InterCommunicationNo.53, Summer 2005(NTT出版)#0418


特集は「新教養零年——ようやく開かれる21世紀のために」


木村尚三郎、村上陽一郎の両氏による対談「基礎体力としての教養」リービ英雄氏が新作『千々にくだけて』講談社、2005/04、amazon.co.jp)と『英語で読む万葉集岩波新書岩波書店、2004/11、amazon.co.jp)を中心に、話し言葉ではなく書き言葉にこだわるわけを語ったインタヴュー「異言語に入り込む衝動に駆られて——千々にくだけたあとの世界」のほか、和田純夫氏(量子論/物理学)、三中信宏氏(進化生物学/生物学)、仲正昌樹氏(自由論/社会思想)、丹生谷貴志(芸術)の各氏による論考を掲載している。


全200ページ中、正味44ページの特集は、個々の記事は興味あるものだけれど、とりわけ和田・三中・仲正・丹生谷の四氏による概説的な文章と同趣旨のものを、もうすこし全方位的に景気良く(20〜30ジャンルについて)特集していただけたら、「ようやく開かれる」感覚も出たと思う。といっても、この雑誌自体が目下そうした総力的な特集は組まない方針なのかもしれない(と、こうした感慨からつい架空の誌面に架空の執筆陣とテーマを並べた目次をこしらえて愉しんだりもするわけです)。


連載では、斉藤環氏の「メディアは存在しない」(第11回)、渋谷望氏の「「自己」のテクノロジー」(第04回)が最終回。



そのほか、スーザン・ソンタグが亡くなる数週間前に、ハルドール・ラクスネス(1902-1998)の小説『極北の秘教』英訳版『Under the Glacier』(邦訳は、渡辺洋美訳、工作舎、1979)に寄せた序文「ある旅の報告書」が訳出されている(木幡和枝訳)。


ICC > 『InterCommunication
 http://www.ntticc.or.jp/Publication/Icm/index_j.html


⇒作品メモランダム > 2004/12/29 > スーザン・ソンタグ書誌
 http://d.hatena.ne.jp/yakumoizuru/20041229/p2
 ソンタグの書誌を簡単にまとめてあります