2012-04-01から1ヶ月間の記事一覧

「数学」の来歴/デカルト座標

本日は、ゲームプログラマー向け「数学」講義(東京ネットウエイブ)の第2回でした。 まず、前回積み残していた「数学」という言葉の来歴について話すところから。例によって、明治期にmathematicsの翻訳語として造られた(借用された)この語は、本来どうい…

太陽系を見つめ直す

子どもの頃から図鑑が好きだった。特に『宇宙』と題された箱入りの図鑑は、飽かず眺めていた。(右図:学習研究社から刊行されていた図鑑シリーズ) といっても、半分は怖いもの見たさだったと思う。 いまでもそうだけれど、そもそも自分がいる地球とは遠く離…

ゲームプログラミングのための数学講義

東京ネットウエイブでの「数学」の講義では、教科書を使います。今回教科書としたのは次の本。 ・ウェンディ・スターラー『ゲーム開発のための数学・物理学入門 改訂版』(山下恵美子訳、ソフトバンク クリエイティブ、ISBN:4797356774) 本日は第1回目の講…

図像蒐集#004 B-3

*伊藤博明、加藤哲弘、田中純『ヴァールブルク著作集別巻1 ムネモシュネ・アトラス』(ありな書房、2012/03)に登場する図像を、ネット上や文献で探し集めてみています。 パネルB-3 獣帯人間、 ジャン・ランブールとポール・ランブール、 『ベリー公のいと…

文献#345 ローベルト「アテネを巡る神々の争い」

Mary Settegast, Plato, Prehistorian(The Rotenberg Press, 1987)〔PPと略称〕の参考文献に関する覚書です。見出しに記す「#345」という番号は、同書巻末の文献一覧の番号に対応しています。 『ヘルメス(Hermes)』は、1866年に創刊されたドイツの古典文献…

図像蒐集#003 B-2

パネルB-2 世界の支配者としてのヘラクレス、獣帯に割り当てられた、彼の身体の部分、 15世紀の写本、 パリ、国立図書館(Ms. gr. 2419, fol. 1r.)。 (『ムネモシュネ・アトラス』、p.20) ■メモランダム ・「獣帯人間(zodiac man; l'homme zodiaque)」…

2012年度の講義開始

今年度も東京ネットウエイブにて、非常勤講師を務めさせていただくことになりました。 これでかれこれ7年目となりましょうか。人前で話をするのが不得手な人間としては、驚くほど長続きしております。これも、毎年学校で出会う学生のみなさんとのやりとりや…

連載第53回「君子は和して同ぜず」

ここしばらく逐一の報告をしておりませんでしたが、三省堂ワードワイズ・ウェブに寄稿させていただいている「「百学連環」を読む」も、連載開始から1年を経て53回を数えております。 目下は、西先生が「学術」や「知行」という言葉について、それまでの欧文…

図像蒐集#002 A-1

パネルA-1 星座の描かれたオランダの天球図、 彩色銅版画、1684年。 上部に「星図または天球図(Sterre Kaert of Hemels Pleyn)」とある。この天球図は18世紀にたびたび複製・出版されている。 (『ムネモシュネ・アトラス』、p.14) Mercator style projec…

図像蒐集#001 B-1

*最終更新:2012/04/13 AM 01:20 『ムネモシュネ・アトラス』(ありな書房)を読みながら、登場する図像をネットや書物でも探してみています。同書に印刷されたものよりさらに大きなものや、色つきのものも並べて見比べようという趣旨です。一幅一幅の図像…

イメージの巨大地図を読み解く

伊藤博明、加藤哲弘、田中純『ヴァールブルク著作集別巻1 ムネモシュネ・アトラス』(ありな書房、2012/03)が刊行されました。 アビ・ヴァールブルクが取り組んだプロジェクト「ムネモシュネ・アトラス」を3人の著者が、詳細に読み解いてゆくという試みです…

科学――知を交通させるために

新潮社の季刊誌『考える人』2012年春号に、連載「文体百般――ことばのスタイルこそ思考のスタイルである」の第6回を寄稿しました。 今回は、「科学――知を交通させるために」と題して、科学の文体に迫ります。題材として取り上げたのは、英国王立協会が350年の…