たまにはお知らせ以外の詮無いことを書きたいものだと思いつつ、気づけばお知らせばかり書き綴る大人になってしまいました(嗚呼)。
もっとも、かつてならブログに書いていたようなしょうもないことは、それ以前の段階において各種SNSなどに、細かく刻んで流されているわけであります。
(尾籠な話で恐縮ですが、こんな折りには学生時代にTVで観ていた「ウゴウゴルーガ」という番組に登場する、トイレット博士のことを思い出します。彼は画面に登場するものの、ただただ流されてゆくためだけに現れるのです)。
できれば、そんな流れのなかに面白い淀みをこしらえたいものだと念じてもいるわけですが、そちらはそちらで本という形にする機会を頂戴しているために、これまたやはりブログにはなかなか書かれないのでした。
そんなこんなで、ただでさえ貧しい拙ブログは、ますます貧しくなる一方でございます。ご機嫌いかがでしょうか。
さて、来たる2016年08月01日に、新著『「百学連環」を読む』(三省堂)が刊行される予定です。
これは、かつて三省堂のワードワイズ・ウェブに2011年から2013年にかけて連載した同名の文章を一書にまとめたものです。全体を通じて手を入れ、その後新たに気づいたことなどを追記しております。
明治の啓蒙知識人・西周(にし・あまね)が私塾で行った講義「百学連環」の冒頭に置かれた「総論」をひたすらに精読するという試みであります。30ページ程度の文章を足かけ3年、週に一度、ともかくじっくり読んでみる、いわゆるスロー・リーディングの実践であります。
これはたとえるなら、家から駅までの道を匍匐前進するような赴きでしょうか。なにか違う気もしますが、普段は歩いたり自転車や車で行く道を、ルーペ片手にはいつくばっていろいろ目を留めながら進む探偵のような感じといえば、もそっとイメージも湧きますでしょうか。
そんなふうにして今から150年前に語られ、弟子によって書き取られた文書を読んでみたら、なにが見えてくるか。それを報告したわけです。
本にまとめるにあたっては、連載時にもお世話になった荻野真友子さんのお手をおおいに煩わせました。しかし、自分で申すのも変なものではありますが、おかげさまでちょっと類を見ない本に仕上がったと思います。
書店で見かけたら、覗いてみていただければ幸いです。(しかし、どの棚に置かれるのだろう……)
それで、このたびはこれに関連してもう一つお知らせがございます。
同書の刊行を記念して、08月08日(月)19時よりブックファースト新宿店にて、対談イヴェントを開催いたします。
対談のお相手には、かねてよりその博識と慧眼とに舌を巻き続け、帽子(シャッポ)を脱ぎ続けてきた竹中朗師(編集者・武蔵野人文資源研究所所長・明治賢人研究会主宰)をお招きしました。
明治の文化を語れば、私などの数千倍詳しく、また話しぶりも私などの数万倍面白い竹中さんとの対談、愉快な時間になること請け合いでございます。
また、編集担当の荻野さんから「よいですね? 本当に公開しますよ?」と念を押していただいた以下のお土産も鋭意準備中であります。
実際に「百学連環」のテキストをどのように読んでいったかが見える、山本さんの講義録への書き込みなども公開する予定です。また、『「百学連環」を読む』をさらに楽しむための「附録番外編」も当日ご参加のみなさんに配布いたします。
(イヴェント告知文より)
詳しくは、下記リンク先をご覧いただければ幸いです。