蒐書録#003:エンリーケ・ビラ=マタス『パリに終わりはこない』他

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気散じの散歩がてら神保町に出かけて東京堂書店で入手。『夏目漱石『文学論』論(仮)』の初校ゲラも鞄に入れていたのだけれど、肝心のペンを忘れる。ペンを忘れるということは本も読めない。それでも小説なら比較的読めるというので、憎からず思っているエンリーケ・ビラ=マタスの『パリに終わりはこない』の冒頭を楽しみながら帰途につく。ヘミングウェイそっくりさんコンテストに出場しようとした作家が主人公。いつか写真で見た同コンテストを思い出す。

 

★エンリーケ・ビラ=マタス『パリに終わりはこない』(木村榮一訳、河出書房新社、2017)

 Enrique Vila-Matas, Paris no se acaba nunca (Anagrama, 2003)の翻訳。『バートルビーと仲間たち』(新潮社、2008)、『ポータブル文学小史』(平凡社、2011年)に続いて木村榮一氏訳。

★ポルドミンスキイ『言葉に命を――ダーリの辞典ができるまで』(尾家順子訳、群像社、2017)

 Порудоминский, Жизнь и слово (1985)、「ロシアの辞書編纂者として名高いウラジーミル・イワーヴィチ・ダーリの伝記物語『人生と言葉』(原題)の翻訳」(訳者あとがき)。辞書編纂者たちの伝記を集めて読みたい。

★マリオ・インフェリーゼ『禁書――グーテンベルクから百科全書まで』(湯上良訳、法政大学出版局、2017)

 Mario Infelise, I libri proibiti: Da Gutenberg all'Encyclopédie (1999)の翻訳。

★アレクサンダー・R・ギャロウェイ『プロトコル――脱中心化以後のコントロールはいかに作動するのか』(北野圭介訳、人文書院、2017)

 Alexander R. Galloway, Protocol: How Control Exists after Decentralization (MIT Press, 2004)の翻訳。

★『ニュクス』第4号「開かれたスコラ哲学/分析系政治哲学とその対抗者たち」(堀之内出版、2017)

★モーリス・メルロ=ポンティ『メルロ=ポンティ哲学者事典 第一巻 東洋と哲学 哲学の創始者たち キリスト教と哲学』(加賀野井秀一+伊藤泰雄+本郷均+加國尚志監訳、白水社、2017)

 全3巻+別巻1の第3回配本。これで本編全3巻が揃い、あとは別巻を残すのみ。日本語版には、訳者たちによる補記もあるので、原著Les Philosophes Célébres (sous la direction de Maurice Merleau-Ponty, Éditions d'art Lucien Mazenod, 1956)を持っている人にも有益かと思います。

★トッド・E・ファインバーグ+ジョン・M・マラット『意識の進化的起源――カンブリア爆発で心は生まれた』(鈴木大地訳、勁草書房、2017)

 Todd E. Feinberg and Jon M. Mallatt, The Ancient Origins of Consciousness: How the Brain Created Experience (MIT Press, 2016)の翻訳。

★『書物學』第11号「語りかける洋古書」(勉誠出版、2017)

★日本数学協会編『数学文化』第28号「明治の数学文化」(日本評論社、2017)

 

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(画像はhttp://www.signature-reads.com/2013/07/hemingway-look-alikes-compete-in-key-west/からリンク。Hemingway Look-Alikes Contest)