美術

★サルヴァトーレ・セッティス『ラオコーン——名声と様式』(芳賀京子+日向太郎訳、三元社、2006/08、ISBN:4883031551) Salvatore Settis, LAOCOONTE: Fame e stile(Donzelli Editore, 1999) 美術史上もっともよく知られた彫刻作品のひとつ、ラオコーンが…

★岡崎乾二郎+松浦寿夫『絵画の準備を! Ready for Painting!』(朝日出版社、2005/12、amazon.co.jp) 歴史の上には、その出来事の前後で決定的に物事が変わってしまうという画期の数々がある。そうした画期を事後の眼で見るとき、その出来事のインパクトを…

★種村季弘『断片からの世界 美術稿集成』(平凡社、2005/08、amazon.co.jp) 著者の批評活動の大きな柱であった美術をテーマとした遺稿集成。単行本未収録のものを中心に、芸術原論や国内外作家論等を4章で構成、著者独自の物の見方を開示した大パノラマ。 …

★『岡倉天心——日本文化と世界戦略』(平凡社、2005/06、amazon.co.jp) 2005年02月05日から06月26日までワタリウム美術館で開催された「岡倉天心——日本文化と世界戦略」展のカタログ。 ■第一章 五浦六角堂 ・五浦六角堂 磯崎新 ・「日本文化と世界戦略」をめ…

★藤枝晃雄『現代芸術の彼岸』(MAUライブラリー03、武蔵野美術大学出版局、2005/06、amazon.co.jp) 美術研究者・藤枝晃雄(ふじえだ・あきお)氏の美術評論集。この人の怒りはどのようにして持続しているのか。 真の創造とは何か。真の批評とは何か。錯綜し…

★『美術手帖』第866号、2005年7月号(美術出版社、2005/06) 特集は、「日本近現代美術史」。美術出版社創業一〇〇周年記念特大号とのことで400ページに迫るヴォリュームに1905年から2005年までの日本美術氏を畳み込んでいる(特集のページは200ページほど)…

★石鍋真澄『ピエロ・デッラ・フランチェスカ』(平凡社、2005/04、amazon.co.jp) 15世紀イタリアの画家ピエロ・デッラ・フランチェスカ(Piero della Francesca, 1420c-1490)のモノグラフ。 ピエロ・デッラ・フランチェスカといえば、カルロ・ギンズブルグ…

★クレメント・グリーンバーグ『グリーンバーグ批評選集』 (藤枝晃編訳、勁草書房、2005/04、amazon.co.jp)#0388 アメリカの美術批評家・クレメント・グリーンバーグ(Clement Greenberg, 1909-1994)が書いた批評から、15編を選んで訳出した一冊。グリーン…

★『ジェームズ・アンソール』(2005)#0382 上記アンソール展のカタログ。出展された作品の解題のほか、以下のテキストが収録されている。 ・ヘルウィッグ・トッツ「ジェームズ・アンソール概論」 ・ノルベルト・ホスティン「眺めのいい三つの部屋——ジェーム…

★『芸術新潮』第56巻第5号、2005年5月号(新潮社)#0380 ☆特集=モランディのまなざし 眼にとまった記事をいくつか。 ◆1:モランディのまなざし 中心となる特集では、「モランディのまなざし」と題して、イタリアの画家・銅版画家ジョルジョ・モランディ(Gio…

★山崎省三『回想の芸術家たち——「芸術新潮」と歩んだ四十年から』 (冬花社、2005/05、amazon.co.jp)#0379 雑誌『芸術新潮』に創刊(1950年)から携わり、編集長もつとめた山崎省三(やまざき・しょうぞう)氏による回想録。 山崎氏が編集者として作家たち…

★貴田庄『レンブラントと和紙』(八坂書房、2005/02、amazon.co.jp)#0375* オランダの画家レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レイン(Rembrandt Harmenszoon van Rijn, 1609-1669)は、油彩作品のほかに、多数の銅版画、素描を残している。 本書の著…

★『ベルギー象徴派展』(2005)#0371 同展覧会のカタログ。展示作品の図録のほか、本展覧会の構成を担当したブリュッセル自由大学教授・ミシェル・ドラゲ氏による50ページ近いヴォリュームのある解説、関連年表、文献表が収録されている。 ドラゲ氏の論文は…

★「ベルギー象徴派展」(Bunkamura ザ・ミュージアム) 2005年4月15日から、Bunkamura ザ・ミュージアム(東京渋谷)にて、「ベルギー象徴派展」がはじまった。 19世紀後半のフランスの文学界に震源地をもつ象徴主義(symbolisme)の潮流に平行して美術の世…

