ヒロ・ヒライ+山本貴光「歴史学と科学から読みとく錬金術」

2018年9月8日(土)に、ヒロ・ヒライさんと対談いたします。題して「歴史学と科学から読みとく錬金術」。

ヒロ・ヒライさんといえば、研究活動のかたわら、1999年開設のウェブサイト「bibliotheca hermetica」を通じて、ルネッサンス思想史を中心に幅広い知を惜しげもなく共有しつづけておられます。日本語で錬金術や自然魔術、占星術、ヘルメス主義などについて調べようと思ったら必ず目に入り、そして一読三嘆するサイトです。私も20世紀末から「BH」を愛読し、ヒライさんのご活動から多くのことを教えられてきました。 

 

このたびは、8月に勁草書房から刊行予定のヒライさんによる翻訳書――

 

L・M・プリンチーペ『錬金術の秘密:再現実験と歴史学から解きあかされる「高貴なる技」』(ヒロ・ヒライ訳、勁草書房)

http://www.keisoshobo.co.jp//images/book/372627.jpg

(画像は勁草書房のページからリンク)

の刊行記念イヴェントとして対談を行います。

 

錬金術といえば、日本でもマンガやゲームなどを通じて、言葉としては馴染みがあるかもしれません。他方で、その実態はどうだったのかといえば、この興味深い営みについて思想史の森に分け入って理解するのは容易なことではありません。

 

プリンチーペの『錬金術の秘密』は、目次(下記リンク先をご覧あれ)からもお分かりのように、古代ギリシア、エジプトから説き起こし、錬金術(アルケミー)の語源ともなった「アル・キミア」を発展させたアラビアを経由して、それを受けた中世ヨーロッパにおける「アルケミア」、そして現代にいたる経緯を総覧し、加えて文学、演劇、宗教といった文化の諸相と錬金術の関連をも探る本です。まさに「錬金術研究の決定版」、錬金術について知りたい人が座右に置くべき1冊といってよいでしょう。

 

例によってシロウト代表として(え? 勝手に代表するなですって?)、同書について、錬金術について、ヒライさんのご専門の思想史について、広く深くいろいろなことをお尋ねする時間にしたいと考えています。あらかじめ同書を読んでいなくても、錬金術や思想史についての知識がなくてもお楽しみいただける場にしますので、ご興味の赴くままにお越しいただければ幸いです。

 

同書はヒライさんが監修している「bibliotheca hermetica(ヘルメスの図書館)叢書」の最新刊です。同叢書の既刊には以下の4冊があります。

 

・榎本恵美子『天才カルダーノの肖像――ルネサンスの自叙伝、占星術、夢解釈』(ヒロ・ヒライ編集、坂本邦暢解説2013)

 

・菊地原洋平『パラケルススと魔術的ルネサンス』(ヒロ・ヒライ編集、2013)

 

・アンソニー・グラフトン『テクストの擁護者たち――近代ヨーロッパにおける人文学の誕生』(ヒロ・ヒライ監訳、福西亮輔訳、2015)

 

・山田俊弘『ジオコスモスの変容――デカルトからライプニッツまでの地球論』(ヒロ・ヒライ編集、2017)

 

⇒勁草書房 > イヴェント告知ページ
 イヴェントの詳細とお申込みについては下記をご覧ください。

 

⇒勁草書房 > プリンチーペ『錬金術の秘密』紹介ページ

 

⇒bibliotheca hermetica
 ヒロ・ヒライさんのウェブサイト「ヘルメスの図書館」
 http://www.geocities.jp/bhermes001/bh.html

 

追記:その後、当日の模様を一部、ヒロ・ヒライさんがYouTubeに投稿しておいでです。約8分の動画です。