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「〈ルリユール叢書〉の楽しみ」(じんぶん堂)

幻戯書房が刊行している海外文学の翻訳シリーズ「ルリユール叢書」が50巻に達した機に「〈ルリユール叢書〉の楽しみ」という文章を書きました。 2019年の創刊当時からこの叢書を読んでいる一読者として、その概要や魅力についてあれこれ述べております。 文…

森の図書館司書便り:『吉田健一に就て』国書刊行会

そして吉田健一といえば、すごい本が出ましたね。 川本直・樫原辰郎・武田将明編『吉田健一に就て』(国書刊行会、2023/10/24)です。 外ならぬ吉田健一の著作に『英国に就て』がありますが、これを当人に差し向けたわけですね。目次は以下の通り。 川本直「…

森の図書館司書便り:2023年11月の平凡社ライブラリー

2023年11月の平凡社ライブラリーは次の2冊です。発行日は2023年11月2日。 ・西川祐子『[増補]借家と持ち家の文学史 「私」のうつわの物語』(平凡社ライブラリー956、に12-1) ・吉田健一『余生の文学』(平凡社ライブラリー957、よ12-4) 西川祐子『[増補]…

森の図書館司書便り:2023年11月の岩波文庫

ここしばらく、手元に届いた本については、Instagramに写真つきで投稿してきましたが、過去の投稿を参照するのが難しいのと、この頃、広告やらThreads(Meta社によるSNS)との連携やらで、なにかとガチャガチャして居心地がよろしくなくなってきたのとで、本…

新著『文学のエコロジー』(講談社)

新著『文学のエコロジー』(講談社、2023/11/23)が間もなく発売となります。 文芸誌「群像」に連載した同名の連載をもとに、加筆修正と書き下ろしを加えた本です。 文芸作品に文字で記された「世界」は、どのようなエコロジー(生態)なのか、ということを…

山口昌男『本の神話学 [増補新版]』(中公文庫)解説

山口昌男『本の神話学 [増補新版]』(中公文庫、中央公論新社、2023.08.22)に解説「蔵書という思考法ーーあるいは、なぜ本なのか」を書きました。 同書は、1971年に刊行され、後に中公文庫、山口昌男著作集、岩波現代文庫に収められ、しばらく品切れとなっ…

『デヴィッド・クローネンバーグ 進化と倒錯のメタフィジックス』

ele-king編集部編『デヴィッド・クローネンバーグ 進化と倒錯のメタフィジックス』(Pヴァイン、2023/08)に『イグジステンズ』(1999)について書きました。 近未来のゲームを描いた映画ですが、幸か不幸か、現実のゲームはまだ『イグジステンズ』の水準に…

「230人が、この夏おすすめする一冊」青山ブックセンター

青山ブックセンター本店で、夏の恒例「この夏おすすめする一冊」が始まったようです。 「230人が、この夏おすすめする一冊」の展開を開始しました。毎年夏恒例の選書フェア、今年は230名に選んで頂きました。フェアにて3,000円(税込)以上のご購入で、全コメ…

ジャン=ルイ・ド・ランビュール編『作家の仕事部屋』(中公文庫)

ジャン=ルイ・ド・ランビュール編『作家の仕事部屋』(岩崎力訳、中公文庫ラ3-1、中央公論新社、2023/07/25)Jean-Louis de Rambures, Comment travaillent les écrivains, éditions Flammarion, 1978 1979年に中央公論社から刊行された本の文庫版が刊行さ…

ベッカー版アリストテレス全集

先日、謎の勢いで古書店に注文したベッカー版アリストテレス全集(全5巻)が届いた。AbeBooks経由でドイツの古書店から購入したもの。 もとは図書館の蔵書だったようで、"Hausbibliothek St. Gabriel Mödling bei Wien"というラベルが見える。聖ガブリエル伝…

トマス・アクィナス『神学大全』

トマス・アクィナス『精選 神学大全1 徳論』(稲垣良典+山本芳久編、稲垣良典訳、岩波文庫青621-3、2023/07/14) トマス・アクィナス(Thomas Aquinas, c1225-1274)の『神学大全(Summa Theologiae)』(1266-1273)から、編者の稲垣良典と山本芳久が重要…

J. G. フレイザー『金枝篇』の顛末

3月半ばのことでした。Twitterの「金枝篇bot」さんがこんなツイートをしています。 『金枝篇8巻 スケープゴート』の初校ゲラ校正もほぼほぼ終わり、後は註釈の原典スペルチェックと山本貴光先生マターの幾つかのギリシア語・ラテン語翻訳を残すのみとなりま…

石橋正孝「ビュトール評論集〈レペルトワール〉は「文学の精霊」顕現の場である——第3巻までの監訳を終えて」

幻戯書房から刊行中のミシェル・ビュトール『レペルトワール』(全5巻予定、2020- )の監訳者をお務めの石橋正孝さんによるエッセイ「ビュトール評論集〈レペルトワール〉は「文学の精霊」顕現の場である──第3巻までの監訳を終えて」が「じんぶん堂」に掲載…

シュヴァーベ出版版「カール・ヤスパース全集」

スイスのバーゼルにあるシュヴァーベ出版から刊行中の「カール・ヤスパース全集(Karl Jaspers Gesamtausgabe)」は全50巻の予定だとか。 1. Werke Bd. 01:Bd. 02:Bd. 03: Gesammelte Schriften zur Psychopathologie (2019)Bd. 04: Pathographische Analyse…