★ロジカ・パーカー+グリゼルダ・ポロック『女・アート・イデオロギー——フェミニストが読み直す芸術表現の歴史』(荻原弘子訳、ウイメンズブックス11、新水社、1992/04、amazon.co.jp) Rozsika Parker + Griselda Pollock, Old Mistresses: Women, Art and …

★辻惟雄『奇想の図譜——からくり・若沖・かざり』 (ちくま学芸文庫ツ7-2、筑摩書房、2005/04, amazon.co.jp)#0356 『奇想の系譜――又兵衛―国芳』(ちくま学芸文庫ツ7-1、筑摩書房、2004/09、amazon.co.jp)に続いて辻惟雄(つじ・のぶお, 1932- )氏の『奇想…

★『芸術新潮』第56巻第4号、2005年04月号(新潮社、2005/03)#0337 ☆特集=水墨サイケデリック——蕭白がゆく 2005年04月12日から京都国立博物館ではじまる「曾我蕭白——無頼という愉悦」展にあわせた蕭白特集。例によってヴィジュアル中心で蕭白の生涯と作品に…

★『芸術新潮』第56巻第3号、2005年03月号(新潮社)#0257 ☆特集=神秘の画家ラ・トゥールの夜へ 2005年03月08日から05月29日まで、国立西洋美術館で開催される「ジョルジュ・ラ・トゥール——光と闇の世界」展にあわせた特集。雑誌のおよそ半分を使ってジョル…

★林道郎『絵画は二度死ぬ、あるいは死なない3――Robert Ryman』(ART TRACE、2004/09)#0204 林道郎(はやし・みちお, 1959- )氏による絵画をめぐる講義「絵画は二度死ぬ、あるいは死なない」の記録。講義は全7回で、一回分ごとに一冊の冊子として刊行される…

★林道郎『絵画は二度死ぬ、あるいは死なない2――Brice Marden』(ART TRACE、2004/07)#0203 林道郎(はやし・みちお, 1959- )氏による絵画をめぐる講義「絵画は二度死ぬ、あるいは死なない」の記録。講義は全7回で、一回分ごとに一冊の冊子として刊行される…

★林道郎『絵画は二度死ぬ、あるいは死なない1――Cy Twombly』(ART TRACE、2003/12)#0202 林道郎(はやし・みちお, 1959- )氏による絵画をめぐる講義「絵画は二度死ぬ、あるいは死なない」の記録。講義は全7回で、一回分ごとに一冊の冊子として刊行される予…

★『アーキラボ――建築・都市・アートの新たな実験1950-2005』(平凡社、2004/12、amazon.co.jp)#0139 同展覧会@森美術館の図録。詳細については、同展についてのメモランダム作成時に。 #つづく 「メタボリズム」「脱構築主義」など、1950年代以降、世界の…

★日夏露彦『日本美術・負の現在』(ART VILLAGE、2004/10、amazon.co.jp)#0138 美術評論家・日夏露彦(ひなつ・つゆひこ, 1939- , 本名=中島洋光)の美術評論集。 百年にわたる”上からの近代化”によって”負”へと閉塞した日本美術。国際化へと開くための提…

★『芸術新潮』第56巻第2号、2005年2月号(新潮社)#0112 ☆特集=謎の男マルセル・デュシャン #つづく

★岡田温司『マグダラのマリア――エロスとアガペーの聖女』(中公新書1781、中央公論新社、2005/01、amazon.co.jp)#0110 マグダラのマリアは、「娼婦」であると同時に「聖人」という属性が与えられている。考えてみれば、この人物像はなにに由来しているのか…

★『ユリイカ』第15巻第10号、1983年10月号(青土社)#0073 ☆特集=マルセル・デュシャン 買ってから、すでに入手し、読んだことがあることに気づく。orz

★『田原桂一――光の彫刻』(ディーウォーカー、2004/12、amazon.co.jp)【図録】#0034 上記展覧会に際して編集された図録。作品の写真のほか、 ・横江文憲「眩惑する光、眩惑させる光」 ・ジャン=リュック・モンテロッソ「光を哲学する彫刻家」 といったテキ…

★ウード・クルターマン『芸術論の歴史』(神林恒道+太田喬夫訳、勁草書房、1993/10、amazon.co.jp) Udo Kultermann, KLEINE GESCHICHTE DER KUNSTTHEORIE (1987) 芸術論の世界史。古代から現代までカタログ的に概観する一冊。 三千年に亘る、哲学者、芸術…

★辻惟雄『奇想の系譜――又兵衛―国芳』(ちくま学芸文庫ツ7-1、筑摩書房、2004/09、amazon.co.jp) 江戸の画家、岩佐又兵衛、狩野山雪、伊藤若冲、曾我蕭白、長沢蘆雪、歌川国芳の六名の作品をとりあげて、その奇想っぷりを堪能する一冊が待望の文庫化。姉妹編…