ヤブカラボーですが、9月はじめに新著が出ます。
『投壜通信』(本の雑誌社)です。
2004年から2018年にかけて書いた文章のなかから、いくつかを選んで編んだ文集です。同書を企画・編集したのは、本の雑誌社の高野夏奈さん。収録されている文章を選んだのも高野さんです。
主な収録物は、『考える人』(新潮社)に書いた各方面のブックガイド、「日本経済新聞」に連載した「プロムナード」(全25回)、『ユリイカ』(青土社)、『アイデア』(誠文堂新光社)に書いたブックガイド的辞書エッセイ、思想誌史、足穂論、それと対談イヴェントで配ったものから2点です。
私はほとんどなにもしておらず、三つかばり文章を書きました。
a) 夏目漱石「余が一家の読書法」現代語訳と解説
b) バベルの図書館司書便り――ある1カ月の記録
c) 円城塔『文字渦』書評(仮題)
aは、イヴェントなどの配布物でときどきご紹介していた漱石先生の読書術を現代語訳したものです。
bは、2018年7月の1カ月のあいだ、日々私の手元にどんな本が来たかをただ記録したものです(コメントつき)。二段組みで30ページくらいになったのはどうしてか。
cは、先日『新潮』に書いたものとはまた別のヴァージョンです。
二つだけ希望したのは、できたら余白をとること(「マルジナリアでつかまえて」の著者でもあって)、索引をつけること、でした。
はじめのうち高野さんは、200ページ台になりますと言っていたのですが、蓋を開けてみたら400ページ台になっていました。なにがあったのでしょうか。
また、リンク先の本の雑誌社のページに
本とともに暮らす
碩学の徒が案内する、
めくるめく本の世界。
とあるのは帯文です。「碩学」は畏れ多いので、せめて「好学」くらいにお願いしますとお伝えして、実際の本ではそのように直っていると思います。
あとがきにも書きましたが、2018年当初は私の予定になかった本が突然できました。
どうぞよろしくお願い申し上げます。