私のほうでは、なんとか百学連環図をこしらえるべく、一橋大学大学院の講義「新たなる百学連環」にて、学術史を辿っています。


とはいえ、前回のエントリーでご紹介した講義は、全13回の予定のうち、実はまだ第2回目に該当する辺りをさまよっています。予定どおり学術史の概観をしながら、どんどん時代を下ってゆけばよかったのですが、楔形文字の文献の内実を覗いたり、ソクラテス以前の古典ギリシアの思索を、古典ギリシア語の原文を見ながら検討しているうちに、あっという間に11回が過ぎてしまいました。年明けにアリストテレス学術論を扱って今期の講義は終了となる予定です。機会を捉えて続きを検討してゆこうと思います。また、講義の機会の有無に拘わらず、上記したサイトで続きを進めてゆこうとも考えています。


同大学院での非常勤講師は、来期も継続させていただくことになりました。次回は、芸術系基礎科目というカテゴリーで、学術(Science and Art)のArtのほうに軸足を置いて、芸術とは何か、古今東西で人は何を芸術とみなしてきたのかといったことを考えてみたいと思い、準備中です。近頃わけあって、楔形文字ヒエログリフマヤ文字についてあれこれ読んでいるので、こうした文明において、わたしたちが言うところの「芸術」に該当する概念があったのかといったことや、ヴィデオ・ゲームは芸術とみなしうるのかといったことまで、様々なケースについて検討を加えて、「芸術」という概念を見直してみます。まずは、この翻訳語の来歴から洗い直すので、例によって明治期日本から話を始めることになりそうです。