ご無沙汰しております。
この夏に取り組んでいた原稿が形になりましたので、お知らせします。河出書房新社の「道の手帖」シリーズ最新刊『寺田寅彦――いまを照らす科学者のことば』(池内了責任編集、2011/11)に寄稿しました。
「知を結ぶ――寺田寅彦 学術連環」と題して、寺田寅彦の知を育んだもの、彼が生み出したものの全体を、『寺田寅彦全集』(科学篇を含む)全体から抽出してマッピングしてみようという試みです。誠に粗雑ではありますが、部分ごとに語られがちな寅彦先生の関心全域を一望する地図を鳥瞰してみたいという目論見でありました。今後機会があれば、今回こしらえた地図を改訂して参りたいと念じております。ご笑覧いただければ幸いです。
同書全体の目次情報をあまりお見かけしませんので、ここにその全体を記しておきたいと思います。
★巻頭言
・「寺田寅彦を知る10のキーワード」
・池内了×最相葉月「特別対談 いま寺田寅彦から何が読めるか」
★論考:寺田寅彦の現代性
・須藤靖「いごっそう寅彦の教え」
・川上紳一「寺田寅彦――異分野横断からの視座」
・小山慶太「紙切り芸と寺田物理学」
・八代嘉美「本当は恐い寺田寅彦」
・内田麻理香「寺田寅彦の懐疑と情熱と」
・小林晋「謎解きと科学研究」
・村松秀「考えること、疑うこと。」
・渡辺政隆「出でよ、現代の寅彦」
★寺田寅彦アンソロジー
・「鎖骨」
・「知と疑い」
・「森の絵」
★特集:その学びと仕事
・山本貴光「知を結ぶ――寺田寅彦 学術連環」
・米沢富美子「才能を活かしきった人――寺田寅彦のあれこれ」
・鎌田浩毅「寺田寅彦の仕事術――どう学び、どう生かしたか」
★寺田寅彦の思い出
・中谷宇吉郎「指導者としての先生の半面」
・和辻哲郎「寺田さんに最後に逢った時」
・野上豊一郎「窓の躑躅――寺田さんの思ひ出」
★文人としての寅彦
・出久根達郎「寅彦の文章と私――小説のヒント」
・角川源義「寺田寅彦と正岡子規」
★寅彦が蒔いた科学の芽
・高田誠二「科学史の中の寺田寅彦」
・戸田盛和「物理学の楽しみ」
・小林惟司「長岡半太郎と寺田寅彦」
・ブックガイド
・寺田寅彦略年譜
(191ページ、2011年11月30日初版発行)
⇒作品メモランダム > 寺田寅彦――因果の網状図
http://d.hatena.ne.jp/yakumoizuru/20111020