2011-01-01から1年間の記事一覧

うっかり役に立つ

学生の皆さんと話していると、ときどき「それをいま勉強すると何の役に立つのか判りません」という意見が出てきます。例えば、「数学なんて、人生で使うことあるんですか?」といった具合です。 「役に立つ」という言葉は、一見とても分かりやすくて、誤解の…

図書目録の楽しみ

出版目録や、古本目録を眺めるのが好きです。 それも、紙でつくられたものであればなおのこと。 もちろん、昨今のこと、ネット上でもいろいろな目録やデータベースが公開されており、毎日のように便利に使わせていただいています。しかし、そうした経験を経…

その1:形というよくわからないもの

なにをいまさら、と言われるかもしれないけれど、私がよく分からないもののひとつに「形」がある。似た言葉としては、「形式」も同様。よく分からないので、自分ではおそるおそる使うことが多いのだけれど、どうも欧米の書物などを読んでいると、矢鱈とお目…

【新連載】「百学連環」徹底読解

年始めにこの場所で、西周の「百学連環」講義の現代語訳+注釈の私家版をこしらえたいと思っていると、ささやかな抱負を述べておりましたところ、三省堂出版局・辞書出版部の荻野真友子さんから、三省堂が運営しているサイトで連載をしませんかと、とてもう…

チェスタトン『求む、有能でないひと』

★G. K. チェスタトン『求む、有能でないひと』 (阿部薫訳、妹尾浩也装幀、237ページ、国書刊行会、2004/02、1800円+税、ISBN:4336046190) 本書は、訳者の阿部薫氏による編訳書。G. K. チェスタトン(Gilbert Keith Chesterton, 1874-1936)のエッセイを選…

科学の言葉

★ジリアン・ビア『未知へのフィールドワーク――ダーウィン以後の文化と科学』(鈴木聡訳、東京外国語大学出版会、2010/12、ISBN:4904575091) Gillian Beer, Open Fields: Science in Cultural Encounter (Oxford University Press, 1996) ここしばらく、言葉…

その1:シカゴ・ロンドン間も一文で

思いつきで新しい試みをひとつ。「冒頭拝見」と称して、手近にある書物の最初の1ページを玩味してみたいと思います。映画やゲームなどもそうですが、人が初めて(あるいは何度目かだとしても)或る作物に触れて、それを体験するとき、とりわけその冒頭で何が…

新連載予告篇

三省堂(出版部門)のウェブサイト「ワードワイズ・ウェブ」で、4月8日(金)から新しい連載を始めさせていただくことになりました。 「ワードワイズ・ウェブ」はどんなサイトか、説明を引用してみます。 三省堂Word-Wise Webは,株式会社三省堂の辞書出版物…

時間と空間に縛られて

新潮社の季刊誌『考える人』前号(2011年冬号)から、「文体百般――ことばのスタイルこそ思考のスタイルである」という連載を始めさせていただきました。 これは、主に書かれたことばを中心に、その意味内容はもちろんのこと、従来の文体論、スタイル論を踏ま…

誤記誤植訂正

先日刊行予定をお伝えしたケイティ・サレンとエリック・ジマーマンによるゲームデザインの教科書『ルールズ・オブ・プレイ――ゲームデザインの基礎(上)』(ソフトバンク クリエイティブ、2011、ISBN:4797334053)ですが、早いところでは書店店頭に並び始め…

見本が届きました

先日お知らせしたケイティ・サレン+エリック・ジマーマン『ルールズ・オブ・プレイ――ゲームデザインの基礎(上)』(ソフトバンク クリエイティブ、2011、ISBN:4797334053)の見本が届きました。 いろいろな思案と試みとハプニングの結果、こんなふうにとて…

2011年の抱負(野望)

これまた個人的な覚書のようなもので恐縮ですが(と申しますか、書いている本人以外のほぼ全人類にとってはどちらでもいいようなことですが!)、2011年の予定を益体もないコメントと共に少し書いておこうと思います。一部願望を含んでおります。大風呂敷を…

お待たせしました(『ルールズ・オブ・プレイ』上巻刊行予定)

さて、2011年最初にお披露目するのは、足かけ3年(!)取り組んできた翻訳書(の前半部分)です。 ご自身たちが、ゲーム・デザイナーや創作の実践者であり、同時にデザインの教育や研究者でもあるケイティ・サレンとエリック・ジマーマンによるゲーム・デザ…

2010年の覚書

2010年も、いろいろなことをさせていただく機会に恵まれました。お声かけくださったみなさま、そうして生まれたものを手にしてくださったみなさま、ありがとうございました。 もっぱら自分の覚書のためにではありますが、2010年にしたことのうち、公開できた…