2017-09-01から1ヶ月間の記事一覧

蒐書録#017:大森貴秀+原田隆史+坂上貴之『ゲームの面白さとは何だろうか』

★亀井俊介編『現代の比較文学』(講談社学術文庫1114、講談社、1994/02) 『現代比較文学の展望』(研究社、1972)として刊行された論集の文庫版。目次は以下の通り。 ・はしがき(原本) ・学術文庫版はしがき ・亀井俊介「比較文学の視野――ホイットマン的…

「ページと文体の力と科学」鈴木一誌×山本貴光トークイベント

先日新著『ブックデザイナー鈴木一誌の生活と意見』(誠文堂新光社)を刊行し、またデザイン誌『アイデア』第379号で「ブックデザイナー鈴木一誌の仕事」(誠文堂新光社)という大特集が組まれた鈴木一誌さんの連続対談イヴェントのお知らせです。 日時:201…

桜美林大学ビッグ・ヒストリー・プロジェクト

桜美林大学ビッグ・ヒストリープロジェクト(Oberlin Big History Project: OBHP)とは、宇宙・生命・人間の本質を138億年の地球宇宙史を振り返ることによって考察し、その宇宙的視点を現代の地球的課題に適用するというビッグ・ヒストリーの趣旨を実現する…

趣味嗜好を映画に教えられる――あるいはなぜトーストにバターを塗る音はあんなにも心地よいのか

ザリッ、ザリッ、ザリッ…… 劇場の暗がりでスクリーンを見つめながら、私は自分が好きなものをひとつ教えてもらっていることに気づいた。 ああ、これ、これ。 007ものだったかジョン・ル・カレが原作のスパイものだったか失念したけれど、MI6かどこかの執務室…

『ブレードランナー ブラックアウト 2022』

短編アニメーション『ブレードランナー ブラックアウト 2022』(渡辺信一郎監督、2017)

本のしぶとさ

次に刊行する予定の『夏目漱石『文学論』論(仮題)』(幻戯書房)の作業も大詰めで、目下は同書の附録としてつける「『文学論』110年の読解」という文書をこしらえている。 これは、1907年に『文学論』が刊行されて以来、同書について誰がどのような評価を…

『日本近代文学』総目次

日本近代文学会の『日本近代文学』総目次。 第1集(1964)から第86集(2012)までの目次とそれぞれのpdfを閲覧できる。 日本近代文学会について。 日本近代文学会は、日本近代文学研究に関する日本最大の学会です。1951年1月に近代日本文学会の名称で発足し…

蒐書録#016:ウラジーミル・ナボコフ『アーダ』

★ウラジーミル・ナボコフ『アーダ』(上下巻、若島正訳、早川書房、2017/09) Vladimir Nabokov, Ada or Ardor: A Family Chronicle (1969) 旧訳を手に入れられず図書館で借りて読んでおりましたが、ついに新訳登場。訳者は『ディフェンス』『ロリータ』『記…

蒐書録#015:川上未映子責任編集『早稲田文学増刊 女性号』

★芥川龍之介+谷崎潤一郎『文芸的、余りに文芸的な|饒舌録ほか』(千葉俊二編、講談社文芸文庫、講談社、2017/09) 芥川と谷崎の論争にかんする文章を集めた本。こういう企画もありがたい。複数の人があちこちの雑誌などで意見を戦わせるような場合、これを…

私のゲーム観

仕事のあいまに(誰に向けてのアピールか)twitterを眺めていたら、さとうさん(twitter id: RSatow)からこんなご要望を頂戴しておりました。 @yakumoizuru 山本貴光先生の意見も伺いたいなあ、個人的に https://t.co/eaRbtiSIlj — RS (@RSatow) 2017年9月2…

ぼけっとする技法

駅のホームでぼけっと何を見るでもなくあたりを眺める。 どこかに焦点を合わせるというよりは、むしろ焦点を合わせないような感じで。 すると、あれはなに、これはそれ、といったモノに貼りついている意味のようなものが霧散する。 いや、より正確にはモノに…

「人文的、あまりに人文的」第15回

東浩紀編「ゲンロンβ17」(2017/09/22)に吉川浩満くん(id:clnmn)との連載書評対談「人文的、あまりに人文的」第15回を寄稿しました(前回から隔号掲載)。 今回は「天文」をテーマに次の二冊をご紹介しています。 ★ジューリオ・マリ『古代文明に刻まれた…

蒐書録#014:安田登『能――650年続いた仕掛けとは』

★安田登『能――650年続いた仕掛けとは』(新潮新書732、新潮社、2017/09) 冒頭に能の効能が五つ書かれているのだけれど、長続きする組織作りのヒントになる、健康長寿の秘訣、心を穏やかにする、政治統治のマネジメントに有効というあたりまでは「ふむふむ」…

左脳・右脳仮説の検証

★Jared A. Nielsen , Brandon A. Zielinski, Michael A. Ferguson, Janet E. Lainhart, Jeffrey S. Anderson, "An Evaluation of the Left-Brain vs. Right-Brain Hypothesis with Resting State Functional Connectivity Magnetic Resonance Imaging" (2013)…

