2004

映画のあとで、神保町へくだってゆく。今日も今日とて性懲りもなく書物を手にする。ちくま文庫の12月新刊を中心に。 ★『小林秀雄全作品27??本居宣長(上)』(新潮社、2004/12、amazon.co.jp)

★『読書人』2004年12月17日号 恒例の「2004年の収穫」。評者たちが2004年に触れた書物から三点を選ぶ企画。ノーマークだった本や、気にしながらとうとう手にとらずにきた本をすくいとるよい機会。気のせいか、例年よりも評者が少ないような(『みすず』の読…

★『杜牧詩選』(松浦知久+植木久行編訳、岩波文庫赤22-1、岩波書店、2004/11、amazon.co.jp) 晩唐の詩人・杜牧(803-852)の詩選集。主要132作品をおさめ、「訓読・現代語訳・語釈・補注・解説・年表」をつけたもの。

★杉山其日庵『浄瑠璃素人講釈(下)』(内山美樹子+桜井弘編、岩波文庫緑174-2、岩波書店、2004/11、amazon.co.jp) 其日庵(そのひあん)杉山茂丸が主宰の雑誌『黒白』(1917年創刊)に連載された「義太夫虎の巻き」をまとめた書物。

★クック『太平洋探検2――第一回航海(下)』(増田義郎訳、岩波文庫青485-2、岩波文庫、2004/11、amazon.co.jp) The Journal of Captain James Cook on his Voyage of Discovery(edited by J.C.Beaglehole, 4vols., Cambridge University Press, 1955-1967…

★『田中正造文集(一)――鉱毒と政治』(由井正臣+小松裕編、岩波文庫青N107-1、岩波書店、2004/11、amazon.co.jp) 足尾銅山鉱毒事件に際しての明治天皇への直訴文なども収録されている。全二冊の予定。田中正造のまとまった文章は、『田中正造全集』(全20…

★『別冊情況』2004年12月「特集=カント没後200年」(情況出版、2004/12) 牧野英二編のカント特集号。カント(1724/04/22-1804/02/12)が亡くなってから二百年。彼が考えたことが現在どういった意義をもっているか、「いまなぜカントか?」、という牧野英二…

★うすた京介『ピューと吹く!ジャガー8 だせ!たてぶえマン』(JUMP COMICS、集英社、2004/12) 読み手のわたくしがジャガーさん(うすたさん)ワールドに慣れてしまったのか作品のテンションの問題なのか、ここ数巻、「うわわ、この漫画どこへ行っちまうん…

★堤治『授かる――不妊治療と子どもをもつこと』(朝日出版社、2004/10、amazon.co.jp) 不妊がさまざまな原因で増えていること、 同時に不妊治療の医術も格段に進歩して、これまで不可能といわれてきたことが可能になってきていること、 子どもがほしいという…

★『植草甚一スクラップ・ブック1――いい映画を見に行こう』(晶文社、2004/09、amazon.co.jp) 「植草甚一スクラップ・ブック」全40巻+別巻1(1976-1980)の復刊。晶文社創立45周年を記念して。

★柄谷行人『定本柄谷行人集1――日本近代文学の起源』(岩波書店、2004/09、amazon.co.jp) 新章「ジャンルの消滅」、外国語版への序文4篇を増補した全面改稿版。 これにて「定本柄谷行人集」全5巻の配本は完結。

★加藤幹郎『『ブレードランナー』論序説――映画学特別講義』(リュミエール双書34、2004/09、amazon.co.jp) リュミエール叢書最新巻は、加藤幹郎氏による『ブレードランナー』論。巻頭にこんな言葉が。 『ブレードランナー』を見たことのない者は本書を開い…

★高橋洋『映画の魔』(青土社、2004/09、amazon.co.jp) 現場の作家はそのつど手持ちの道具から武器をつくりあげ、それを使ってせいいっぱいに戦う。武器をつくるためにつくるのではないし観賞用につくるのではないから、細かいところまで行き届いていたりす…

★高橋英夫『批評の精神』(講談社文芸文庫たG2、講談社、2004/09、amazon.co.jp) 高橋英夫(1930- )最初の著作。小林秀雄、河上徹太郎、大岡昇平、福田恒存、神西清、林達夫、唐木順三、折口信夫をめぐる論考。親本は、1970年12月に中央公論社から刊行。

