翻訳 の検索結果:

第一巻 アラビア哲学

…井筒俊彦の英文著作・翻訳をのぞくすべての日本語著作を、執筆・発表年順に収録した初の本格的全集」との由。 かつて中央公論社から出ていた『井筒俊彦著作集』(全12巻+別巻)を手に入れそびれて、単行本や文庫本で集め読み、必要になるつど図書館から『著作集』を借り出しておりました。今は昔、まだ東京は渋谷のブックファーストが、まるまるビル一つ分あった頃、哲学書コーナーの棚の一等上に、この『著作集』がドーンと乗っており、行くたび「いつかこれを手元に置いて熟読したいものだなあ」と思いながらそ…

2013年秋の近況

…istorian の翻訳(朝日出版社)、『考える人』(新潮社)で連載させていただいた「文体百般」の単行本化作業、夏目漱石の『文学論』に関する単著(水声社)の執筆などに取り組んでいます。今年の夏までは数学と放射線三昧の理系モードでしたが、秋からは人文系のテーマが多くなりそうです。そうそう、三省堂ワードワイズ・ウェブで連載中の「「百学連環」を読む」(毎週金曜日掲載)も、ようやく終わりが見えて参りました。この秋から冬にかけて、連載完結の見通しです。 ゲーム方面では、11月12日に、…

「文体百般」のその後

…みについて検討しようとしているところでした。 2013年下半期の文筆方面は、この「文体百般」単行本化の作業と、Plato, Prehistorianの翻訳、相棒・吉川浩満君との共著第3弾となる予定の『哲学の劇場(仮)』の執筆が主な仕事となりそうです。引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。 ⇒三省堂ワードワイズ・ウェブ > 「「百学連環」を読む」 http://p.tl/9HWh ⇒朝日出版社第二編集部ブログ > 「書物の海のアルゴノート」 http://p.tl/4rWB

数学は美しいか

…ンダム性について」(翻訳) 特集のイントロダクションでは、無理を承知で「現代数学マップ」なる図をこしらえて、数学の諸領域を大きく捉えるための手がかりになればというつもりで原稿を書いております。この図は、いくつかの数学辞典や数学書から抽出した領域を並べてみたものです。時間の要素や個別の数学者や文献などは一切描きこんでありませんが、ゆくゆくは「新たなる百学連環」(学術史の全体像を示す図)の一部として、時間などの諸要素を盛り込んだ精密なマップを描きたいと念じております。 今回の特集…

次号の特集は「数学は美しいか」

…原稿(インタヴュー、翻訳を含む)のゲラを全て確認し終えました。 拙稿はともかくとして、聞き手を担当させていただいた三つのインタヴューは、大変読み応えのあるものになっております。書店などでお目に留まりましたら幸いです。刊行予定は7月4日でございます。 これにて3カ月以上にわたった数学特集体制もようやく解除。テーブルの周囲を占拠していた数学書の山を棚に戻して、この間に賜ったり手に入れながら読めずにきた数学以外の本を読んで参りたいと思います。 問題があるとすれば、まだまだ読んでいな…

下巻刊行いたしました

…です。 さて、これにてようやく長年の宿題を一つ片付けましたので、この翻訳を終わらせるまではと封印していたゲームを解禁したいと思います。なにからやろうかしら。 ⇒ウラゲツブログ > 2013年05月06日 http://urag.exblog.jp/17745063/ 小林浩さんに「ウラゲツブログ」でご紹介いただきました。 ⇒ソフトバンク クリエイティブ > 『ルールズ・オブ・プレイ(下)』 http://www.sbcr.jp/products/4797334061.html

2013年の予定

2013年の執筆・翻訳方面は、こんな予定であります。 ★サレン+ジマーマン『ルールズ・オブ・プレイ――ゲームデザインの基礎(下)』(ソフトバンク クリエイティブ)春頃刊行 ★Mary Settegast, Palato Prehistorian: 10,000 to 5000 B.C. in Myth and Archaeology (Rothenberg Press, 1987) 翻訳刊行 ★「文体百般」(全10回、新潮社)次号連載完結 ★「「百学連環」を読む」(三省堂ワー…

2012年の印象に残った本

…79725229) 翻訳を復刊して欲しい作品。 ★Raymond Queneau, Une Histoire Modèle (Gallimard, ISBN:2070130967) ★John Stuart Mill, A System of Logic, Ratiocinative and Inductive (Collected Works of John Stuart Mill, Liberty Fund, ISBN:0865976929) ★『文選』(新釈漢文大系、明…