「人生がときめく知の技法」第15回

吉川浩満くん(id: clnmn)との連載「人生がときめく知の技法」第15回が公開されました。 「哲学の訓練(その三)」と題して、さらに具体的にエピクテートス先生による「心像の正しい使用」に迫ります。 はじめて『人生談義』を読んで以来、そこで言われてい…

「“究極の量子コンピューター” へ 基本原理開発に成功 東大」

★「“究極の量子コンピューター” へ 基本原理開発に成功 東大」(NHK NEWS WEB、2017/09/22) 離れた物質の間を情報が瞬間移動する「量子テレポーテーション」と呼ばれる現象を利用して、現代のスーパーコンピューターをはるかにしのぐ新型の量子コンピュータ…

「リルケの書簡1353通、デジタル化で公開」

★「リルケの書簡1353通、デジタル化で公開」(SWI、2017/09/21) オーストリアの詩人ライナー・マリア・リルケ(1875~1926年)は生前とても筆まめで、頻繁に書簡をやり取りしていた。死んだら公開してほしい、それがリルケの遺言だった。スイス…

蒐書録#013:『ゲンロン6 ロシア現代思想I』ほか

★アントワーヌ・メイエ『ヨーロッパの言語』(西山教行訳、岩波文庫青699-1、岩波書店、2017/09) Antoine Meillet, Les langues dans l'Europe nouvelle (1928) ★江戸川乱歩『怪人二十面相・青銅の魔人』(岩波文庫緑181-2、岩波書店、2017/09) ★大岡信『…

「物理学70の不思議」

web

『日本物理学会誌』第72巻第9号附録「物理学70の不思議」のpdfが公開されています。

他のエージェントの学習プロセスを考慮しながら学習するAI

「他のエージェントの学習プロセスを考慮しながら学習する「LOLA(Learning with Opponent-Learning Awareness)」」に関する研究とのこと。 「囚人のジレンマ」の状況に対する選択結果が面白いです。

マルジナリアのあるニュートン『光学』

マルジナリアのあるニュートン『光学』(英語版) Opticks: or, A treatise of the reflexions, refractions, inflexions and colours of light. Also two treatises of the species and magnitude of curvilinear figures (1704) "Parker, Theodore, 1810-1…

慣性の法則破れる?

広島大学のニュースより。 【研究成果】慣性の法則破れる?粒子はまっすぐ進まない。 先端物質科学研究科 量子物質科学専攻のホフマン ホルガ准教授の研究成果が,アメリカ物理学会の会誌「Physical Review A」に掲載されました。 掲載された論文は、”Quantu…

Journal of Literature and Science

★Journal of Literature and Science オープンアクセスのジャーナル『文学と科学』。2008年創刊。

「異分野融合の促進に資する学術分野の文化比較結果の可視化」

★今井晨介+尾上洋介+宮野公樹+日置尋久+小山田耕二「異分野融合の促進に資する学術分野の文化比較結果の可視化」(『可視化情報学会論文集』第37巻第8号、2017) https://www.jstage.jst.go.jp/article/tvsj/37/8/37_40/_article/-char/ja/ 現代社会は複…

蒐書録#012:アンガス・フレッチャー『アレゴリー――ある象徴的モードの理論』ほか

先日、散歩がてら丸善ジュンク堂書店渋谷店を訪れた。 足を踏み入れるまでは、特に目当てのものがあったわけではない。ただ、ぶらぶらと見て歩こうと思っていたのだった。 同書店は、階が分かれているスタイルではなく、ひとつのフロアに全ての棚があるので…

蒐書録#011:ステファン・グラビンスキ『火の書』ほか

世界にはすでに山ほどの本があり、こうしているうちにも新たな本が続々と世界中で生まれております。 そうしたなかから、何の因果かたまさかわたくしの手元に到来したもの(の一部)を写真つきでご紹介するのが、この「蒐書録」のコーナーです。 ★ステファン…

『グラディウス』は調子のバロメーター

用があって、これまで自分が遊んだことのあるゲームのリストをこしらえている。 とはいえ、かれこれ46年も生きており、子どもの頃のことはあまり覚えていないこともあって、実際どんなゲームで遊んでいたのかを再構成するのは難しい。 ただ面白いことに、一…

蒐書録#10:飯田泰之『経済学講義』ほか

★飯田泰之『経済学講義』(ちくま新書1276、筑摩書房、2017) ★クリスチャン・モンティロン『ローダンNEO2 テラニア』(長谷川圭訳、ハヤカワ文庫SF2139、ロ10-2、早川書房、2017) Christian Montillon, Perry Rhodan Neo: Utopie Terrania (Pabel-Moewig V…

カート・ヴォネガットの短篇集『コンプリート・ストーリーズ』

近刊のカート・ヴォネガットの短篇集『コンプリート・ストーリーズ』(Seven Stories Press)には、未発表作品も含まれているのだとか。 詳しくは下記の記事へどうぞ。

蒐書録#009:ティム・インゴルド『メイキング――人類学・考古学・芸術・建築』ほか

★ティム・インゴルド『メイキング――人類学・考古学・芸術・建築』(金子遊+水野友美子+小林耕二訳、左右社、2017) Tim Ingold, Making: Anthropology, archaeology, art and architecture (2013)の邦訳。『ラインズ――線の文化史』(左右社、2014)もよい…