2005-01-01から1年間の記事一覧

★アラン・サヤグ+アニック・リオネル=マリー編『ブラッサイ写真集成』(堀内花子訳、岩波書店、2005/08、amazon.co.jp) 19世紀末ハンガリーに生まれたブラッサイは,ベルリンで美術を学び,1924年パリに出て,シュルレアリスムの芸術家たちやピカソ,ミラ…

★野村進『日本領サイパン島の一万日』(岩波書店、2005/08、amazon.co.jp) 90年前に南の島に漂着した山口百次郎,彼の誘いで移住した石山家.本書は山形出身の2家族を軸に日本人移民の苦難の歴史を壮大に紡ぎだす.後に日米両軍による凄惨なる戦場となるこ…

★佐藤泉『戦後批評のメタヒストリー——近代を記憶する場』(岩波書店、2005/08、amazon.co.jp) 破局と復興を生きる人々の心情を充填して展開された戦後の批評.文学作品を論じつつ,ナショナリズムや日本の近代を問い直した場が,何を記憶させ,何を見えなく…

★『思想』No.976、2005年08月号(岩波書店) 特集は、「医療における意思決定」。 ・加藤尚武「思想の言葉」 ・清水哲郎「医療現場における意思決定のプロセス——生死に関わる方針選択をめぐって」 ・立岩真也「他者を思う自然で私の一存の死」 ・柘植あづみ…

★種村季弘『断片からの世界 美術稿集成』(平凡社、2005/08、amazon.co.jp) 著者の批評活動の大きな柱であった美術をテーマとした遺稿集成。単行本未収録のものを中心に、芸術原論や国内外作家論等を4章で構成、著者独自の物の見方を開示した大パノラマ。 …

★林淑美『昭和イデオロギー 思想としての文学』(平凡社、2005/08、amazon.co.jp) 中野重治、戸坂潤、小林秀雄、坂口安吾など、思想としての文学の闘いの内に、支配の言説への加担と対抗の内に、昭和という時代を貫くイデオロギーの諸形態をみとる、果敢な…

★柳田泉『随筆明治文学1 政治篇・文学篇』(東洋文庫741、平凡社、amazon.co.jp) 明治の文学・文化研究の先駆者・柳田泉。その仕事の精髄を集めた随筆明治文学正続二編を3巻に再編。第1巻は、政治運動と近代小説の相携えて進む道行きを示す論考など。 (…

★グザヴィエル・ゴーチエ『シュルレアリスムと性』(三好郁郎訳、平凡社ライブラリー547、平凡社、2005/08、amazon.co.jp) 自由と愛を求めたシュルレアリスムはエロスの破壊力に賭けたが、その苦闘とは裏腹に、結局は革命に失敗する。その原因を抜きがたい…

★北野圭介『日本映画はアメリカでどう観られてきたか』(平凡社新書285、平凡社、2005/08、amazon.co.jp) 日本映画は、アメリカでどのような評価を受けてきたのか? そういえば、たまさか個々の批評家や映画監督が日本映画やクロサワやオオシマについて語る…

★『ユリイカ』第37巻第9号通巻510号、2005年8月臨時増刊号(青土社、2005/08、amazon.co.jp) 臨時増刊号の総特集は加野瀬未友氏とばるぼら氏の責任編集による「オタクvsサブカル!——1991-2005ポップカルチャー全史」。ブックデザインは、HOLON。 ◆1:「せん…

★上田和彦『レヴィナスとブランショ——〈他者〉を揺るがす中性的なもの』(水声社、2005/07、amazon.co.jp) 「私」に呼びかける「他者」とは、誰なのか。「他者」の呼びかけに応える「私」とは、誰なのか。著者が2002年に東京大学大学院人文社会系研究科…

拙サイト「哲学の劇場」を更新しました。 ひきつづき雑誌『季刊パイデイア』(1968-1973、全16号)の目次情報を作成しています。今回は、第7号をアップしました。 ★資料集 > 『季刊パイデイア』第7号 http://www.logico-philosophicus.net/resource/paideia/…

★『現代思想』第33巻第09号、2005年08月号(青土社、2005/07、amazon.co.jp) 2005年08月号の特集は「靖国問題」。 ◆1:靖国問題 ちくま新書から刊行した『靖国問題』(ちくま新書、筑摩書房、2005/04、amazon.co.jp)が25万部を超える売れ行きを見せている…

拙サイト「哲学の劇場」を更新しました。 ひきつづき雑誌『季刊パイデイア』(1968-1973、全16号)の目次情報を作成しています。今回は、第6号をアップしました。 ★資料集 > 『季刊パイデイア』第6号 http://www.logico-philosophicus.net/resource/paideia/…

まだきちんと調べていないが、内田魯庵に関して情報を集積しているサイトに出会わなかった。ここには関連ウェブサイトへのリンクを追記してゆく。 ⇒電子図書館 > 内田魯庵 http://www.eonet.ne.jp/~log-inn/04chosya_au.htm#内田魯庵 ⇒丸善 > 丸善社史 http:…

