「マルジナリアでつかまえて」と新著のこと

『本の雑誌』2018年9月号(本の雑誌社)に「マルジナリアでつかまえて」第12回を寄稿しました。

今回は、ダニエル・ローゼンバーグとアンソニー・グラフトンの『時間の地図製作法(仮題)』に登場する古い時代の年表を扱っております。

私も自分用の年表をつくるのが好きなのでよく分かるのですが、一度こしらえたからといってそれで終わりにならないんですよね。使ったり眺めたりしているうちに、あれもこれもとなって、どんどん追記したり、整理したりして。

『時間の地図製作法』は、吉川浩満くんとの共訳で、フィルムアート社から刊行の予定で目下作業を進めております。お楽しみに。

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本誌の特集は「文豪とはなんだ?」。このところ、ゲームや漫画なども含めて、文豪がちょっとした話題になっておりますね。そういえば、現代に文豪はいるのでしょうか。

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ついでながらというか、どさくさに紛れてもう一つお知らせです。

先月号にも広告が出ていたのですが、9月上旬に新著が出ます。

広告ではご覧のように『読書のすゝめ』という仮題がついておりますが、まったく別の書名に決まりそうです。

これは上記の「マルジナリアでつかまえて」を担当している編集の高野夏奈さんの(突然の)発案で初夏に企画が立てられ、(どういうわけか)9月上旬刊行予定で猛烈に進行しているものです。

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内容は、近日またお知らせできるかと思いますが、私が物書きになった2004年から十余年のあいだに書いた各種ブックガイドやイヴェントでの配布物などを集めた文集です。今年の前半に「日本経済新聞」に連載した「プロムナード」も収録される予定であります。

先週までは高野さん、二百何ページくらいですとおっしゃっていたのだけれど、先日打ち合わせたときには、四百何ページになりましたとのことで、どういうわけか分厚くなりそうです。

上の広告にも書かれているように書き下ろしの文章も三つほど入れる予定です。その一つが「本とともに1カ月日誌」と書かれているもので、2018年7月の1カ月に私が手にした本についてひたすら記録してコメントをつけたものとなっております。先日書き上げたところ、2万文字になりました。

自分ではこのような本に需要があるのかどうかまるで分かりませんので、高野さんには「ほんとに大丈夫ですか?」と何度か念を押しました。あとは野となれ山となれで参ります。

その高野さんによる『本の雑誌』今月号の「編集後記」にも、同書の編集作業の様子が書かれておりました。

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はてさてどうなりますか。こうご期待。