アカデミー版『カント全集』新版の刊行が始まったことを、Twitterで教えてもらいました。
先日、アカデミー版カント全集新版第1巻を入手した。1747~1756年までの著作が収録されている。ドイツ語著作の字体がフラクトゥーアからローマン体に変更されたほか、ラテン語著作は編集者による独訳を並記した羅独対訳となっている。今後前批判期カントの研究をする際には必須の一冊だと思う。 pic.twitter.com/ji9lCxB7Ex
— Hiroto Masuyama (@hiroto_masuyama) 2024年2月18日
刊行されたのは第1巻。
Immanuel Kant Gessamelte Schriften Band 1 Schriften 1747-1756
この巻では、全集の編集方針、1747年から1756年にかけての著作、補足資料から成り、ラテン語のテキストには、ドイツ語訳も添えられるとのことです。
次の巻の刊行予定(2025年)のペースから見ると、私が生きている間に完結しないかも。
そもそも1900年から続いた旧アカデミー版が完結したのはつい最近(2020年頃)で、120年かけて編まれたのでした。
なお、同全集はデジタル版がオンラインで公開されるようです。そういえば『ハンナ・アーレント批判校訂版全集』も同様に進められておりますね。
サンプルとして「地球自転論(Untersuchung der Frage, Ob die Erde in ihrer Umdrehung um die Achse)」(1754)の本文ページが閲覧できる状態になっています。
下記は版元De Gruyterにある紹介ページ
下記は同全集の編纂事業を行っているベルリン・ブランデンブルク科学アカデミーによる専用ページ
■関連文献
★山根雄一郎「アカデミー版『カント全集』をめぐって 来歴・近況・展望』(『教職課程センター紀要』第1号、大東文化大学、2016/12、111-118ページ)[PDF]