★田上竜也+森本淳生『未完のヴァレリー――草稿と解説』平凡社、2004/12、amazon.co.jp)【編訳】#0048


ポール・ヴァレリー(Paul Valéry, 1871-1945)の草稿四編の翻訳と編訳者による解説を加えた一冊。

ヴァレリー、未完のエクリチュール


I 草稿篇
・死すべきものについての試論
マラルメ試論
・注意論
・神的ナル事柄ニツイテ


II 解説篇
・森本淳生「ヴァレリー、あるいは生成の場――『マラルメ試論』と『注意論』の問題系」
・田上竜也「想像界としての劇空間――『神的ナル事柄ニツイテ』」


付 ヴァレリー草稿の書誌的概要


帯には柄谷行人が言葉を寄せている。なお、編訳者二名にはつぎのような仕事もある(同書編訳者略歴より抜粋)。


■田上竜也(たがみ・たつや, 1964- )


ポール・ヴァレリー『アガート』――訳・注解・論考』(恒川邦夫編、筑摩書房、1994、amazon.co.jp)【共著】


Itinéraire de la Science intérieure chez Paul Valéry(パリ第12大学博士論文、2000)


■森本淳生(もりもと・あつお, 1970- )



★宇佐美斉編著アヴァンギャルドの世紀』人文書院、2001/11、amazon.co.jp)【共著】


L'imaginaire valéryen et le schématisme kantien(Bullentin des études valéryennes, no 88/89, 2001)


★森本淳生小林秀雄の論理――美と戦争』人文書院、2002、amazon.co.jp




ヴァレリーには『増補版ヴァレリー全集』(全12巻+補巻2巻、筑摩書房、1977-1978)や『ヴァレリー全集 カイエ篇』(全9巻、筑摩書房、1980-1983)などの翻訳全集が刊行されているものの、現在は古本でしか手に入らない。いま新刊書店で手にはいるヴァレリー作品には以下のものがある(というか以下のものしかない)。2005年02月に平凡社ライブラリーから『ヴァレリー・コレクション1』が刊行されるとのこと。


『若きパルク/魅惑 改訂版』中井久夫訳、みすず書房、2003/12、amazon.co.jp


精神科医で訳詩の仕事もある中井久夫氏による『若きパルク』の改訂普及版。中井氏については、以下に書誌をまとめた。


⇒哲学の劇場 > 作家の肖像 > 中井久夫
 http://www.logico-philosophicus.net/profile/NakaiHisao.htm



ポール・ヴァレリー『ムッシュー・テスト』清水徹訳、岩波文庫赤560-3、岩波書店、2004/05、amazon.co.jp
 Paul Valéry, Monsieur Teste (1946)


岩波文庫には、鈴木信太郎による訳詩『ヴァレリー詩集』(赤560-1)、レオナルド・ダ・ヴィンチの方法』山田九朗訳、赤560-2)がはいっている(目下は品切れ)。


「わが若き日の英国」中井久夫訳、『みすず』no.517、2004年07月号、みすず書房、所収)