「知は巡る、知を巡る――西周とまわる日本語の旅」

「知は巡る、知を巡る――西周とまわる日本語の旅」

 

2017年06月13日(火)追記:

はやくも満員御礼とのことです。

「これ以降は欠員が出次第のご案内となります。Tsuwano T-spaceまでお電話いただければ、追加リストにいれさせていただきます。」(事務局より)

 

2017年07月01日(土)の夜に開催予定のイヴェントに登壇いたします。

■日時 2017年7月1日(土) 19:00-21:00

■場所 Tsuwano T-space(島根県津和野町東京事務所)
東京都文京区小石川2−25−10パークホームズ小石川103−3号

■参加費 500円(当日徴収)ワンドリンク付き

■定員 15名

◼︎タイムライン

19:00 趣旨説明
19:10 山本貴光「文法の来た道:日本語文法小史」
19:30 石井雅巳「三種の文字の狭間で:西周の日本語論」
休憩
20:00 山岡浩二「津和野発の日本語!?:西周と鷗外の翻訳実践」
20:35 質疑・全体ディスカッション
21:00 終了後懇親会あり

申し込み方法などは下記をご覧くださいませ。主催のTsuwano T-space(島根県津和野町東京事務所)のfacebook内にある告知ページへのリンクです。

⇒facebook > Tsuwano T-space
 https://www.facebook.com/events/2175927969300935/

 

「百学連環」を読む

「百学連環」を読む

 

 

 

「人生がときめく知の技法」第10回

隔週でお送りしている「webちくま」での吉川浩満くん(id:clnmn)との連載「人生がときめく知の技法――賢人エピクテトスに学ぶ人生哲学」第10回が公開されました。

今回は、「「心像の正しい使用」とは?」と題して、エピクテトス哲学の核心に向かって、さらに一歩踏み込んでゆきます。

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写真は、古典ギリシア語を読むときに使っている辞書のひとつです。2400ページを無理矢理束ねた感じで、ご覧のように自立させるには、ちょっとしたコツが必要です。油断していると、すぐにばらりとページが崩れて倒れてしまいます。

語録 要録 (中公クラシックス)

語録 要録 (中公クラシックス)

 

 

 

古賀弘幸×山本貴光「文字百景 世界は文字で満ちている! ――書の「文体」の不思議に遊び、考える夕べ」(東京堂書店)

古賀弘幸×山本貴光「文字百景 世界は文字で満ちている! ――書の「文体」の不思議に遊び、考える夕べ」(東京堂書店)

古賀弘幸さんの新著『文字と書の消息』(工作舎)、『書のひみつ』 (朝日出版社)の刊行を記念して、トーク&サイン会が開かれます。

僭越ながら読者を代表して古賀さんにお話を伺いたいと思います。

古賀さんの本を読んで、ノートにいろいろ書いているうちに、ちょっと面白いことを思いつきました。うまくいったらアレをアレして、当日アレしたいと思います。

日時:2017年06月21日(水)19時より

場所:東京堂書店(神保町)

詳細と参加のお申し込み方法は、下記リンク先からご覧いただけます。

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⇒東京堂書店 > 同イヴェント告知ページ
 http://www.tokyodo-web.co.jp/blog/?p=14195

 

書評:ジョシュア・ウルフ・シェンク『POWERS OF TWO 二人で一人の天才』

「日本経済新聞」2017年06月17日(土)版に、ジョシュア・ウルフ・シェンク『POWERS OF TWO 二人で一人の天才』(矢羽野薫訳、英治出版、2017/04)の書評を寄稿しました。

以下余談です。

私は、最初に書いた『心脳問題――「脳の世紀」を生き抜く』(朝日出版社、2004)以来、しばしば吉川浩満くん(id:clnmn)と一緒に本や原稿を書いています。

最近「ゲンロンβ」や「webちくま」に連載している文章のように、対談の形をしている場合は、「ああ、二人で話しているんだな」と分かりやすいのですが、それ以外の場合、あたかも一人の著者が書いたように見えるので、いったいどうやって二人でこれを書いているのかと、時折お尋ねいただきます。

