★マイケル・S.ガザニガ『脳のなかの倫理——脳倫理学序説』(梶山あゆみ訳、紀伊国屋書店、2006/02、)
Michael S. Gazzaniga, The Ethical Brain(Dana Press, 2005)
相棒・吉川浩満とともに『図書新聞』に上記ガザニガの新著の書評を寄稿しました。第2767号(2006年03月25日号)に掲載されます。分離脳の研究で知られるガザニガが、脳科学に立脚しながらどのように倫理の問題へと迫るのかが同書の読みどころ。
以下は寄稿した書評の一部です。
〔……〕つまり、脳にかかわる科学的な知識と倫理的な判断が踵を接する場所で生じる問題を、あくまで科学的な知識の側から見ていくこと。「脳神経科学に基づく明確で厳然たる事実が通用するのはどこまでで、どこからが倫理の領域に入るのか」を明確にすること。これがガザニガの基本的なスタンスである。具体的な事実を判断の材料として吟味をすすめるガザニガのやり方は、この問題を考えるうえで大いに参考になる。だが、もう一歩進んで本書を検討していくと、興味深いことに気づく。本書の中にはどうやら二人のガザニガが存在しているらしいのだ。
続きは同紙でどうぞ。
⇒紀伊国屋書店 > マイケル・ガザニガ『脳のなかの倫理』
https://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?W-ISBN=4314009993
茂木健一郎さんが『読売新聞』に寄稿した書評も読めます。
今号の一面は、金森修氏による、島薗進氏の『いのちの始まりの生命倫理——受精卵・クローン胚の作成・利用は認められるか』(春秋社、2006/01)。ガザニガの上掲書でも冒頭第1章で「胚はいつから人になるのか」という問題を論じています。
⇒島薗進・宗教学とその周辺
http://free.jinbunshakai.net/shimazono/
また、平岡正明氏が2006年公開が予定されている足立正生監督の『
⇒映画『十三月』公式サイト
http://www.geocities.jp/eiga13gatsu/Frameset.html