2019-01-01から1年間の記事一覧

「神への信仰の前に複雑な社会があった」

「社会の複雑性の進化によって「神」が生まれた?――ビッグデータ解析により世界の宗教の歴史的起源を科学的に解明」(慶應義塾大学、2019.03.22) 慶應義塾大学環境情報学部のパトリック・サベジ特任准教授、オックスフォード大学のハーヴェイ・ホワイトハウ…

トークイヴェント「言葉はあふれ、風化は進み、8年が経った」

3月22日(金)の夜、荻窪の書店Titleでのトークイヴェント「言葉はあふれ、風化は進み、8年が経った」に登壇しました。 安東量子さんの新著『海を撃つ――福島・広島・ベラルーシにて』(みすず書房)の刊行を記念した公開インタヴューです。 本書は、福島県の…

F. W. クロフツ『クロイドン発12時30分』

年に一度の確定申告が終わり、『文藝』(河出書房新社)で連載中の「季評 文態百版」の原稿を書き終えた。 後者は毎回最後は徹夜で15時間くらい原稿に向かうことになり、われながら計画性のなさに呆れるのだけれど、3日もすれば忘れてしまうので、また3カ…

レポート:ヒロ・ヒライ+山本貴光『ルネサンス・バロックのブックガイド』刊行記念対談

3月9日の夜にジュンク堂書店池袋店で開催されたヒロ・ヒライさんとの対談について、工作舎のウェブサイトにレポートが掲載されました。 ヒライさんが監修した『ルネサンス・バロックのブックガイド』(工作舎)の刊行記念の催しです。ご来場いただきありがと…

対談:片山杜秀+山本貴光「魅力に満ちた赤き偏愛」

「週刊読書人」第3280号、2019年3月8日号に、片山杜秀さんとの対談が掲載されました。片山さんの新著『鬼子の歌――偏愛音楽的日本近現代史』(講談社)の刊行を機に行われた対談です。 読みどころの多いこの本の魅力をお伝えしたいと考えて、片山さんにお話を…

イヴェント:ヒロ・ヒライ+山本貴光「印刷革命から魔術・錬金術までの知のコスモス」

2019年3月9日(土)に、ジュンク堂書店池袋本店でヒロ・ヒライさんと対談いたします。 題して「印刷革命から魔術・錬金術までの知のコスモス」。 ヒライさんが監修した『ルネサンス・バロックのブックガイド』(工作舎、2019年2月刊行予定)の刊行を記念した…

鼎談「ゲームと物語の構造から探る、FGOの魅力とは?」

『BRUTUS』2019 3/15号 No. 888「特集=WE♡平成アニメ」(マガジンハウス)の「Fate」シリーズコーナー掲載の鼎談でお話しをしています。 話し相手は沖田瑞穂さん(神話学)、小宮真樹子さん(英米文学)のお二人、この鼎談の企画・構成の橋本麻里さんが司会…

『ルールズ・オブ・プレイ』新版

ケイティ・サレンとエリック・ジマーマンの2人による『ルールズ・オブ・プレイ――ゲームデザインの基礎』(拙訳、ソフトバンククリエイティブ)という本がある。 原著は2003年にMIT Pressから刊行されたもので、これを上下巻に分けて、2011年と2013年に出した…

寄稿「マルジナリアでつかまえて」第18回

『本の雑誌』2019年3月号(本の雑誌社)は、「出版業界消えたもの列伝」特集。 「出版業界におけるFAXの運命は!?」という記事がある。そうかFAXってまだ使われているんだ。 私がコーエーにいた頃(1994-2004)、ゲーム会社でもFAXは現役だった。PlayStatio…

『ボルヘス――無限の迷宮』

『ボルヘス――無限の迷宮(Borges, el laberinto infinito)』(2018)という本を、藤井光さんのTwitterへの投稿で教えてもらう。 ホルヘ・ルイス・ボルヘスの伝記をグラフィックノヴェルで描く"Borges, el laberinto infinito"(2018)のクリエイターの一人…

イヴェント「科学と科学哲学――はたして科学に哲学は必要なのか?」

2月22日は、ゲンロンカフェのイヴェント、伊勢田哲治×三中信宏「科学と科学哲学――はたして科学に哲学は必要なのか?」で司会を務めました。 以下では、イヴェントで触れた本について簡単にご紹介してみます。 今回の対談イヴェントのきっかけとなったのは、…

