先日、ゲンロンカフェで開催された片山杜秀+岡田暁生/司会=山本「クラシック音楽から考える日本近現代史――『鬼子の歌』刊行記念イベント」は、5月21日(火)までニコニコ生放送のタイムシフトでご覧いただけます。
およそ3時間半にわたる片山さんと岡田さんの痛快で濃密な音楽・歴史・批評トークをどうぞお楽しみください。壇上にいるのも忘れて聴き入ってしまいました。
ケイティ・サレン+エリック・ジマーマン『ルールズ・オブ・プレイ――ゲームデザインの基礎』(拙訳、ニューゲームズオーダー)のユニット2(電子書籍版)が発売となりました。
ソフトバンククリエイティブから刊行した旧版(上下巻、約1300ページ)を四分冊にしたものです。
今回のユニット2は「ルール」と題されており、ゲームを構成するたいへん重要な要素であるルールについて検討します。ユニット2の目次は以下の通りです。
第11章 ルールを定義する
第12章 三つの水準のルール
第13章 ディジタルゲームのルール
第14章 創発システムとしてのゲーム
第15章 不確かさのシステムとしてのゲーム
第16章 情報理論システムとしてのゲーム
第17章 情報システムとしてのゲーム
第18章 サイバネティックシステムとしてのゲーム
第19章 ゲーム理論システムとしてのゲーム
第20章 対立のシステムとしてのゲーム
第21章 ルールを破るということ
招待ゲーム2 フランク・ランツ
ソフトバンククリエイティブ版が刊行されたのは2011年のことで、編集の星野浩章さんに大変お世話になりました。翻訳に着手したのは2008年だから、もう10年前のことですね。
リンク先のニューゲームズオーダーのページで、各種電子書籍についてのご案内があります。
どうぞよろしくお願いいたします。
5月14日(火)の夜、ゲンロンカフェで「クラシック音楽から考える日本近現代史――『鬼子の歌』刊行記念イベント」に登壇します。
片山杜秀さんと岡田暁生さんに、山本は司会としてお話を伺います。
「日本の西洋クラシック音楽」という「鬼子」とその時代と人をめぐって書かれた片山さんの本を中心に、音楽の受容や歴史についての著書もある音楽学の岡田さんの多様な視点を交えて、音楽と歴史と言葉の関係を縦横に検討してみる予定です。
大きくは、文化の移入と変容というダイナミックな動きについて、あるいはそれぞれの作品や人物について、細かくは、言葉で捉えづらいものの一つと思われる音楽を批評するとはどういうことかといった点まで、このお二人でならではのお話をたっぷりお聴きしたいと思います。
ご都合があいましたら、どうぞ遊びにいらしてくださいませね。
以前、『週刊読書人』で片山さんと行った対談も、下記「読書人ウェブ」でお読みいただけます。
2018年に桐光学園で行った講義が、本に収録されました。
『桐光学園大学訪問授業 高校生と考える21世紀の論点』(左右社、2019)です。
桐光学園では、大学訪問授業といって各界からゲストを招いて中高生たちに向けた講義を続けておられるようです。これまでのレクチャーも本にまとめられており、ちくまプリマー新書にも入っています。
私は「人はなぜ遊ぶのか?」と題して、ゲームと遊びについてお話ししました。
上の写真の帯をご覧いただくと分かるように、中高生のときに毎月こんな人たちの話を聴く機会があったら、人生も変わりそうだと思うような講師陣です。こうした講義を継続しておられる桐光学園のご尽力あってのこと、羨ましいような気がしました。
詳しくは左右社のページでどうぞ。
河出書房新社の文芸誌『文藝』が、2019年夏号で20年ぶりのリニューアル。
新編集長のもと、ブックデザインも新たになりました。
また、今号から特集が設定されるようで、リニューアル号は「天皇・平成・文学」と題して関連する対談や創作やエッセイが掲載されています。
私が担当している文芸時評「文態百版」も2年目となりました。
自分でも、ようやくどんなふうに書いてゆけばよいか、方向が見えてきたような気がしております。いま、文学という制度のようなものが、どの程度有効に機能したり存在しているのか分かりませんが、そうしたこととは別に、同時代の文芸のあり方を見渡して、読者のみなさんにご案内するような時評を目指してゆく所存です。
今回からサブタイトルをつけることにしました。
「女の地獄巡り・言語・技術的無意識」と題しております。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
今回は早くも「Web河出」で公開されています。
季刊文芸誌『文藝』(河出書房新社)の2019年春号に書いた「文芸季評 文態百版」の第4回が「Web河出」で公開されました。
季節に一度、3カ月分の各種文芸誌に発表された小説や詩を対象として書いています。
今回は、この連載をはじめて4回目、つまり1年になるというので、この間、文芸誌を読み続けて感じたことを率直に書いております。対象範囲は、2018年9月から11月まで。
とりあげた作品は以下の通り。
・金子薫「壺中に天あり獣あり」
・山野辺太郎「いつか深い穴に落ちるまで」
・谷崎由依「野戦病院」
・町屋良平「1R1分34秒」
・岸政彦「図書室」
・エリオット・ワインバーガー「Not Recommended Reading―要約という名のカバー」
町屋さんの作品は、その後、芥川賞を受賞され、単行本も刊行されましたね。おめでとうございます。
文芸時評はすでにあちこちの媒体でいろいろな方が書いておいでなので、なるたけみなさんとは違う方向から考えてみようと念じております。
と申しますか、今現在、誰が文芸誌を読んでおられるのだろうか……。
引き続きよろしくお願い申し上げます。
「Web河出」では、拙連載の第1回から第4回までが公開されております。