2014-01-01から1年間の記事一覧

月曜日は東京工芸大学で「ゲーム学I」(本厚木キャンパス)と「シリアスゲーム論」(中野キャンパス)の講義。鞄に清水真木『感情とは何か――プラトンからアーレントまで』(ちくま新書1076、2014/06、ISBN:4480067817)を放り込んで出かける。電車やらバスに…

2014年に創設された新しい出版社、共和国の新刊2点を手にせんと新宿紀伊國屋書店に赴いた……のだが、肝心の本に辿り着く前に、別の本に気を奪われてしまった(次回こそは……)。 ★高橋雅延『記憶力の正体――人はなぜ忘れるのか』(ちくま新書1077、2014/06、ISB…

★ダンテ・アリギエリ『神曲 地獄篇』(原基晶訳、講談社学術文庫2242、2014/06、ISBN:4062922428) ★Edited by Michael Lewis, Jeannette M. Haviland-Jones, and Lisa Feldman Barrett, Handbook of Emotions, 3rd edition (Guilford, 2010, ISBN:160918044…

★『idea』第365号、2014/07「特集=現代におけるエイティーズ新解釈」(誠文堂新光社、ISBN:B00K7HGIGQ) 毎号のことながら着眼が面白いなァ。 ⇒IDEA No.365 http://www.idea-mag.com/jp/publication/365.php ★長谷川泉『文学理論』(「長谷川泉著作選8」、…

文学研究法

★桑原武夫編『文学理論の研究』(岩波書店、1967、ISBN:B000JA5JWK) 京都大学人文科学研究所による共同研究「文学理論」をまとめた書物。刊行は1967年。編者の桑原武夫による「序言」によれば、研究自体は、1960年5月13日に第1回が開催され、1966年8月19日…

文学理論に関わる本を何冊か。 ★長谷川泉『近代日本文学思潮史』(至文堂、1961/05、ISBN:4784300430) ★長谷川泉編『現代文学研究――情報と資料 愛蔵版』(至文堂、1987/09、ISBN:4784300740) ★桑原武夫編『文学理論の研究』(岩波書店、1967/12、ISBN:B000…

文学における認知・感情

漱石先生の『文学論』を読み解くために、認知や感情の観点からの文学研究に関するウェブサイトや文献を蒐集中。というのも、『文学論』では「情緒」が最重要の鍵を握っているのであります。別途、心理学、認知心理学、進化心理学、神経科学などにおける感情…

ドロッセルマイヤーズによるゲームデザイン講義

⇒徳岡正肇「ドロッセルマイヤーズが考える,ゲームシステムと世界観の理想の関係とは? ボードゲーム制作の視点からメカニクス構築を紐解く講演会レポート」(4Gamer.net, 2014/02/22) http://www.4gamer.net/games/999/G999905/20140219131/

★石川幹人『人は感情によって進化した――人類を生き残らせた心の仕組み』(ディスカヴァー携書064、ディスカヴァー・トゥエンティワン、2011/06、ISBN:4799310240) ★『中央公論』2014年07月号「特集=すべての町は救えない」(中央公論新社、2014/06、ISBN:B…

ジャムを煮詰めるように

ここ2年ばかり、漱石先生の『文学論』を繰り返し読んでいる。同書は、「文学とはなにか」というモンダイに真正面から取り組んで、いってみれば「文学の条件」を普遍的に把握してみようという試みである。 この本は滅法面白い。つまりは、いろいろなことを考…

★Peter McCormick, Feelings and Fictions (The Journal of Aesthetics and Art Criticism, Vol. 43, No. 4 (Summer, 1985), pp. 375-383) http://www.jstor.org/discover/10.2307/429899?uid=3738328&uid=2&uid=4&sid=21104300890533 リンク先はJSTOR

Italian Renaissance Learning Resources

⇒Italian Renaissance Learning Resources In collaboration with the National Gallery of Art (Oxford University Press) http://italianrenaissanceresources.com/

ただいま翻訳中

目下、Mary Settegast, Plato Prehistorian: 10,000 to 5000 B.C. in Myth and Archaeology(The Rotenberg Press, 1986, ISBN:0940262347〔リンク先は2000年刊行のリプリント版〕)の翻訳を、相棒の吉川君との共訳で毎日少しずつ進めています。プラトンが『テ…

ゲラで緊張

何年か前、ある雑誌の或る特集号に寄稿したブックガイドを、このたび或る書物に採録していただくことになり、久し振りにゲラを眺めております。 このゲラというのは、なんと申しましょうか、やはり緊張するものであります。というのも、ここで確認をして、必…

試してなんぼ

東京ネットウエイブで4コマ講義。ゲームプロジェクト、卒業制作指導(2コマ)、数学。 制作指導は、学生による開発チームの制作物を見ながら、そのつど指示や疑問を提示するスタイルです。ゲームプロジェクト、数学も、一方的に講義をするのではなく、講義に…

1周まわってまたブログ?