イヴェント「科学と科学哲学――はたして科学に哲学は必要なのか?」

2019年2月22日(金)にゲンロンカフェで「科学と科学哲学――はたして科学に哲学は必要なのか?」というイヴェントがあります。 伊勢田哲治さんと三中信宏さんによる討議で、山本は司会として参加します。 科学と科学哲学の関係、あるいは知識や技術と哲学の関…

ルイス・キャロルの数学書

『不思議の国のアリス』でお馴染みのルイス・キャロル(1832-1898)による数学書。 リンク先のInternet Archiveの書誌では、著者がLewis Carrollとなっているけれど、本には本名のチャールズ・ラトウィジ・ドジソン(Charles Lutwidge Dodgson)で表記されて…

寄稿「学術アトラスの構想」PDF版

『大学出版』第117号(大学出版部協会)がPDFでも公開されました。 特集は「学術書を読む」で、以下のエッセイが収録されています。 三中信宏「学術書を読む愉しみと書く楽しみ――私的経験から」 山本貴光「学術アトラスの構想」 景山洋平「大学の授業で専門…

アンソニー・ホロヴィッツ『カササギ殺人事件』(創元推理文庫)

今年は昨年の反省をもとに、仕事に直接関わらない本を読む時間を意識してつくることにした。 油断していると仕事に関わる本ばかり読んでいて、これではなんだかまいってしまうと思ったのだった。 こういうときは、どっぷりすっかり没頭できるミステリがよい…

資料「アラビア語とラテン語によるプトレマイオス」

プトレマイオスの天文学書と関連文献について、アラビア語とラテン語の資料を集めて研究するプロジェクト。 プトレマイオスの著作や彼に帰される文献、プトレマイオスへの注釈などの関連文献(中世から1700年まで)を含むとのことで、写本のカタログ、画像、…

文具「ペーパーラップノート」

年表をつくるのが好きだ。 ノートやパソコンにいろんな年表をつくっている。いまは公開していないけれど、かつて「哲学の劇場」というウェブサイトを吉川浩満くんとつくっていろいろな文章を掲載するなかに、文化と思想の年表というコーナーもあった。 年表…

講義「インターフェイスを考える――「あいだ」で何が起きている?」

先日、1月19日にミームデザイン学校で講義をしました。 同校にはブックデザインコースとデザインベーシックコースという二つのコースがあります。また、両コースの学生と卒業生が受けられる共通講座が何回かありまして、私の担当はそのうちのひとつです。 今…

寄稿「学術アトラスの構想」

『大学出版』No 117(大学出版部協会)の特集「学術書を読む」に寄稿しました。 「学術アトラスの構想」と題して、ここ数年折に触れてゆっくり考えていたことを書いております。

史料画像管理ソフト「Tropy」

史料画像管理ソフト「Tropy」についてのメモ。 なお、Tropyって何?使ったことないけど、という方は、以前作成したこちらの資料をご覧いただくとなんとなく全体像が分かるかと思います。よろしければ。https://t.co/GcAIftTrLS — Nobuhiko Kikuchi a.k.a. 歴…

資料『八十一難経』

一栢(いっぱく、生没不詳) 戦国時代の僧。儒学,医学,暦学,陰陽学に通じる。越前(福井県)の守護朝倉孝景にまねかれ,一乗谷(福井市)に滞在。享禄2年(1529)日月食を計算し,天文5年(1536)明(中国)の医書「八十一難経」を校正,出版した。 (『日本人名大辞典』…

寄稿「文体百版」第4回

季刊『文藝』2019年春号(河出書房新社)に、連載文芸時評「文態百版」の第4回を書きました。 連載を始めてこれで1年が経つ勘定です。 文芸時評を担当するにあたって、誰からそうしろと言われたわけでもないのですが、五大文芸誌を中心とした文芸誌と呼べそ…

寄稿「古典再訪」第3回

書店・双子のライオン堂が発行する文芸誌『しししし』第2号がもうすぐ発売になります。 今回はドストエフスキー特集。 私は特集とは別の連載「古典再訪」の第3回を寄稿しております。 『しししし』の前誌『草獅子』創刊号(にして終刊号?)で、古典を紹介す…

2019年の展望/2018年の回顧

自分のための覚え書きとして、2019年の展望と2018年の回顧を記してみました。 ■2019年の展望 2018年は、専門学校に続いて大学での講義もいったんおしまいにして、モブキャストゲームスへの定期的な通勤も一区切り(プロ契約は継続)。というわけで、2019年は…