2005-09-01から1ヶ月間の記事一覧

★飯田隆編著『知の教科書 論理の哲学』(講談社選書メチエ341、講談社、2005/09、amazon.co.jp) 『言語哲学大全』(全4巻、勁草書房、1987-2002、4326153652)などの仕事で知られる飯田隆(いいだ・たかし, 1948- )氏の編集による論理の哲学入門書。フレー…

★伊奈信男『伊奈信男写真論集——写真に帰れ』(平凡社、2005/09、amazon.co.jp) 写真に関心のある向きには見過ごせない一冊。伊奈信男(いな・のぶお, 1898-1978)の評論を集成したもの。 1932年、『光画』に発表された「写真に帰れ」は、日本における写真論…

★海野弘『陰謀と幻想の大アジア』(平凡社、2005/09、amazon.co.jp) 海野弘(うんの・ひろし, 1939- )氏の最新刊。上記の『満鉄調査部』とも絡んでくる一冊。今月の平凡社は、個人的に必読書が目白押しでうれしい悲鳴。 日本の近代史の「満州」から「大東…

★小林英夫『満鉄調査部——「元祖シンクタンク」の誕生と崩壊』(平凡社新書289、平凡社、2005/09、amazon.co.jp) 戦時中は国策調査を手がけ、満鉄の一機関に収まらなかった調査部の40年の軌跡を辿る。さらに昭和17年の満鉄調査部事件に関して、新史料をもと…

★林信吾+葛岡智恭『昔、革命的だったお父さんたちへ——「団塊世代」の登場と終焉』(平凡社新書288、平凡社、2005/09、amazon.co.jp) いよいよ大量定年を迎える団塊世代。“年金持ち逃げ”で去るのか、有終の美を飾るのか? 戦後史をたどりつつ、かつては理想…

★井上太郎『モーツァルトと日本人』(平凡社新書290、平凡社、2005/09、amazon.co.jp) 「モーツァルトを愛してやまない」井上太郎(いのうえ・たろう, 1925- )氏の新著。これは何冊目のモーツァルト書になるのかわからないが、 明治時代の西洋音楽の受容に…

★津堅信之『アニメーション学入門』(平凡社新書291、平凡社、2005/09、amazon.co.jp) アニメーションの定義からはじまって、その定義にそった歴史、作品の分類、アニメ研究とその歴史、作品各論——と、新書のヴォリュームとはいえ体系的にアニメーションを…

本格ゲーム・デザイン論

★Katie Salen + Eric Zimmerman, Rules of Play: Game Design Fundamentals(MIT Press、2003/11、ISBN:0262240459) 本書は、ゲームのデザイン(設計)を理論的かつ実践的に考察する書物である。 ここで「ゲーム」とは、ヴィデオ・ゲームやコンピュータ・ゲ…

★編著=小山騰+写真=臼井秀三郎『ケンブリッジ大学秘蔵明治古写真——マーケーザ号の日本旅行』(平凡社、2004/09、amazon.co.jp) 平凡社の新刊書より、明治関連の写真集。 ケンブリッジ大学図書館が所蔵する明治の古写真を初公開。マーケーザ号で日本を訪…

★柳田泉『随筆 明治文学2——文学篇・人物篇』(東洋文庫742、平凡社、2004/09、amazon.co.jp) 全3巻の予定で刊行中の柳田泉随筆集。 明治の文学・文化研究の先駆者・柳田泉の仕事の精髄を3巻に分かって刊行する。第2巻は、資料を博捜して語る明治文学の諸…

★『明治文學全集 第24巻 内田魯庵集』(筑摩書房、1978) この全集(全100巻)については、いつか細かい書誌をまとめておきたいと思いつつ先送りになっている。機会をとらえてこの場で少しずつでもまとめていこう。まずは魯庵の巻に収録されている作品一覧か…

明治賢人研究会という会合で、魯庵の「銀座と築地の憶出」(初出=大正15年7月「女性」所載)を読んでいる。 参集したメムバーが、一人一段落を音読しては、そのくだりを肴にああでもないこうでもないと論じ合う。音読というところが好い。ページ全体をぱっ…

★平凡社ライブラリーの10月刊行予定書目に、伊達得夫『詩人たち ユリイカ抄』がエントリーされている。たいへんありがたく楽しみな一冊。 ★平凡社の2005年9月の刊行書目では、平凡社新書も興味深い作品が多いので別のエントリーでご紹介したい。

★『東京人』No.219、2005年10月号(都市出版) 10月号の特集は、「明治ニッポンの家庭教師たち——「お雇い外国人」を知っていますか?」と題して、明治のお雇い外国人を特集。上記渡辺書にも関係する内容。 また、小特集として「成瀬巳喜男の世界」を併載。 ⇒…

★フランツ・フェルディナント『オーストリア皇太子の日本日記 明治二十六年夏の記録』(安藤勉訳、講談社学術文庫1725、講談社、2005/09、amazon.co.jp) Franz Ferdinand, TAGEBUCH MEINER REISE UM DIE ERDE 1892-1893 オーストリア皇太子フランツ・フェル…

