クレメンス・J・ゼッツ『インディゴ』(犬飼彩乃訳、国書刊行会)推薦文

クレメンス・J・ゼッツ『インディゴ』(犬飼彩乃訳、国書刊行会、2021.06.04)に推薦文を書きました。

もうお一方は、円城塔さんです。

 

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kokusho.co.jp

「人文的、あまりに人文的」第66回「注目の新刊」

このところ、ここでは全然お知らせしておりませんでした。

吉川浩満くんとお送りしているYouTubeチャンネル「哲学の劇場」では、毎週金曜日に新しい動画を公開しています。

「人文的、あまりに人文的」第66回は、「注目の新刊」です。

『「倫理の問題」とは何か』『動物意識の誕生』『哲学の女王たち』『古典の挑戦』『SFプロトタイピング』『完本 仏像のひみつ』『レイシズムを考える』ほかをとりあげています。

www.youtube.com

「この世界の小さな驚異について――人文的、あまりに人文的な科学夜話」

2021年06月04日(金)の夜は、ゲンロンカフェで全卓樹さん、吉川浩満くんとともに「この世界の小さな驚異について――人文的、あまりに人文的な科学夜話」というイヴェントでした。

斎藤哲也さん、吉川くんとともに、2020年の「『人文的、あまりに人文的』な、人文書めった斬り!」(ゲンロンカフェ)で、全卓樹さんのご著書『銀河の片隅で科学夜話』(朝日出版社、2020)を「人文的大賞」に選んだのでしたが、よもや全さんとお話しする機会が巡ってくるとは思いませんでした。

先頃文庫化した吉川くんの『理不尽な進化』(ちくま文庫)へのレスポンスともいえる全さんによるレクチャーほか、あれこれ話しております。

ゲンロンカフェの動画配信プラットフォーム「シラス」では、2021年12月2日まで番組の購入と視聴ができるようです。

genron-cafe.jp

★『銀河の片隅で科学夜話』(朝日出版社、2020)

www.asahipress.com

★『エキゾティックな量子――不可思議だけど意外に近しい量子のお話』(東京大学出版会)

www.utp.or.jp

★「量子力学と現代の思潮」(『現代思想』2020年2月号「特集=量子コンピュータ」、青土社、2020)

www.seidosha.co.jp

 

「知識の沼――ことばで巨人の肩にのる」第4回

今野真二さんとの往復書簡「知識の沼――ことばで巨人の肩にのる」の第4回が公開されました。

今回は、今野さんの回です。

「形骸」について「ちょっと『広辞苑』を調べてみました」といいながら、『辞苑』と『広辞苑』各版の語釈を並べる今野さんです。

web.kawade.co.jp

そうこうしているうちに、今野さんの新著が2冊出ています。

★『テキストの変容――動態としてのテキスト』(武蔵野書院、2021.05.07)

www.musashinoshoin.co.jp

★『学校では教えてくれない ゆかいな漢字の話』(14歳の世渡り術、河出書房新社、2021.05.27)

www.kawade.co.jp

大澤真幸『新世紀のコミュニズムへ』(NHK出版新書)刊行記念対談の記事

5月のはじめに大澤真幸さんの『新世紀のコミュニズムへ  資本主義の内からの脱出』(NHK出版新書、NHK出版)の刊行を記念して、オンラインで対談を行いました。

先日、その対談をもとにしたテキストが、NHK出版のnote「本がひらく」で公開されました。前後編です。

(前編の記事のおわりに、後編へのリンクが見当たらないので、下記から参照していただくと便利かもしれません)

 

nhkbook-hiraku.com

nhkbook-hiraku.com

www.nhk-book.co.jp

「コンピューターとの上手な付き合い方」

朝日小学生新聞」5月28日号の「まなび新時代 GIGAスクール編」の紙面で取材にお答えしました。

お題は「コンピューターとの上手な付き合い方」。

コンピュータはプログラム次第で変身する道具、試行錯誤を楽しもうという趣旨のお話をしております。

こちらの方面については、『コンピュータのひみつ』(朝日出版社)という本を書いたことがありました。

 

