエコロジー」の第1回「文芸作品をプログラマーのように読む」を書きました。

文芸作品には、なにがどのように書かれているのかという問いを念頭に、そこに記述された世界をコンピュータでシミュレーションとして制作する立場をとるとしたら、どのように読めるか、てなことを検討して参ります。

初回はその意図と方法について、星新一のショートショートを材料として述べています。

 

gunzo.kodansha.co.jp

「歩くようなはやさで生きる人のためのリベラルアーツ」

シブヤ大学のプロジェクト「歩くようなはやさで生きる人のためのリベラルアーツ」(全4回を予定)で、吉川浩満くんとともにナビゲーターを務めます。

このプロジェクトでは、毎回テーマに沿ってゲストをお招きし、伺ったお話を後にZINEとして編集します。

第1回は「本を読む」というテーマで、書評家の倉本さおりさんにお話を伺います。

2022年1月23日(日)13:30-15:30にYouTubeライブで行います(有料)。

全4回の予定ほか、詳しくは下記リンクをご覧くださいませ。

https://peatix.com/event/3120880

 

「異界をつなぐエピグラフ」

創元社のnoteで新連載「異界をつなぐエピグラフ」を始めます。

目下は、アーティストで編集者の藤本なほ子さんと共編著で『エピグラフの本(仮題)』(創元社から刊行予定)を制作しています。創元社の編集担当は内貴麻美さんです。

制作の過程で、藤本さんと私とがそれぞれ文章を書いて、どんな本になりそうかということをみなさんにお伝えしようという趣向です。毎月15日が山本、末日が藤本さんということで進めて参ります。

その第1回は「夢で手にした花のように」と題して、ボルヘスによるコールリッジの引用から説き起こし、エピグラフとはなにかという話、架空の本から引用されたエピグラフのことなどをあれこれ述べております。

お楽しみいただけましたら幸いです。

足踏みしている連載も、順次書いて参ります。

note.com

文中には書きませんでしたが、「異界をつなぐ」と書きながら私の脳裡に思い浮かんでいたのは、『ドクター・ストレンジ』でドクター・ストレンジがいまいる場所に裂け目をつくって別の時空間へとつなぐポータルなのでした。そんなことを言われても困るかもしれませんが。

www.youtube.com

「人文的、あまりに人文的」#092

吉川浩満くんとお送りしているYouTubeチャンネル「哲学の劇場」は、2020年の1月19日に最初の投稿をしてからそろそろ2年になります。

「誰か見てくれる物好きはいるかしらね」などといいながら始めてみたわけでしたが、おかげさまで目下は4400人のチャンネル登録をしていただいております。誠にありがとうございます。

途中から毎週金曜日の更新となり、三日坊主の常習犯である私たちとしては珍事の部類に入るかと思われますが、ほぼ休まず続けて2021年の年末の時点で91回を数えております。

また、年末には何回かお休みしたこともあり、その代わりといってはなんですが、初めてYouTubeでライブ配信をしてみたのでした。(といっても、話の中身はいつも通りの雑談なのですけれど……)

www.youtube.com

そして性懲りもなく今年も続けて参ります。

ということで、2022年最初の投稿は「人文的、あまりに人文的」#092で「哲劇のあいうえお」の「か」の回です。カント先生について話しております。

お楽しみいただけましたら幸いです。

www.youtube.com

「選書の世界の歩き方」

『本の雑誌』2022年2月号(本の雑誌)は、「選書の大海原に飛び込め!」という特集です。

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私は「選書の世界の歩き方」と題して、選書という形式の本について、あれこれ書いております。

f:id:yakumoizuru:20220116011641j:plain原稿の依頼を頂戴した際には、選書ならそれなりに集め読んできたから、任せてちょうだい! くらいの気分で取り組んだのですが、どうせならこの際、選書の歴史やこれまでに刊行された選書レーベル一覧でもこしらえよう、なんなら既存の各選書レーベルの総目録をつくってから執筆を始めようかな……などと思ったりもしておりました。

しかし、取り組み始めてびっくり。選書レーベル一覧をつくろうと、古本を探し集めたり、書誌を集めたりするのはよいものの、集めても集めてもどんどん知らない選書が出てきます。

締切間際まで粘ったところで、数えた選書は450種類。それでもまだ整理しきれていないものが多々あるという状況なんでした。

いやはや、侮っていたわけではありませんが、選書の世界は広かった。

という顛末も含めて書いてみました。

選書を50冊選ぶという選書の選書のおまけつき。

www.webdoku.jp

 

 

特集「AIと文学の未来」

『文學界』2022年2月号(文藝春秋、2022.01.07)の特集「AIと文学の未来」で、吉川浩満くんとともに連続インタヴューを担当しました。

三宅陽一郎さん、川添愛さん、大澤真幸さんにお話を聞いています。また、吉川くんとブックガイド対談もしております。構成は山本ぽてとさんです。

・三宅陽一郎「AI研究は世界と知能を再構築する」

・川添愛「AIは人間の偏見も学ぶ」

・大澤真幸「人間とAIの関係は神学的に規定されている」

・山本貴光+吉川浩満「AIをさらに知るための29冊」

 

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www.bunshun.co.jp