世界のデザイン誌『アイデア』第379号(誠文堂新光社、2017)は、「ブックデザイナー鈴木一誌の仕事」特集。
モウ表紙の写真だけでしばらく楽しめます。
鈴木さんの生い立ちから現在に至るまでを語るロングインタヴューは、鈴木さんの個人史でもあり、ブックデザイン史でもあり、書物史、そして文化史でもありという贅沢な時間の流れる対話をたっぷり読めます。ときに繊細な、ときに大胆な問いを繰り出すインタヴュアーの手腕もすごいなあ。よき聴き手がいてこそ、これだけの話を引き出せるわけですね。
本文=鈴木一誌、郡淳一郎、長田年伸、撮影=薈田純一、撮影助手=鈴木久美子、編集=郡淳一郎、デザイン=長田年伸
鈴木さんの近著には『ブックデザイナー鈴木一誌の生活と意見』(誠文堂新光社、2017)もあり。
また、『アイデア』では、郡淳一郎さんによる「日本オルタナ精神譜 1970-1994 否定形のブックデザイン」(第368号)、「日本オルタナ文学誌 1945-1969 戦後・活字・韻律」(第367号)、「日本オルタナ出版史 1923-1945 ほんとうに美しい本」(第354号)の日本オルタナ三部作が忘れがたい特集号でした。
近々それと関連して、「天体の反映 オルタナ出版史の宇宙)というイヴェントが予定されています(9月16日)。
『アイデア』同号には、スコット・ジョセフ「場所のない言葉」第4回「サンプル・ライティング」(拙訳)も掲載されています。これにて完結です。