ツブヤ大学(横浜)で、「ゲームづくりの発想術――ジャマしジャマされ遊ぶのさ」と題した講座を担当させていただきました。
「ゲームとはモンダイである」と見立てて、では、どうしたらモンダイをつくれるかということを検討してみるという内容です。
ゲームとは、考えようによっては、必ず解決できることが保証されているモンダイです。例えば、『スーパーマリオブラザーズ』(任天堂)では、さらわれたお姫様を救い出すべく、主人公のマリオ(あるいはルイージ)を操って、障害物だらけの道をゴールに向かってひた走るわけです。ここには二種類のモンダイが顔を見せています。
一つは、「姫を助けなければならない」というストーリー上のモンダイ。もう一つは、敵や地面の穴といった障害物を乗り越えてゴールを目指さなければならないというゲーム上のモンダイです。
そんなふうに見ていくと、ゲームにはほとんど必ずなんらかのモンダイが用意されています。そして、試しにゲームからモンダイを取り除いてみると、モンダイのないゲームは、誠に味気ないものだということも分かります。
このような観点でゲームを考えてみると、ゲームで遊びたいプレイヤーとは、誰から頼まれたわけでもないのに、そうしたモンダイに自ら巻き込まれたい人なのです。
また、ゲームの作り手、ゲームデザイナーは、そうした欲求を持ったプレイヤーたちにモンダイを投げかける立場です。
両者の間には、モンダイに悩まされたい人(プレイヤー)とモンダイで悩ませたい人(デザイナー)という関係があると言えるでしょう。ただし、ゲームにおけるモンダイは、人生や現実のモンダイとは違って、必ず解決できることが保証されています。また、解決するための限定された手段もちゃんと準備されているものです。だから、人は安心してゲームのモンダイに取り組むこともできるわけです。
では、ゲームをこしらえる立場としては、どうしたらモンダイを発想し、モンダイをつくれるだろうかというのが今回のテーマでした。
参加者の皆さんにも、みずから手と頭を使って発想し、どんなことを考えたか、お話ししていただきました。90分だったので、できることには限りがありましたが、講座の前と後で、ゲームを見る眼がちょっぴりでも変わっていれば幸いです。
なお、講座で用いたPowerPoint資料や、配布資料には、オイディプスとスフィンクスを題材にした絵画を配してみました。
*1枚目の画像は、講義で使ったPowerPoint資料のタイトル画面、2枚目の写真は、参加者に配布した資料です。発想のトレーニング法や参考になる作品をご紹介しています。
⇒ツブヤ大学
http://univ2289.jp/
⇒Ustream > GaMe講座8限目
http://www.ustream.tv/recorded/14372257
講座を録画した映像がアップロードされています。