目下仕上げに向けて作業中の『夏目漱石『文学論』論(仮)』(幻戯書房)のため、現物を確認しなおしたい文献を買い集める。
何年か前に図書館の助けを借りて読んだものがほとんどだけれど、いまは他館から取り寄せる時間を惜しんで、とにかく手に入るものは入手してしまうことにした。
この数年で漱石の『文学論』に関連する文献をそれなりに集めたけれど、本当に山ほどの漱石論があって何度も途方に暮れそうになりました。
いまのようにネット上に文献を探せるデータベースがなかった時代には、それこそ図書館にこもって目にできるものを探し読むというやり方が中心だったわけです。
他方で、たくさんの文献を集められる状態にも善し悪しがあって、探し出せばきりがなく、なにを見てもなにかを見落とすことにもなりそうです。
とはいえ、そのつど経験できたことを元手に、できる限りのことをするしかないわけですけれど。
山ほどある文献の存在自体を感じたり、探したりしやすくなった現在から、次の一歩を進めるには、さて、どういう情報環境であれば、私たちがものを考える役に立つか。
例によって、そんな課題について思いを巡らせる昨今です。
今回は、それぞれの本の書誌は省略します。