およそ以下のようなプロセスでやっています。

1) テーマについて話しあう。

2) 全体を適当に分けて、話しあったことに基づいて書く。

3) お互いが書いたものを交換して書き換える。

4) 必要に応じてさらに話し合い、検討する。

5) 完成に至るまで3に戻る。

 という具合です。

要するに、何をどう書くかをはじめに話しあって、出発点では誰かが書く必要があるので分担して書くものの、それを交換して遠慮会釈なく上書きしあうということを繰り返すわけです。これを私たちは「レノン&マッカートニー式」とか「ドゥルーズ&ガタリ式」などと呼んでいます(不遜にも程がありますが!)。

吉川くんとは、1990年代初めに大学で知り合い、いまに至るつきあいです。1997年に「哲学の劇場」というウェブサイトを二人でつくり始めたりもしました。かれこれ二十数年、共同作業を続けている勘定です。

今回、『二人で一人の天才』(原題を直訳すれば『二人の力――創造的ペアによるイノベーションの核心の発見』)を書評するために読みながら、「ああ、そういうことだったのか」と、何度も膝を叩きました。

――ということを、当初、書評にも書こうと考えたのでしたが、限られた紙幅を(読者の大半にとってどうでもよろしい)自分の話に費やすのもなんだね、と思ってご覧のようになりました。

よくもまあ、そんなに調べましたね、という豊富な例を使って、創造的活動におけるペア(二人組)の力を浮き上がらせる類を見ない試みです。

日経新聞書評欄、今回で5度目の登場となりました。

・スティーヴン・ワインバーグ『科学の発見』(文藝春秋)

・ロジャー・クラーク『幽霊とは何か』(国書刊行会)

・エイミー・E・ハーマン『観察力を磨く 名画読解』(早川書房)

・國分功一郎『中動態の世界』(医学書院)

・ジョシュア・ウルフ・シェンク『POWERS OF TWO 二人で一人の天才』(英治出版)

 

ナツクサヤ ツハモノドモガ ユメノアト

このところ、やるべき仕事(To do list)をデジタル環境で管理していたのですが、量と種類が多くなり、どうにも把握できなくなって参りました。

というのは、コンピュータとタスク管理ソフトの組み合わせはたいそう便利な一方で、そうしたデータを確認するには、装置を起動して画面に表示する必要があるわけです。

お前はなにを言ってるんだとお思いかもしれませんが、わたくしのようなズボラな者にとっては、その一手間が厄介です。また、いまひとつ仕事の物量が迫力をもって迫ってきません。

そこで、昔、ゲーム会社でやっていたように、ともかくやるべき仕事をポストイットに書いて壁に貼るという手を使おうと思い立ちました。これなら仕事机に座るたび、残る仕事がイヤでも目に入ります。

それだ! というので文具店で大きめの付箋紙を探しました。

いつも憎からず思っているミドリカンパニーの「MD付せん紙(A7)無罫」(80枚入り)を手に入れて、書くべき本や原稿、翻訳すべき本、つくるべき企画書、対談やインタヴューの準備について、どんどん書き出しました。

ほらみろ、これならどれだけ終わっていない仕事があるのか一目瞭然。いかな怠惰なわたくしといえども、毎日これを目にすれば、否応なくどしどし仕事をせんければなるまいて。われながらいいアイディアじゃ。くほほ。と、町田康の小説風にひとりほくそ笑んでおりました。

ところが。

いざ付箋紙を壁に貼ってみるとどうでしょう。

はじめは40枚ほどの付箋が壁を覆って、なかなかの壮観だったのですが(それでいいのか)、ほどなく1枚、また1枚とはらはら落ちるではありませんか。

「ああ、この最後の1枚が落ちたとき……」と、ついオー・ヘンリーの短篇小説かなにかを思い出すわけですが、なんのことはない。付箋紙のノリと、壁の材質の折り合いが悪いだけのことでした。(そんなの貼る前に分かれよ)

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(だいぶ落ちてしまった後で、まだ残っているツワモノドモ)

 

というわけで、もうちょっと考えなければなりません。

あ、いえ、付箋紙が自然と落ちた仕事はやらないとかそういう意味ではありませんので、ご安心ください。

後藤明生『アミダクジ式ゴトウメイセイ』【対談篇】と【座談篇】

★後藤明生『アミダクジ式ゴトウメイセイ【対談篇】』(つかだま書房、2017/05)
★後藤明生『アミダクジ式ゴトウメイセイ【座談篇】』(つかだま書房、2017/05)