★渡辺京二『逝きし世の面影』(平凡社ライブラリー552、平凡社、2005/09、amazon.co.jp) 渡辺京二(わたなべ・きょうじ, 1930- )氏が1998年に葦書房より刊行した『逝きし世の面影 日本近代素描1』の文庫化。 近代化によって滅んだ日本の「逝きし」文明を、…

★寺山修司『寺山修司幻想劇集』(平凡社ライブラリー548、平凡社、2005/09、amazon.co.jp) 生誕70周年を迎えた寺山修司の1970〜80年代を代表する戯曲を収録。「疫病流行記」「奴婢訓」など、比類ない幻想的な劇宇宙で世界の演劇シーンを震撼させた寺山演劇…

★細野晴臣『細野晴臣インタビュー THE ENDLESS TALKING』(平凡社ライブラリー550、平凡社、2005/09、amazon.co.jp) はっぴいえんど、キャラメル・ママ、ティン・パン・アレー、YMO、FOE……。つねにポップでアヴァンギャルドな細野ワールドの核心に迫る。30…

★ホルヘ・ルイス・ボルヘス『エル・アレフ』(木村榮一訳、平凡社ライブラリー549、平凡社、2005/09、amazon.co.jp) Jorge Luis Borges, EL ALEPH アルゼンチンの作家ホルヘ・ルイス・ボルヘス(Jorge Luis Borges, 1899-1986)の短編集『エル・アレフ』の…

★F.W.ニーチェ『ニーチェ・セレクション』(編=渡邊二郎、平凡社ライブラリー551、平凡社、2005/09、amazon.co.jp) その渡邊二郎氏が編訳をつとめた『ニーチェ・セレクション』。 今なおその衝撃力を失わない過激にして深遠なニーチェの思想。そのニーチェ…

★イマヌエル・カント『純粋理性批判(下)』(原佑訳、平凡社ライブラリー553、平凡社、2005/09、amazon.co.jp) Immanuel Kant, Kritik der reinen Vernunft イマヌエル・カント(Immanuel Kant, 1724-1804)の主著のひとつ『純粋理性批判(Kritik der rein…

★『新潮』第101巻第10号、2005年10月号(新潮社) 以下は目次の一部。 ・清水博子「vanity」 ・多和田葉子「U.S.+S.R. 極東欧のサウナ」 ・金原ひとみ+斎藤環「女性性の根源へ」 ・島田雅彦+中沢新一「列島文化防衛論——縄文・天皇・ナショナリズム」 ・A.…

★『群像』第60巻第10号、2005年10月号(講談社) 評論特集「小説の現在」は、評論家11人による13人の作家論。俎上にのせられる作家は、赤坂真理、阿部和重、鹿島田真希、桜坂洋、平山瑞穂、山崎ナオコーラ、佐藤友哉、笙野頼子、多和田葉子、中原昌也、古川…

★『文學界』第59巻第10号、2005年10月号(文藝春秋社) 特集は、「二〇〇五年の坂口安吾」。特集の目次だけ拾っておこう。 ・柄谷行人「坂口安吾のアナキズム」 ・半藤一利「偽作『安吾巷談』靖国の神々」 ・岡崎乾二郎「バタイユと安吾」 ・関井光男「アテ…

★『ユリイカ』第37巻第10号、2005年09月号(青土社、amazon.co.jp) 特集は、「水木しげる」。フハッ。 ・水木しげる+京極夏彦「面白くなきゃ、ダメなんです!」 ・四方田犬彦「戦中派水木しげる」 ・三田格「妖怪の惑星——トテチテターとラッパが鳴っても。…

★『現代思想』 vol.33-10、2005年09月号(青土社、amazon.co.jp) 特集は、「女はどこにいるのか」。 ・上野千鶴子「ケアをすること/されること」 ・富田玲子「空間をつくる——ハルモニとの出会い」 ・岡野八代「繕いのフェミニズムへ」 ・新田啓子「遠いも…

★『思想』 No.977、2005年09月号(岩波書店) 特集は、「メタ・バイオエシックス」。前号の「医療における意思決定」とも関係するテーマで、以下の論考を集めている。 ・島薗進「思想の言葉」 ・香川知晶「「新しい死の基準」の誕生」 ・小松美彦「「有機的…

★『InterCommunication』 No.54、Autumn 2005(NTT出版) 閉館が取りざたされているICCは、その後どうなっているのかわかりませんが、機関誌『InterCommunication』は、次号の予告(11月27日)も掲載されています。本号の特集は「戦後60年 戦争と平和のメデ…

★『談』 no.74(TASC) 特集は「ゾーエーの生命論——メディカライゼーションの抗い」。 ・粥川準ニ「資源化するからだ——再生医療の供給源としての」 ・小泉義之+金森修「いのち、ゾーエーとビオスの狭間で」 ・佐藤純一+野村和夫「健康言説とメタメディカラ…

★『大航海』 No.56(新書館、2005) 特集は、「インターネットの光と闇」。 ・小倉紀藏「インターネット・コリアの思想」 ・作田明「少年犯罪とインターネット」 ・斎藤環×鈴木謙介「インターネット?カーニヴァル」 ・佐藤俊樹「深くて浅い世界と私 コミュニ…