★「記憶のデザインのために――来たるべき知識環境の構想」(ÉKRITS)
ウェブサイト「ÉKRITS/エクリ」に、エッセイ(試論)を寄稿しました。
「記憶」については、いつの頃からか、ずっと気になっていて、本や文献を集め読んだり、いまも試行錯誤を繰り返しているところです。
右往左往してきたおかげか、ここ数年で、ようやく何について考えればよいのか、自分なりに見えてきたような気がしています。
拙著『文体の科学』(新潮社、2014)の終わりのほうでも、物質と精神、物質と記憶のインターフェイスということを少し書いたところでした。このエッセイを出発点にして、記憶のデザインに関するプロジェクトを進めていこうと思います。
少しずつ組み立てている知識OSについても、せめて自分が欲しいと考えている機能を実装していく所存です。といっても、自分で仕様を書いて、自分でコーディングしているので、いつになったら使い物になるかは分からないのですが(笑)。
ところで、先だっての日本図書設計家協会創立30周年記念講演「本の未来を考える」では、デジタル環境でものを読む環境については、それはそれでさらによきものをこしらえるとして、書物のほうは書物のほうで、記憶に資するデザインをさらに探究していくとよいのではないか、といったお話をしました。
――という具合に、互いに重なりながらも、少しずつ角度が異なる議論を積み重ねつつ考えを進められたらと念じております。
今回のエッセイを掲載していただいた「ÉKRITS/エクリ」は、大林寛さんが発行するウェブメディアです。デザインの実践と思想をめぐるさまざまなテキストとマンガが掲載されています。拙稿の編集については、浅野紀予さんのお世話になりました。浅野さんは、ピーター・モービルの『アンビエント・ファインダビリティ――ウェブ、検索、そしてコミュニケーションをめぐる旅』(オライリージャパン、2006)をはじめとする翻訳も手掛けておられます。
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