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かつて『文學界』『群像』『新潮』『すばる』『文藝』『早稲田文学』などの文芸誌を毎号まじめに全部読んでいたことがあった(1990年から2004,5年代頃までかな)。
当時は、なんだか毎号読むのが楽しみだったのだけれど、この人が登場すると真っ先に読むという作家も何人かいて、後藤明生はその一人だった。

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ちょうど国書刊行会から『後藤明生コレクション』(全5巻、刊行中)の刊行が始まったところに、さらにこんなにまとめて対談や座談を読める日が来るとは。ありがたや。

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収録された対談、座談の一覧はリンク先でご覧いただけます。

 

⇒つかだま書房 > 新刊案内
 https://www.tsukadama.net/newbooks

 

⇒国書刊行会 > 『後藤明生コレクション』
 http://www.kokusho.co.jp/np/isbn/9784336060518/

 

アミダクジ式ゴトウメイセイ【対談篇】

アミダクジ式ゴトウメイセイ【対談篇】

 
アミダクジ式ゴトウメイセイ【座談篇】

アミダクジ式ゴトウメイセイ【座談篇】

 
後藤明生コレクション1  前期I

後藤明生コレクション1 前期I

 
後藤明生コレクション2 前期II

後藤明生コレクション2 前期II

 
後藤明生コレクション3 中期

後藤明生コレクション3 中期

  • 作者: 後藤明生,いとうせいこう,奥泉光,島田雅彦,渡部直己
  • 出版社/メーカー: 国書刊行会
  • 発売日: 2017/05/12
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログを見る
 

 

ルスタム・カーツ『ソヴィエト・ファンタスチカの歴史』

★ルスタム・カーツ『ソヴィエト・ファンタスチカの歴史』(梅村博昭訳、世界浪漫派叢書、共和国、2017/06)
 Рустам Кац, История советской фантастики (2013) 

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革命後のソ連文学史は、ファンタスチカ(SF+幻想文学)による権力闘争の歴史だった――。粛清、雪どけ、そしてペレストロイカまで。本国ロシアでは社会学者や報道関係者が「事実」として引用した、教科書にぜったい載ってはならない反革命的メタメタフィクション、まさかの日本語版刊行!

(帯文より)

待ってました!

折しも文学の社会への影響や虚構と事実の違いについて考えている最中のわたくしには、天の恵みのような1冊です。うれしいなあ。

もちろん、そんなわたくしの個人的事情とはまったく関係なく、こんな面白い本を見逃す手はありません。だってほら、こんなふうに始まるんですよ。

ソヴィエト連邦の歴史には、こんにちに至るまで(文書館の秘密指定がとかれた時代にあってさえ)研究者らが明確な回答を出す状態になく、仮説を組み立てるだけ、といった傾向の問題がかずかずある。そのような問題のひとつが、V・I・レーニンは〈赤い月面人〉の創設に直接関与していたのかどうか、というものである。

目次は次のとおり。


第1章 〈赤い月面人〉の離陸と墜落(1921年〜1928年)

第2章 ソロフキのカタパルト(1929年〜1932年)

第3章 「では同志ウェルズに発言願います……」(1933年〜1936年)

第4章 内なる敵、外なる敵(1937年〜1945年)

第5章 世界的優位をめぐるたたかいとその破滅的帰結(1945年〜1953年)

第6章 霧の中より月出でて……(1954年〜1968年)

第7章 ポケットからナイフを引き抜いた(1968年)

第8章 審理が始まる(1969年〜1978年)

第9章 『ルナリウム』とその周辺(1979年〜1984年)

第10章 エピローグ(1985年〜1993年)

参考文献一覧

月への道半ばで、あるいはカーツ博士の馬のボリバル
 ――編者あとがき(ロマン・アルビトマン)

訳者解説(梅村博昭)

人名索引

 「ロシア革命100周年を記念して、初版のみカバーに「鎌とハンマー」の抜き型加工。」とのこと。保存用にもう1冊入手しようかな……。

 

昔読んだ亀山郁夫さんの『磔のロシア――スターリンと芸術家たち』のことも思い出しました。芸術家たちが、「二枚舌」を駆使して、どのように政治批判を行ったかを書いた本でした(たしか)。