2012年の文筆

…は、11月にようやく翻訳を終えて、少しほっとしております。ゲラにしていただいたら、磨きをかけて春頃にお届けできるようにしたいと念じております。これで積年の宿題を一つ片付けることができます。もう少しお待ちくださいますように。 翻訳の仕事では、目下次の本にとりかかっています。今度はがらっと変わって考古学の本です。時代も紀元前1万年から5千年と、時間軸を一挙に遡っております。これも2013年のはやいうちにお目にかけられればと思い、作業を進めているところであります。 自著としては、2…

なんであれかまわないもの

…となる代表作、ついに翻訳なる。来たるべき民主主義のために街路へ出て、戦車と対峙しようとするすべての人々のもとへ。 (裏表紙に刷られた言葉) Giorgio Agamben, La comunità che viene(Torino: Bollati Boringhieri, 2001)の全訳。 目次は以下の通り。 1 なんであれかまわないもの 2 リンボから 3 見本 4 生起 5 個体化の原理 6 くつろぎ 7 マネリエス 8 悪魔的なもの 9 バートルビー 10 取り返し…

「数学」の来歴/デカルト座標

…thematicsの翻訳語として造られた(借用された)この語は、本来どういう意味を持っていたのか。「数学」といえば、あたかも「数」に関する「学」のようであるけれど、改めて見なおしてみれば、それだけではないわけです。図形もあれば論理もある。これをどうして「数学」と呼んで済ませるのか。 そんな問題から、これもまた例によって、mathematicsの元にある古典ギリシア語の話に至りました。語源を見ると、mathematicsが必ずしも「数」学ではないことが判ってきます。 といった確…

辞書のブックガイド

…典語、ヨーロッパ語の翻訳に活用された中国語や仏教語、その語源となっているサンスクリットなどを考慮する必要があるからだと思うからです。 はてさて、どこまで話がつながるか、ご覧いただければ幸いです。 ⇒青土社 > 『ユリイカ』「特集*辞書の世界」 http://www.seidosha.co.jp/index.php?%BC%AD%BD%F1%A4%CE%C0%A4%B3%A6 青土社のサイトに、今回のブックガイドで取り上げた辞書の一覧が掲示されています。 ⇒場路灯風 > 『ユリ…

日本における辞典と事典の歴史

…語の成立と発展 第3巻 日本語研究の歴史 第4巻 増訂日本翻訳語史の研究 第5巻 日本文字史の研究 第6巻 辞書・事典の研究I 第7巻 辞書・事典の研究II 第8巻 日本英語文化史の研究 第9巻 西欧文化受容の諸相 第10巻 西洋人の日本語研究 総索引 総目次 以下に同著作選集のパンフレットがあります(pdf)。 ⇒八坂書房 > 「杉本つとむ著作選集」 http://www.yasakashobo.co.jp/books/images/1247571285-phpeU.pdf

ブログの使い道

…にがふつふつと高まりつつあります(もっとも例によって言っているだけかもしれませんが)。 そこで自分としては、一番悩ましいのがブログの使い道でした。が、あまり気にせずほいほい気になるものをクリップする使い方をしばらくしてみようと思います。ゆくゆくはウェブサイトでやってみたいことがありまして、そのための試験も兼ねるという感じです。 と、その前に、サレン+ジマーマンの『ルールズ・オブ・プレイ』(ソフトバンククリエイティブ)の下巻翻訳作業を終わらせてしまわなければなりませぬ。うむむ。

ディオニュシオスの弁論術2

…に書かれた現代思想の翻訳文体などを並べてみると、実感が湧いてくるやもしれません。 私自身は、自分が書いた文章を、声に出して読んでも自分として恥ずかしくならないかどうかを、一つの基準にしています(そのため、内容を問わず、ゲラの段階で必ず何度か自分の言葉を音読してみています)。また、脳裏に各方面から集めた何人かの読者代表の委員会がおり、この人たちに向けて朗読しても大丈夫かという観点から確認したりもします。 と、ディオニュシオスがリュシアスを褒め讃えるポイントから連想することをいく…