J. S. ミル『功利主義』(岩波文庫)

岩波文庫、2021年5月の新刊に、J. S. ミル『功利主義』(関口正司訳、岩波文庫白116-11)が入った。

このエントリーでは、同書を中心として、書誌や関連文献についてまとめておこう(適宜追記してゆく予定)。

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訳者によれば、もとは1861年に『フレイザーズ・マガジン』に連載され、1863年に本として刊行されたという。原題は、Utilitarianismという。今回の岩波文庫版は、その第4版(1871)を訳したもの。

また、附録として、ミルの別の本、『論理学体系』の一部を併録している。

■目次

目次は以下の通り。 

第1章 概論

第2章 功利主義とは何か

第3章 道徳的行為を導く動機づけについて

第4章 効用の原理の証明について

第5章 正義と効用の関係について

附録

 一 自由と必然について(『論理学体系』第6巻第2章)

 二 道徳と思慮を含む実践あるいは技術の論理学について(『論理学体系』第6巻第12章

訳注

解説

索引 

 

■既訳

『功利主義』は、これまで何度か翻訳されているものの、文庫化は初めて。

ちなみにこの本を最初に日本語に訳したのは、西周(1829-1897)で、その際は『利學』(上下巻、1877)と題されている。下記リンクは、国立国会図書館デジタルコレクションで公開されているデジタル版。

dl.ndl.go.jp

dl.ndl.go.jp 

■初出

初出の『フレイザーズ・マガジン』は、Fraser's Magazine for Town and Countryといって、1830年から1882年にかけてロンドンで発行された雑誌(オンラインで読める同誌についてはこちらのサイトにまとめられている)。『功利主義』は、その1861年の第64巻に掲載されている。

 

■岩波文庫のJ. S. ミル

岩波文庫に入っているJ. S. ミルの本はこれで11冊目。

岩波文庫では、それぞれの著者に固有の番号が与えられる。ミルの場合なら、白の116番。ついでながら、これまで岩波文庫で刊行されたミルの本を並べておこう。 

116-1:『経済学原理(一)』(末永茂喜訳、1959.12.20)

116-2:『経済学原理(二)』(末永茂喜訳、1960.03.25)

116-3:『経済学原理(三)』(末永茂喜訳、1960.07.05)

116-4:『経済学原理(四)』(末永茂喜訳、1961.02.05)

116-5:『経済学原理(五)』(末永茂喜訳、1963.12.16)

116-6:『自由論』(関口正司訳、2020.03.13/塩尻公明+木村健康訳、1971.10.16)

116-7:『女性の解放』(大内兵衛+大内節子訳、1957.03.25)

116-8:『ミル自伝』(朱牟田夏雄訳、1960.02.05/西本正美訳、1928.12.15)

116-9:『代議制統治論』(水田洋訳、1997.05.16)

116-10:『大学教育について』(竹内一誠訳、2011.07.15)

116-11:『功利主義』(関口正司訳、2021.05.14)

(私は残念ながら、上記のうち『経済学原理(四)』を持っていない)

www.iwanami.co.jp

■J. S. ミルの翻訳

目下、岩波文庫以外の文庫で読めるミル作品には次のものがある。

 

★『自由論』(山岡洋一訳、光文社古典新訳文庫、2006.12.07)

 同書は後に、日経BPクラシックス(2011.09.01)として改訳版が出ている。

 

★『自由論』(斉藤悦則訳、光文社古典新訳文庫、2021.06.12)

 

*この項目は追記してゆく予定。

 

■J. S. ミル全集

J. S. ミルの全集には、例えば次のものがある。

 

★Edited by J. M. Robson, Collected Works of John Stuart Mill, 33 volumes, Toronto: University of Toronto Press, London: Routledge and Kegan Paul, 1963-1991.

www.routledge.com