内田魯庵

★『明治文學全集 第24巻 内田魯庵集』(筑摩書房、1978) この全集(全100巻)については、いつか細かい書誌をまとめておきたいと思いつつ先送りになっている。機会をとらえてこの場で少しずつでもまとめていこう。まずは魯庵の巻に収録されている作品一覧か…

明治賢人研究会という会合で、魯庵の「銀座と築地の憶出」(初出=大正15年7月「女性」所載)を読んでいる。 参集したメムバーが、一人一段落を音読しては、そのくだりを肴にああでもないこうでもないと論じ合う。音読というところが好い。ページ全体をぱっ…

★内田魯庵『芭蕉庵桃青傳』(柳田泉編、京都印書館、1945/11/01) 魯庵による芭蕉伝。研究書としては歴史的文献ということになるのかもしれないが、魯庵への関心という観点からは、以下に引く柳田泉の言葉にあるように興味深い一冊である。 此の『芭蕉傳』は…

★内田魯庵『文学者となる法』(特選名著復刻全集、近代文学館、1980/06) 明治27年、右文社から刊行された文学者作法書、という名の文学批判、という姿を借りて存外まじめに書かれている節もあるがやっぱりどこか人を食ったところのあるはなはだ愉快な一書。…

先日のエントリー(2005/08/04)に続いて内田魯庵(うちだ・ろあん[内田貢]、1868-1929)に関する文献について書いてみたい。 今回は、『文学者になる法』と『芭蕉庵桃青傳』の二冊。

まだきちんと調べていないが、内田魯庵に関して情報を集積しているサイトに出会わなかった。ここには関連ウェブサイトへのリンクを追記してゆく。 ⇒電子図書館 > 内田魯庵 http://www.eonet.ne.jp/~log-inn/04chosya_au.htm#内田魯庵 ⇒丸善 > 丸善社史 http:…

★木村有美子『内田魯庵研究——明示文学史の一側面』(和泉選書127、和泉書院、2001/05、amazon.co.jp)がある。 現在流通している魯庵のモノグラフとしては本書がある。 ■? 魯庵と紅葉 ・紅葉作品評に見る魯庵の文学意識 ・魯庵にとっての紅葉 ■II 「くれの廿…

★内田魯庵『新編 思い出す人々』(紅野敏郎編、岩波文庫緑86-4、岩波書店、1994/02、amazon.co.jp) 収録作品は以下のとおり。 ・二葉亭四迷の一生 ・二葉亭余談 ・二葉亭追録 ・二葉亭四迷——遺稿を整理して ・明治の文学の開拓者——坪内逍遥 ・欧化熱と山田…

★内田魯庵『くれの廿八日』(岩波文庫緑86-3、岩波書店、1955/12、amazon.co.jp) 魯庵最初の小説。この作品自体は、前記の「明治の文学」に収録されている。本文庫版には「当世文学通」が併載されている。解説は稲垣達郎。

岩波文庫には、四冊三作品が収録されている。ほとんど品切れ状態だが参考まで掲載しておきたい。 ★内田魯庵『社会百面相』(上下巻、岩波文庫緑86-1, 2、岩波書店、1953/02 - 1954/09、amazon.co.jp) 小説集。附録として「破垣」も収録されている。また、息…

★内田魯庵『明治の文学 第11巻 内田魯庵』(坪内祐三+鹿島茂編、筑摩書房、2001/03、amazon.co.jp) 坪内祐三氏が編集した「明治の文学」の第11巻。「内田魯庵は明治のベンヤミンだ。好きなもの、街歩き、古本、オモチャ、万年筆、ステッキそれに思い出。嫌…

★内田魯庵『魯庵随筆 読書放浪』(斎藤昌三+柳田泉編、東洋文庫603、平凡社、1996/08、amazon.co.jp) 魯庵の周辺にいた斎藤昌三(さいとう・しょうぞう, 1887-1961)が興した書物展望社から刊行した魯庵の随筆集。編集には、柳田泉(やなぎだ・いずみ, 189…

★内田魯庵『気まぐれ日記』(リキエスタ、トランスアート、2001/07、amazon.co.jp) 日記といえば、こちらは1912年(明治45=大正元年)の7月から12月まで『太陽』(博文館)に連載したもの。1936年に双雅房から単行本として刊行されている。本書は、リキエ…

★内田魯庵『魯庵日記』(講談社文芸文庫うD2、講談社、1998/07、amazon.co.jp) 明治27年から44年までの日記。身辺雑記はもちろんのこと、新聞記事や名刺(実物)の貼りこみ、それについての批評、日記というよりはもはや随筆になっている文章など、多種多様…

★内田魯庵『魯庵の明治』(山口昌男+坪内祐三編、講談社文芸文庫うD1、講談社、1997/05、amazon.co.jp) 目下、講談社文芸文庫には魯庵の作が二冊はいっている。一冊目がこの『魯庵の明治』。もっぱら明治期の回想記を中心に編まれたアンソロジー。収録作は…

★山口昌男『内田魯庵山脈——〈失われた日本人〉発掘』(晶文社、2001/01、amazon.co.jp) 内田魯庵といえば、山口昌男(やまぐち・まさお、1931- )氏の愉快きわまりない人脈網文化史誌『内田魯庵山脈——〈失われた日本人〉発掘』(晶文社、2001/01、amazon.co…

先頃から、aquiraxさん(id:aquirax)が主宰する「明治賢人研究会」の末席を汚している。この研究会、明治文学思想研究者か好事家(褒め言葉)でもなければ繙読の機会もなかろうかという作品を原典に拠って読み解きつつ、そこに映じる明治の社会・文化の諸相…