★伊藤整『日本文壇史2——新文学の創始者たち』(講談社文芸文庫いD3、講談社、1995/02、amazon.co.jp) 私たち文学史の門外漢にとって明治文学史をたどるさいに便利なリソースのひとつに、伊藤整+瀬沼茂樹『日本文壇史』(全24巻+目次総索引、講談社文芸文…

★木村有美子『内田魯庵研究——明示文学史の一側面』(和泉選書127、和泉書院、2001/05、amazon.co.jp)がある。 現在流通している魯庵のモノグラフとしては本書がある。 ■? 魯庵と紅葉 ・紅葉作品評に見る魯庵の文学意識 ・魯庵にとっての紅葉 ■II 「くれの廿…

★内田魯庵『新編 思い出す人々』(紅野敏郎編、岩波文庫緑86-4、岩波書店、1994/02、amazon.co.jp) 収録作品は以下のとおり。 ・二葉亭四迷の一生 ・二葉亭余談 ・二葉亭追録 ・二葉亭四迷——遺稿を整理して ・明治の文学の開拓者——坪内逍遥 ・欧化熱と山田…

★内田魯庵『くれの廿八日』(岩波文庫緑86-3、岩波書店、1955/12、amazon.co.jp) 魯庵最初の小説。この作品自体は、前記の「明治の文学」に収録されている。本文庫版には「当世文学通」が併載されている。解説は稲垣達郎。

岩波文庫には、四冊三作品が収録されている。ほとんど品切れ状態だが参考まで掲載しておきたい。 ★内田魯庵『社会百面相』(上下巻、岩波文庫緑86-1, 2、岩波書店、1953/02 - 1954/09、amazon.co.jp) 小説集。附録として「破垣」も収録されている。また、息…

★内田魯庵『明治の文学 第11巻 内田魯庵』(坪内祐三+鹿島茂編、筑摩書房、2001/03、amazon.co.jp) 坪内祐三氏が編集した「明治の文学」の第11巻。「内田魯庵は明治のベンヤミンだ。好きなもの、街歩き、古本、オモチャ、万年筆、ステッキそれに思い出。嫌…

★内田魯庵『魯庵随筆 読書放浪』(斎藤昌三+柳田泉編、東洋文庫603、平凡社、1996/08、amazon.co.jp) 魯庵の周辺にいた斎藤昌三(さいとう・しょうぞう, 1887-1961)が興した書物展望社から刊行した魯庵の随筆集。編集には、柳田泉(やなぎだ・いずみ, 189…

★内田魯庵『気まぐれ日記』(リキエスタ、トランスアート、2001/07、amazon.co.jp) 日記といえば、こちらは1912年(明治45=大正元年)の7月から12月まで『太陽』(博文館)に連載したもの。1936年に双雅房から単行本として刊行されている。本書は、リキエ…

★内田魯庵『魯庵日記』(講談社文芸文庫うD2、講談社、1998/07、amazon.co.jp) 明治27年から44年までの日記。身辺雑記はもちろんのこと、新聞記事や名刺(実物)の貼りこみ、それについての批評、日記というよりはもはや随筆になっている文章など、多種多様…

★内田魯庵『魯庵の明治』(山口昌男+坪内祐三編、講談社文芸文庫うD1、講談社、1997/05、amazon.co.jp) 目下、講談社文芸文庫には魯庵の作が二冊はいっている。一冊目がこの『魯庵の明治』。もっぱら明治期の回想記を中心に編まれたアンソロジー。収録作は…

★山口昌男『内田魯庵山脈——〈失われた日本人〉発掘』(晶文社、2001/01、amazon.co.jp) 内田魯庵といえば、山口昌男(やまぐち・まさお、1931- )氏の愉快きわまりない人脈網文化史誌『内田魯庵山脈——〈失われた日本人〉発掘』(晶文社、2001/01、amazon.co…

先頃から、aquiraxさん(id:aquirax)が主宰する「明治賢人研究会」の末席を汚している。この研究会、明治文学思想研究者か好事家(褒め言葉)でもなければ繙読の機会もなかろうかという作品を原典に拠って読み解きつつ、そこに映じる明治の社会・文化の諸相…

拙サイト「哲学の劇場」を更新しました。 ひきつづき雑誌『季刊パイデイア』(1968-1973、全16号)の目次情報を作成しています。今回は、第3号から第5号までのものをアップしました。近く、各号の書影も掲載する予定です。 ★資料集 > 『季刊パイデイア』第3…

新曜社といえば、6月にこういう本も出ています。 ★H.ベルテンス+J.ナトーリ編『キーパーソンで読むポストモダニズム』(土田知則+時実早苗+篠崎実+須藤温子+竹内康史訳、新曜社、2005/07、amazon.co.jp) Edited by Hans Bertens + Joseph NatoliPOSTMO…

★小熊英二『対話の回路——小熊英二対談集』(新曜社、2005/07、amazon.co.jp) 小熊英二氏の新著は、これまでに行った対談を集成した一冊。目次は次のとおり。 ・「日本」からのエクソダス(村上龍) ・同時多発テロと戦後日本ナショナリズム(島田雅彦) ・…