先日、10年前にこのブログに書いていたことを読み返してみたら、気軽に日々の出来事や手に入れた本やらなにやらについて書いていて(余人はともかく書いている本人は)結構楽しそうだなァと思うことがありました。 昨今そういう投稿は、一時期はmixi、後には…

言葉に明け暮れた生涯

★デイヴィッド・ベロス『ジョルジュ・ペレック伝――言葉に明け暮れた生涯』(酒詰治男訳、水声社、2014/03、ISBN:4801000266) David Bellos, Georges Perec: A Life in Words (Harvill Press, 1993) ジョルジュ・ペレック Georges Perec は一九三六年三月七…

人はなにを「広告」だと思ってきたか

★加島卓『〈広告制作者〉の歴史社会学――近代日本における個人と組織をめぐる揺らぎ』(せりか書房、2014/02、ISBN:4796703306) 「広告」や「デザイン」といえば、今日あちこちで目にするし、なんの気なしに使われている言葉だ。でも、ちょっと立ち止まって…

参考文献「ゲームの定義」

以下のファイルは、東京工芸大学の講義「ゲーム学I」の参考資料です。 『ルールズ・オブ・プレイ』から、ゲームの各種定義を抜粋してあります。 ★「ゲームの定義」(ゲーム学I).pdf

『第1巻 主権と自由』

★責任編集=川出良枝『岩波講座 政治哲学1 主権と自由』(岩波書店、2014/03/26、ISBN:4000113518) 2014年に刊行が始まった「岩波講座 政治哲学」(全6巻)の第1巻。この講座は、書名にそうと明示されてはいないものの、要するに「近現代欧米政治哲学」をテ…

★キャスリーン・レイン『コウルリッジ』(岡本通訳、英文学ハンドブック――「作家と作品」シリーズ30、研究社、1957) Kathleen Raine, Coleridge (1953) 邦訳で54ページ(本文)というコンパクトな評伝。『エンサイクロペディア・メトロポリターナ』に関する…

「英文学は科学を理解するのか――現代イギリスロマン主義研究を考える」(代表者=石倉和佳、2012/4/1-2015/3/31)という興味あるタイトルの研究を検索している最中に遭遇した論考*1。 ★辻昌宏「ロマンティシズム成立にいたる諸条件――イギリスとイタリアの比…

S.T.コウルリッジ書誌

このエントリーでは、サミュエル・テイラー・コウルリッジ(Samuel Taylor Coleridge、1772-1834)に関する書誌や文献などをまとめます。(随時加筆) ■全集 ★The complete works of Samuel Taylor Coleridge (in Seven Volumes) 『サミュエル・テイラー・コ…

S.T.コウルリッジが企画・編集に携わった『エンサイクロペディア・メトロポリターナ』(1817-1845)についてのメモ。(随時追記します) ■メモ 『エンサイクロペディア・メトロポリターナ』は、各項目をアルファベット順に並べた(十八世紀フランスの『百科…

2014年の講義

今年は、藤本徹さんにお声かけいただき、東京工芸大学で「シリアスゲーム論」を担当いたします。また、「ゲーム学1」という講義も担当させていただくことになりました。いずれも月曜日です。 思えば、一橋大学大学院(芸術系基礎科目、思想系基礎科目)、同…

社会のモンダイを遊びに変えるゲームデザインの考え方

2013年11月12日に、藤本徹さんと中原淳さんが担当しておられる講座「メディア創造ワークショップ」の一環として、東京大学駒場キャンパスで行った講義「社会のモンダイを遊びに変えるゲームデザインの考え方」の映像が、東大テレビで公開になりました。 いわ…

「価値」概念を再検討する

★アンドレ・オルレアン『価値の帝国――経済学を再生する』(坂口明義訳、藤原書店、2013/11、ISBN:4894349434) André Orléan, L'Empire de la Valeur: Refonder l'économie (Éditions du Seuil, 2011) 経済理論の中心にある「価値」の概念を批判的に見直して…

最近のエントリーから

当ブログでここ半年のあいだにご紹介したり、書評を掲載した本は以下のとおりでした。 しっかり書評しようと思うと、結局書かないままになることが多くなりがちです。そこで、もう少し気軽に「こういうものがありますよ」という紹介のつもりで、目にとまった…

思った以上にRPG

★安田登『本当はこんなに面白いおくのほそ道――おくのほそ道はRPGだった!』(じっぴコンパクト新書176、実業之日本社、2014/01、ISBN:4408331090) 読み始める前の予想をはるかに超えて、『おくのほそ道』はロールプレイングゲーム(RPG)だった。 ゲームに…

セールの地図帳

★清水高志『ミシェル・セール――普遍学からアクター・ネットワークまで』(白水社、2013/11、ISBN:4560083355) 取り扱うテーマの「百科全書的な」と形容したくなるような広がりといい、議論に用いられる鍵概念といい、ミシェル・セール(Michel Serres, 1930…