わけあって、『遊』という雑誌のバックナンバーを繰っている。部屋のどこかに埋もれていた創刊号をようやく見つけて、1971年9月に仮面社から刊行された同誌を眺めていると、以前はまったく気にしていなかった書き込みが目にとまる。


★高内壮介「科学と詩学1――詩人は科学に何を学ぶべきか」


のページに「壮介」なる人物による手書きのコメントが宛先の人物の名前とともに記してある。さらによく見ると、同テキストの末尾の参考文献の「勺函数を直接見た人の話」という論文が「δ函数を直接見た人の話」と手書きで訂正してある。一冊の雑誌にも手渡し/手渡されるリレーがあるのですね。


それにしても創刊号からしてすさまじい雑居性というか雑食性を発揮した雑誌だったのですなァ。