2024年これからの予定

2024年の予定を記します

*リンクは、当ブログの記事へのものです。

■イヴェント

・09/28:FICオープンセミナー詩学研究会シンポジウム「詩とその翻訳をめぐって アマンダ・ゴーマン『わたしたちの担うもの』」

 

■執筆

・【寄稿】「ものを読むときに起きていること(前篇)」(『教職研修』2024年10月号「教育×デジタル新潮流」コーナー、教育開発研究所、2024/09/19)

・【寄稿】「ゲームデザインを知っておくとうれしいいくつかのことについて」(「AXIS Media Membership」)

・【寄稿】「デジコレの楽しみと危険について」(『本の雑誌』2024年10月号、本の雑誌社)

・【寄稿】「機械が悟りを開いたら」(円城塔『コード・ブッダ 機械仏教史縁起』(文藝春秋)書評、『文學界』2024年10月号、文藝春秋)

・【寄稿】『もうすぐ絶滅するというインターネットについて』(宮田愛萌+渡辺祐真編「ミモザ」vol.1)

・【寄稿】松岡正剛さんを悼む(「朝日新聞」2024年09月04日号)

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ウェブサイト、始めました。

というわけで、Notionを使ってウェブサイトを作り始めてみました。

ブログと呼んでもよいのですが、この際だから、書物に関する情報を中心として、データベースのような使い方もできる場所にしたいと考えています。

目下は、それぞれのエントリー(記事)を、カードのように表示するフォーマットを使ってみています。エントリーが増えてきたら、整理の仕方をもう一段階考えてみたいところ。

Notionでの記事の編集は、インターフェイスもよく工夫されていて、ストレスもありません。ちょっとだけ慣れが必要な独自の入力作法があります。例えば、「/」を入力すると、編集用のポップアップメニューが表示されるなど。

ウェブに公開する設定にしておけば、Notion上で施した修正もすぐにウェブページに反映されるようなので、アップロードなどの手間もありません。

これはいろいろ捗りそう。

ご用のある方がいらっしゃるか分かりませんが、URLは下記の通りです。

いまのところはNotionで設定できる範囲のURL名を使っています。将来的には独自ドメイン名にしてもいいかなと思ったりもしています。

 

yakumoizuru.notion.site

ブログの引っ越しを考える

先日、昔ウェブサイトに書いていたブログのような文章を見直す機会があった。いまから20年ほど前のもので、Internet Archiveにコピーが残っている。

私がウェブで日記のような文章を書き始めたのは、1996年ころのことで、翌年には、吉川浩満くんと「哲学の劇場」というウェブサイトを始めて、そちらで書き継いだのだった。

当時はテキストエディターにHTMLを直書きして、自分でサーバーにアップロードするという手順で公開していた。このやり方は、HTMLを自分で書くというちょっとした手間はあるものの、仕組みはシンプルで扱いやすかったと思う。

その後、さまざまなブログサーヴィスやウェブ制作サーヴィスなどが登場・普及して、私もいつからか、このHatena Blogを、前身のHatena Dialyのころから使っている。

たしかに、このブログサーヴィスが提供している入力や表示の仕組みは便利なのだけれど、他方でしばらく前に操作法が変更されて、私としては随分不便なものに変わってしまったと感じている。

というのは、前にも書いたかもしれないが、過去に投稿した記事に加筆や編集を施したい場合、以前であれば、当該記事の横に「編集」ボタンがついており、これを押せばすぐにその記事を編集できた。ほぼ1クリックである。

操作法が変更されたあとでは、既存の記事を編集するには、そもそも編集を加えたい記事を特定するところから始まって、何ステップかの操作をしなければならず、これが思った 以上に面倒くさいのである。

また、記事にキーワードをつける仕組みがうまく機能しなくなって久しい。2バイト文字でキーワードをつけようとすると、当該欄が真っ白になって入力を受け付けなくなるのだった。バグなのか、ブラウザとの相性なのかは不明。

ひょっとしたら、なにか見落としている可能性もある。そう思って、気がつくとあれこれ調べているのだが、いまのところ解消できていない。

そんなこともあって、もうちょっと操作の手間が少なくて済むやり方に変えたいと思っているところなのだった。いま考えているのは、notionをもとにブログを再構築するというやり方。

仮にそんなふうに場所を移す場合、このHatena Blogはどうするとよいだろう。そのまま廃墟のように残すという手もある。ただし、目下はサブスクリプションによって広告表示がない状態にしているけれど、それを解除すると、ブログのあいまに広告が挟まった状態になると思われる。それは嫌だなと思っている。とすれば、引っ越した場合には潔く削除するのがよいかもしれない。

