●坂井建雄『人体解剖のすべて――解剖学への招待』(日本実業出版社、1998/10)#0115


坂井建雄の『人体解剖のすべて』は、医学教室における演習としての人体解剖や、病理解剖、法医解剖の実際、献体にまつわるあれこれといった実際的な内容と、ヴェサリウスを嚆矢とする解剖学の現代までの歴史の両方にわたって解説する一冊。


●大沢忍パピルスの秘密――復元の研究』みすず書房、1978/05)


本書は、学研の学習マンガを彷彿とさせるタイトルそのままに(?)、パピルスの語源から各種の用法(紙として使う以外にも食用にもなる)、製作法の再現など、パピルスを多面的に考察する書物。著者の大沢忍は、1899年(明治32年)生まれの医学者。和紙の研究が本来の専門らしく、その延長上でパピルスを扱ったとの由。ちなみに、パピルス研究の領域を「パピロロギー(papyrology)」という。