★辻惟雄『奇想の系譜――又兵衛―国芳』(ちくま学芸文庫ツ7-1、筑摩書房、2004/09、amazon.co.jp) 江戸の画家、岩佐又兵衛、狩野山雪、伊藤若冲、曾我蕭白、長沢蘆雪、歌川国芳の六名の作品をとりあげて、その奇想っぷりを堪能する一冊が待望の文庫化。姉妹編…

★「江戸川乱歩と大衆の20世紀展」@池袋東武百貨店 作家をテーマにした展覧会はむつかしい。なにしろ主たる展示物はどうしたって作家の作品、つまりは文章や書簡、よくって愛用の道具や書棚といったものになるからだ。展示される資料にはもちろん手をふれる…

★山田宏一『山田宏一の映画教室 vol.1??フランソワ・トリュフォーの映画誌』(平凡社、2004/08、amazon.co.jp) トリュフォーを20の項目で観る。「エッフェル塔」「813」「リュミエール」「「カイエ・デュ・シネマ」とヌーヴェル・ヴァーグの仲間たち」「ロ…

★『江戸川乱歩全集 第2巻 パノラマ島奇譚』(光文社文庫、光文社、amazon.co.jp) 第13回配本は「パノラマ島奇譚」。収録作品は以下のとおり。 ・「闇に蠢く」 ・「湖畔亭事件」 ・「空気男」 ・「パノラマ島奇譚」 ・「一寸法師」 ・大林宣彦「私と乱歩」 …

★『思想』 No.964 2004年8月号(岩波書店)・千葉眞「民主政治の「失われた一〇年」と今後」 ・平石直昭「戦時下の丸山眞男における日本思想史像の形成――福沢諭吉研究との関連を中心に」 ・A.バーシェイ「社会科学史の観点からみた丸山眞男」 ・近藤和彦「「…

★蓮實重彦『映画への不実なる誘い――国籍・演出・歴史』(NTT出版、2004/08、amazon.co.jp) 2002年秋から2003年初頭にかけて、せんだいメディアテークで行われた3回のレクチャーの書籍化。「第1章 映画における国籍」では、日本の作家についてのフランスでつ…

★『子猫をお願い』プログラム

★『定本 柄谷行人集5 歴史と反復』(岩波書店、2004/07、amazon.co.jp) 『終焉をめぐって』(福武書店、1990; 講談社学術文庫、1995)に収録された論考を中心に再編成された一冊。

★magazine littéraire No 433 JUILLET-AOÛT 2004 éloge de la paresse いい特集だなァ。この特集とは関係ないですが、ルネ・ジラールのインタヴューも掲載されています。ジラールってこういう顔だったのね(はじめて見ました)。 この雑誌、いつも定期講読を…

★magazine littéraire, No 431 MAI 2004 George Sand: une rebelle face à son siècle

★『情況』第3期第5巻第6号 2004年6月号(情況出版社) 特集=哲学者としての廣松渉 ・廣松渉「論文梗概添付票」 ・廣松渉「カントの『先験的演繹論』」(目次・序文、緒論) ・廣松渉「私の履歴書」 ・牧野英二「廣松渉『カントの先験的演繹論』(修士論文)…

★斎藤充功『昭和史発掘——幻の特務機関「ヤマ」』(新潮新書026、新潮社、amazon.co.jp) 「ヤマ」とは戦時下に設置されていたという軍の防諜機関の通称。資料に乏しいなか、同機関に勤務していた友源次郎の手記にたどりついた著者が同手記その他の資料に基づ…

★隈研吾『負ける建築』(岩波書店、2004/03、amazon.co.jp) 仕事場で昼休みにこの本を読んでいると、とおりがかりの人が「あれ、家でも建てるんですか?」と言う(まあ、『ジャンキー』を読んでいれば、「あれ? 八雲さん、やっぱりジャンキーなんですか?…

★中沢新一『ポケットの中の野生』(新潮文庫、新潮社、2004/01、amazon.co.jp) このつど新潮文庫にはいった中沢新一の『ポケットの中の野生』(新潮文庫、新潮社、2004/01、amazon.co.jp)は、『ポケットモンスター』を「贈与」と「対象a」という二つの概…

★アエリウス・スパルティアヌス他『ローマ皇帝群像1』(南川高志訳、西洋古典叢書L012、京都大学学術出版会、2004/01、amazon.co.jp)#0113 Historia Augusta 西洋古典叢書の第II期(全31巻予定)は、はやくも残すところあとニ冊の配本となった。次回予定さ…

★『情況』第3期第5巻第1号2004年01+02月合併号(情況出版、2003/12) ☆特集=〈ネグり思想〉の政治・経済学的考察