といっても、ものぐさな私のことゆえ、しばらくこのままだらだらと使い続けるかもしれない。

 

「人文的、あまりに人文的」第206回

ほぼ毎週金曜日、吉川浩満くんとともに配信しているYouTubeチャンネル「哲学の劇場」の番組「人文的、あまりに人文的」の第206回を公開しました。

今回は「哲劇のあいうえお」のコーナーです。言葉をひとつ選んで、それについて話すという内容です。

「あ」から出発して、今回は「ふ」について。

ということで「文体」についてあれこれ話しています。

そこで触れている執筆中の本について少し補足します。

この数年、『科学の文体(仮)』という本の執筆にとりくんでいます。最初に企画の提案を頂戴したのは、2016年あたりでしょうか。

はじめのうちは、企画のきっかけとなった『文体の科学』(新潮社、2014)という本で試してみたように、書かれたもの、刷られたものについて物としてのデザインの側面も含めて「文体(style)」を眺めるてみるということを、いわゆる自然科学や自然哲学と呼ばれる領域の書物を対象にもっと詳しくやってみる、という発想でした。

手許のメモを見ると、その翌年の2017年に transfer, transform (変換)という着想を得て、知識と呼ばれるものが多様に変換されてゆく様子を書物を中心に見てとる、という屋台骨ができました。

ここで「変換」とは、外界(世界)のなかの物や諸現象が、言語や図に変換されること、紙などの物質に変換されること、あるいはある言語から別の言語へと変換されることなどを含みます。formがtransするというので、変形/変型と言ってもよいかもしれません。

この見方を携えて、古代から現代にいたる自然科学/自然哲学の表現をあれこれ見てみるというわけです。

書いては捨てて、捨てては書いてを繰り返しており、なかなか書き進められずにいましたが、今回の吉川くんとのおしゃべりで少し話してみて、進められそうな気になって参りました。誰かと話すのは大事ですね。

 

www.youtube.com

『文藝』2024年冬季号(河出書房新社)ゲーム特集

『文藝』2024年冬季号(河出書房新社、2024.10.07)の「ゲームをせんとや生まれけむ」特集に「そこは何ができる場所なのか」という文章を書きました。

拙著『文学のエコロジー』(講談社)で、文芸作品にはどのような世界が描かれているかという関心から、これをコンピュータでシミュレーションする場合と比較してみました。今回は、これと反対にデジタルゲームにおいて表現されている世界を、文芸と比べてみようという趣向です。 

具体例としてスタニスワフ・レムの『インヴィンシブル』とこれを原作としたデジタルゲーム『Invinsible』を材料に検討しています。

https://pbs.twimg.com/media/GZA8WW9agAAtOCm?format=jpg&name=4096x4096

また、同誌に連載している「文芸的事象クロニクル」は2024年6月から8月までの出来事から、インゲボルク・バッハマン賞、愛国Z詩人の正体(ロシア)、エルヴィス法施行(アメリカ)、アンドレア・スキナー(アリス・マンローの娘)が受けた性被害の手記、エウリピデス新断片発見、ALS患者がBCIで会話ほかのトピックに触れています。

画像

www.kawade.co.jp

DISTANCE.mediaの新編集委員に田中みゆきさんが就任

DISTANCE.mediaでは、2024年10月から編集委員として新たに田中みゆきさんに加わってもらうことになりました。

田中さんは、障害とアクセシビリティの観点からデザインや表現全般を探索されており、書籍の執筆や展覧会の企画などで、ご活躍されています。田中さんを、DISTANCEに迎えられたことを大変うれしく思います。

DISTANCEの編集委員の役割は、庭で言えば、ガーデンデザイナーです。どんな庭にしようか、どこに何を植えようか、何を入れ替えようか、そういったことを庭師である編集部とともに考えています。今後の展開をご期待ください。

(編集部より)

同メディアの編集委員は、田中みゆきさん、ドミニク・チェンさん、山本の3名となりました。近く3名による鼎談の様子も掲載できればと思っています。

引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

distance.media

 

 

書評『スクウェア・エニックスのAI』(ボーンデジタル)

「週刊読書人」2024年10月4日号に『スクウェア・エニックスのAI』(ボーンデジタル)の書評を書きました。三宅陽一郎さん率いるスクウェア・エニックスのAIチームのメンバーが、ゲーム開発に関わる多様なAIをその発想と技術の観点から案内してくれる贅沢な本です。

技術書寄りの本の書評が書評紙に載るのはちょっと珍しいかもしれません。理工系の本の書評も少し増えるとうれしいな。

https://pbs.twimg.com/media/GZBPZpUbAAMCYDq?format=jpg&name=4096x4096

同書については、版元の紹介ページでどうぞ。

www.borndigital.co.jp