2011-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ゲームづくりの発想術――ジャマしジャマされ遊ぶのさ

ツブヤ大学(横浜)で、「ゲームづくりの発想術――ジャマしジャマされ遊ぶのさ」と題した講座を担当させていただきました。 「ゲームとはモンダイである」と見立てて、では、どうしたらモンダイをつくれるかということを検討してみるという内容です。 ゲーム…

連載第4回「総論の構成 その2――「学術の方略」」

4月8日からスタートした連載「「百学連環」を読む」の第4回を寄稿しました。前回に続いて、目次を眺めています。もう少しで、ようやく(!)本文に入って参ります。 私たちは「百学連環」の「総論」の詳しい目次を眺めているところでした。前回は「学術技芸…

その2:バタイユのinforme

「形」というものがよく分からないので、この際、先達の考えたことを手がかりにしながら、この言葉が何を指しているのか、何を指そうとしているのか、あるいは、どんな働きを持っているのか、ということについて考えてみるべく、「無/形をめぐって」という…

ゲームの中核となる仕組みを見抜くために

本日の「ゲーム企画」の講義では、ゲーム開発の流れについて、実際に開発を進める際の手順などについて述べました。いまやいくつもの細分化された担当者たちの分業によって作られることの多いゲーム開発では、誰と何を、どんな順序で作業するのか、という作…

自主ゼミ、始めました。

その一橋大学大学院に在席する院生の皆さんからお声かけいただいて、自主ゼミを始めることにしました。 参加者の皆さんの関心事をテーマとして、視野を広めにとりながら、いろいろな問いを立てつつ、既知と未知の境界に迫って参る所存です。 最初のメイン・…

第2回 問題設定

本日は、「映像文化論」第2回目の講義でした。まだ履修登録が確定していないこともあってか、席が埋まって若干立ち見が出ている状況でしたが、去年よりは立っている人の数が少なくて済んでいるようです(昨年の成績評価の実績をご案内した影響かもしれません…

参考文献リスト

*2011/05/16 第5回「モンタージュ――映像にしかなしえないこと」に関する参考文献を追加しました。 *2011/05/02 第3回「潜在するもの/顕在するもの――コンピュータ・グラフィクス」に関する参考文献を追加しました。 ■この文献リストについて 以下に掲げる…

連載第3回「総論の構成 その1「学術技芸」」

連載「「百学連環」を読む」の第3回を寄稿しました。 読解の手始めに、目次を眺めています。「なんでそんなところで足踏みを?」と思うかもしれませんが、本文に入る前に、目次をそれなりに眺めておくのは、読書の進め方としてなかなかいいことが多いのです…

ゲームづくりの発想術――ジャマしジャマされ遊ぶのさ

来る2011年04月30日(土)、ツブヤ大学(横浜)にて、ゲーム関連の講座を担当させていただきます。 題して「ゲームづくりの発想術――ジャマしジャマされ遊ぶのさ」。ゲームの中核となる仕組みをどうやって発想するか、というテーマです。 時間は90分と限られ…

その3:皮肉か賞賛か両方か

書物をゆっくり読むのは、存外難しいものです。小説であれば話の筋や展開が気になって、先を読みたい一心で、ついつい目が先へゆこうとするし、、そうでなくても書物の場合、最後のページと現在位置が目に見えて分かることもあり、ゴールを目指したい気持ち…

ゲームの概要を言語化する

今年は、専門学校や大学での講義について、折々どんなことをしているのか、拙ブログでも述べてみようと思います。 火曜日は、「ゲーム企画」と「ゲーム史」という講義を担当しています。ゲーム企画は1年生向けの講義で、ゲーム開発全般について、その流れや…

映像文化論開講

前年度に続いて、一橋大学にて、もう一度「映像文化論――異なるものをつなぐ術」を担当させていただくことになりました。 一橋大学の武村知子先生からお声かけいただいて、2009年から非常勤講師を務めさせていただいています。 2009年冬学期「新たなる百学連…

ゲームデザイン講義

今年も、専門学校東京ネットウエイブにて、ゲームデザインに関するいくつかの講義を担当させていただきます(週2日、計8コマ)。主にゲーム企画やそれに関連する内容の講義です。 新入生の1年生には、これから前期の講義で、どのようなことを学ぶのかという…