重版と翻訳

…書は幸いにも韓国語に翻訳されることになりました。先ごろ、翻訳の契約書に署名をしたところです。 産業としてのゲーム業界の動向や技術については、以下の2冊をお勧めします。 ★『デジタルゲームの教科書――知っておくべきゲーム業界最新トレンド』(ソフトバンククリエイティブ、2010/05、ISBN:4797358823) ★松井悠『デジタルゲームの技術――開発キーパーソンが語るゲーム産業の未来』(ソフトバンククリエイティブ、2011/07、ISBN:4797363231) ゲームに関…

「物質と記憶の未来」

…マの一つで、やがて『物質と記憶の文化史誌』のような文章としてまとめることができたら、と念じております。 『早稲田文学』の今号は、「震災に。」「出発点としての”大江健三郎”」という二大特集、ソローキンの『青脂』(翻訳完結)、クロード・シモン『農耕詩IV』(白水社から刊行予定とのこと)、そして上記のマクルーハン小特集から成っています。怒濤の646ページ。詳しくは、下記『早稲田文学』ウェブサイトで。 ⇒早稲田文学編集室 http://www.bungaku.net/wasebun/

三枝博音のヘーゲル研究

…が、一箇所だけ書名を翻訳しているところがあります。 『哲学的諸科学集成』(Enzyklopädie der philosophischer Wissenschaften im Grundrisse) (p.230) Wissenschaftenを「科学」とするか「学問」とするかは、判断の分かれるところかもしれません。三枝がこの書物を公刊した当時(昭和6年=1931年)でも、「科学」というと学術の一領域(自然科学のことだと思われます)を指すから適切ではないとの批判があったようで…

連載第16回「法学のエンチクロペディー」

…れません。 しかし、翻訳されずに音写して済まされる片仮名語には要注意。訳者が片仮名のままにしておくのは、もちろんなんらかの意向があってのことですが、読者としては、そのままでは意味不明の場合も少なくありません。やはり面倒でも、片仮名に写された語の原語が、当該言語のなかで割り当てられている意味を見ておかなければならないでしょう。 というわけで、手近なドイツ語辞典を何冊か調べてみましたが、大半は、例の「百科全書」や「百科事典」という意味しか載せておりませんでした。頼みの綱の「グリム…

その4:バタイユのinforme 第2文(承前)

…もよりますが、一口に翻訳といっても、訳者の考え方によって、その方針は人それぞれです。このくだりを見ると、この文章を訳した人の方針は、「できるだけ原語によりそって、意訳を避けること」であるように感じられます。一見日本語としては不自然な言い回しでも、原文を尊重してこう訳す。ただし、そのままでは意味をとりづらいかもしれないので、意味から訳せばこうなる、そして原文はこう、という発想から、このような訳文がつくられたように思うのです。もっともこれは推測に過ぎません。 さて、もう一度文章そ…

第2回 読書について

…英語で書かれた書物の翻訳に取り組んだことは、日本語で書かれた書物を読むうえでも、大きな影響を被ったことでした。古典ギリシア語は、語順が比較的自由な言語なので、英語のように主語+述語+目的語といった決まった型が繰り返されたりしません。そのため、慣れないうちは(いまもですが)、文頭から語の品詞がなにかということを、一つ一つ丁寧に見てゆかないと読み解けないのです。 また、翻訳とは、一語たりとも読み飛ばすことなく、書かれているすべての言葉を読みとく営みでもあります。舐めるように文章を…

連載第7回「総論の構成 その5「真理」(後半)」

…す。そういえば、目下翻訳刊行が進められている中山元さんによるカントの『純粋理性批判』(光文社古典新訳文庫)でも、毎回その巻ごとに、読んだところの見出しを並べて、その詳細な構成を確認することが勧められていました。 さて、いま見ている目次の「真理」という項目には、さらに次のような見出しがありました。 Positive Knowledge, Negative Knowledge 利用 適用 コントの三段階説 才学識 規模 System 方法 Method 普通学 殊別学 心理上学 …

その3:バタイユのinforme(承前)

…の原文や、もう一つの翻訳などとの比較は後ですることにして、上に掲げた訳文に即して、これを日本語の文章として読んでみたいと思います。もし、そうするなかで疑問や不明なこと、あるいは理解や納得することがあれば、そのことを念頭に置きながら、原文やもう一つの訳文を見てみようという心づもりです。 さて、まずは率直に、私がこの文章に触れて、大なり小なり躓いたところ、つまり、すぐには意味が飲み込めず、「おや?」と感じたところに色をつけてみることにします。もし時間があれば、皆さんも先を読み進め…

