植草甚一スクラップ・ブック17——アメリカ小説を読んでみよう』 (晶文社、2005/04、amazon.co.jp)#0385


晶文社創立45周年を記念して復刊刊行中の植草甚一スクラップ・ブックは、毎月三冊のペースで刊行。植草氏がこれらの書物でとりあげる作品が当時(1960年代〜1970年代)どのように受容されていたのかを知るうえで興味深いドキュメントだ、とは毎度書いていることだけれど、このシリーズ、同時に彼がとりあげる小説、映画、音楽へのよきアペリティフ(食前酒)としての機能もそなえている。読んだことのない作品、観たことのない映画、聴いたことのない音楽に触れてみたくなること請け合い。


目次にあらわれる名前は、ジョン・オハラ、テネシー・ウィリアムズノーマン・メイラーウラジミール・ナボコフ。そのほかブックガイド「ぼくの好きな五〇冊の小説」や、佐伯彰一丸谷才一両氏との鼎談「現代アメリカ文学の冒険」などを収録。解説は宮本陽吉氏。