連載第2回「どんな文書か」

*04/18 URLを修正しました(間違えて、「グレートありがとうさぎ」にリンクしていました……)。 *04/16 URLを短縮化しました。 先週の金曜日からの新連載「「百学連環」を読む」の第2回を寄稿しました。 連載は、三省堂の出版部門が運営する「ワードワイズ…

その2:比喩を使って二重に物事を語る

先日、思いつきで「冒頭拝見」という試みを始めてみました。或る書物を手にとって、その1ページ目をともかくじっくり読んでみようという次第です。 フランスの文学者エミール・ファゲは、その『読書術』(石川湧訳、中公文庫、2004、ISBN:4122043700)のなか…

科学のアンソロジーを考えてみる(1)

ときどきアンソロジーを編んでみたいものだなあという空想をします。古典ギリシア語に、アンソロギア(ανθολογια)という言葉がありますが、これは「花を集める」という意味です。あちこちから花を摘んで花束にするように、言葉を集めるということでしょうか…

そんなこともあろうかと……

コンピュータのプログラム(program)とは、文字通り「事前に書いたもの」という古典ギリシア語に由来する言葉。 その仕組みを、いま必要な範囲で簡単に言えば、コンピュータに対する命令を、予め仕組んでおいたもの。例えば、Wordなどの文書作成プログラム…

うっかり役に立つ

学生の皆さんと話していると、ときどき「それをいま勉強すると何の役に立つのか判りません」という意見が出てきます。例えば、「数学なんて、人生で使うことあるんですか?」といった具合です。 「役に立つ」という言葉は、一見とても分かりやすくて、誤解の…

図書目録の楽しみ

出版目録や、古本目録を眺めるのが好きです。 それも、紙でつくられたものであればなおのこと。 もちろん、昨今のこと、ネット上でもいろいろな目録やデータベースが公開されており、毎日のように便利に使わせていただいています。しかし、そうした経験を経…

その1:形というよくわからないもの

なにをいまさら、と言われるかもしれないけれど、私がよく分からないもののひとつに「形」がある。似た言葉としては、「形式」も同様。よく分からないので、自分ではおそるおそる使うことが多いのだけれど、どうも欧米の書物などを読んでいると、矢鱈とお目…

【新連載】「百学連環」徹底読解

年始めにこの場所で、西周の「百学連環」講義の現代語訳+注釈の私家版をこしらえたいと思っていると、ささやかな抱負を述べておりましたところ、三省堂出版局・辞書出版部の荻野真友子さんから、三省堂が運営しているサイトで連載をしませんかと、とてもう…

チェスタトン『求む、有能でないひと』

★G. K. チェスタトン『求む、有能でないひと』 (阿部薫訳、妹尾浩也装幀、237ページ、国書刊行会、2004/02、1800円+税、ISBN:4336046190) 本書は、訳者の阿部薫氏による編訳書。G. K. チェスタトン(Gilbert Keith Chesterton, 1874-1936)のエッセイを選…

科学の言葉

★ジリアン・ビア『未知へのフィールドワーク――ダーウィン以後の文化と科学』(鈴木聡訳、東京外国語大学出版会、2010/12、ISBN:4904575091) Gillian Beer, Open Fields: Science in Cultural Encounter (Oxford University Press, 1996) ここしばらく、言葉…

その1:シカゴ・ロンドン間も一文で

思いつきで新しい試みをひとつ。「冒頭拝見」と称して、手近にある書物の最初の1ページを玩味してみたいと思います。映画やゲームなどもそうですが、人が初めて(あるいは何度目かだとしても)或る作物に触れて、それを体験するとき、とりわけその冒頭で何が…

新連載予告篇

三省堂(出版部門)のウェブサイト「ワードワイズ・ウェブ」で、4月8日(金)から新しい連載を始めさせていただくことになりました。 「ワードワイズ・ウェブ」はどんなサイトか、説明を引用してみます。 三省堂Word-Wise Webは,株式会社三省堂の辞書出版物…

時間と空間に縛られて

新潮社の季刊誌『考える人』前号(2011年冬号)から、「文体百般――ことばのスタイルこそ思考のスタイルである」という連載を始めさせていただきました。 これは、主に書かれたことばを中心に、その意味内容はもちろんのこと、従来の文体論、スタイル論を踏ま…