ブログの左側

…オブ・プレイ』の下巻翻訳を進めています。 講義中 現在、学校で担当させていただいている講義です。 予定 講座、講演などのイヴェントについて予定をお知らせします(滅多にありませんが)。 ブログ記事 当ブログで、最近連載している記事へのリンクです。稀におもしろい記事(ギリシア人青年に話しかけられた件など)もあって、埋もれているので、そのうち索引を作成したいと念じております。 当ブログ内でお探しのものがある場合は、左上の検索フォームに検索語を入れて「検索」ボタンを押していただくと探…

ゲームデザイン講義

…は講義を進めるなかで考えたことなども、ときどきこの場に綴ってみたいと思っています。具体的なゲームの考察や分析、あるいは、翻訳中の『ルールズ・オブ・プレイ――ゲームデザインの基礎(上)』(ソフトバンク クリエイティブ、2011、ISBN:4797334053)なども活用しつつ、同書を書き換えたり、拡張するようなことも考えてみます。 ⇒東京ネットウエイブ http://www.tnw.ac.jp/index.html ⇒GAMER'S EXPRESS http://g-x.jp/

科学のアンソロジーを考えてみる(1)

…の後、科学書の原典を翻訳したものに出会うようになり、目にするつど手に入れて読んできましたが、どうも書店を見ていると、いつでもそうした科学の名著が揃っていて、手に取れるという状態ではないことにも気づきました(殊に日本語で読めるものは)。中央公論社の「世界の名著」の数巻、岩波文庫の青帯のごく一部、とりわけ朝日出版社の叢書「科学の名著」は、そういう意味で非常にありがたい企画でしたが、学生の身ではとても揃えられず、そうこうするうちに品切れとなって久しいものです。比較的最近では、筑摩書…

うっかり役に立つ

…たちと人工生命の本の翻訳に携わったのもその余録みたようなものです)。 また、社会人になってからホメロスやプラトンを原語で読みたいという動機で、それこそそれ以外になんの役に立つのか全然判らない古典ギリシア語を習おうと、何年かアテネフランセに通いました。やってみて後から判ったことは(と言っても、ずっと修行中の身ですが)、いわゆる古典語(古典ギリシア語、ラテン語)をある程度弁えておくと、それらを根とする各種欧語を読むときに、絶大な威力を発揮するということでした。そんなつもりはなかっ…

図書目録の楽しみ

…目録を刊行しており、翻訳ミステリーやSFのファンとしては、ぜひ座右に置きたい資料となっています。 他にも各出版社による図書目録や、古本の目録など、注目したいものが多々ありますが、それはまたの機会にご紹介するとして、最後にもう一つ目録の楽しみについて述べてみます。 それは、言ってみれば図書目録のカスタマイズです。自分が蔵書しているものや、読んだことのあるものにチェックを入れるなどしたり、まだ遭遇していなかった書物の所在を教えてもらったりと、目録に手を入れてゆくわけです。こうなる…

その1:形というよくわからないもの

…年のはじめに刊行した翻訳書、サティ+ジマーマンの『ルールズ・オブ・プレイ――ゲームデザインの基礎(上)』(ソフトバンク クリエイティブ、2011、ISBN:4797334053)にもたくさんのformが現れる。同書は、アナログゲーム(コンピュータを使わない昔ながらのゲーム)かディジタルゲームかを問わず、ゲーム全般について、どうしたらより楽しく遊べるゲームをデザインできるかということを、考察した書物。このなかに、たくさんのformが出てくる。form、formalの他に、tra…

科学の言葉

…記述の問題 第八章 翻訳か変形か――文学と科学の関係 第九章 ヴィクトリア朝の科学的著述における譬え【パラブル】、専門化、文学的引喩【アリュージョン】 III ヴィクトリア朝の物理学と未来 第十章 「太陽の死」――ヴィクトリア朝の太陽物理学と太陽神話 第十一章 ヘルムホルツ、ティンダル、ジェラード・マンリー・ホプキンズ――既存の想像力の飛躍 第十二章 読者の賭け――運、籤引き、未来 第十三章 波動理論とモダニズム文学の勃興 IV コーダ 第十四章 『四角が変じて円となる』、な…