『水の文化』

ミツカン水の文化センターが発行している機関誌『水の文化』のページです。 1999年1月に創刊で年3回発行。2022年11月に最新の第72号が刊行されています。 下記リンク先では、創刊号から最新号までPDFでも閲覧できます。 www.mizu.gr.jp

第3回みんなのつぶやき文学賞の投票が始まりました

2023年1月28日から、第3回みんなのつぶやき文学賞の投票が始まりました。 この賞は、読者のみなさんが、2022年に刊行された国内の新作小説、海外の初訳小説(文庫化や復刊は除く)から、もっとも面白いと思った作品を選んで投票しあうというものです。 投票…

『Kindle版 江藤淳全集』

『Kindle版 江藤淳全集』(平山周吉責任編集、boid / VOICE OF GHOST、2022- )が出ているのですね。既刊は10巻。「週刊読書人」前号で教えられました。 voiceofghost.com

モーテン・H・クリスチャンセン&ニック・チェイター『言語はこうして生まれる』(塩原通緒訳、新潮社)書評

「日本経済新聞」2023年1月21日の書評欄に、モーテン・H・クリスチャンセン&ニック・チェイター『言語はこうして生まれる 「即興する脳」とジェスチャーゲーム』(塩原通緒訳、新潮社)の書評を書きました。 www.nikkei.com

今野真二『「鬱屈」の時代をよむ』(集英社新書)書評

『青春と読書』2023年2月号(集英社、2023/01/20)に、今野真二『「鬱屈」の時代をよむ』(集英社新書)の書評「感情にかたちを与える」を書きました。 seidoku.shueisha.co.jp 以下、2023年1月30日追記: 上記の書評がウェブでも公開されました。短いもので…

「気になるところは定点観測」

『本の雑誌』2023年2月号(本の雑誌社、2023/01/11)の特集「本を買う!」に、「気になるところは定点観測」を書きました。2022年10月の1カ月のあいだに買った本について書くという、いろいろな意味で恐ろしい企画です。 中野善夫さんの名文「本を買え。天に…

2022年12月の学術系文庫

2022年12月の学術系文庫の新刊です。これまで、Twitterで毎月ツイートするだけにしていましたが、記録のためにもブログにも投稿しておこうと思います。 ・岩波文庫 ・岩波現代文庫 ・講談社学術文庫 ・講談社文芸文庫 ・光文社古典新訳文庫 ・光文社未来ライ…

『スピノザ全集』(岩波書店)、ついに刊行開始

岩波書店から『スピノザ全集』(全6巻+別巻)の刊行が始まるようです。 『スピノザ全集』の企てがあるということについて最初に耳にしたのは、もういつのことだったか忘れてしまいましたが、それこそ鶴首してお待ち申し上げておりました。 今回の全集では『…

「2022年の収穫」(週刊読書人)

「週刊読書人」2022年12月16日号のアンケート特集「2022年の収穫」に参加しました。3冊を選んでコメントしています。 [3469]2022年12月16日号 データ版jinnet.dokushojin.com

『ジョルジュ・カンギレム全集』

VRINから刊行されている『ジョルジュ・カンギレム全集(Œuvres complètes de Georges Canguilhem)』についてのまとめです。リンクはVRINの当該巻のページ。 監修はジャック・ブーヴレス(1940-2021)で、全巻に対する60ページ近い序文(第1巻所収)を寄せて…

出版:『世界を変えた書物』(小学館)

「世界を変えた書物」展の公式図録『世界を変えた書物 人類の知性を辿る旅』(山本貴光著+橋本麻里編、小学館)が、10月半ばに発売予定です。 装幀・デザインは、白井敬尚形成事務所、版元は小学館。 書影は、「世界を変えた書物」展の公式ウェブサイトから…

岩波文庫 青001:世阿弥

蔵書の整理がてら記録をつけてみます。 といっても、気の長い話なので、どうなるかまったく分かりませんけれど。 まずは岩波文庫の青帯を番号順に。ついでに関連文献をいくつか。 版元のウェブサイトに当該書のページなどがある場合はリンクを貼ります。 ■青…

吉川浩満『哲学の門前』(紀伊國屋書店)

吉川浩満くんの新著『哲学の門前』(紀伊國屋書店)が刊行されました。 紀伊國屋書店のPR誌『scripta』の連載をもとにつくられた随筆集です。 以前、マルジナリア書店に1日店長としてお邪魔した際、『人文的、あまりに人文的』をお買い上げのみなさんに配付…

対談:飯間浩明+川添愛「現代語という不可解なもの――語彙と文法の波間に」(『ユリイカ』2022年8月号)

『ユリイカ』2022年8月号(青土社、2022.07.26)特集「現代語の世界」の鼎談で、飯間浩明さん、川添愛さんとお話ししています。 また、巻末に「うつろう言葉の捉え方 「現代語」を考えるためのブックガイド」を書きました。よろしくお願いいたします。 www.s…

『田中美知太郎全集 増補版』(全26巻、筑摩書房、1987-1990)

本が届いた。今日はいい日だ。 『田中美知太郎全集 増補版』(全26巻、筑摩書房、1987-1990) ある大学図書館の除籍本。この全集、プラトンやプロティノスなどの翻訳も収めているのですね。『ギリシア語入門』(松平千秋との共著、岩波書店)は入っていない…

寄稿:「文学のエコロジー」第6回(『群像』2022年8月号)

『群像』2022年8月号(講談社、2022.07.07)に、連載「文学のエコロジー」第6回を書きました。 今回は、「二時間を八分で読むとき、なにが起きているのか」と題して、H. G. ウェルズの『タイムマシン』を例に、文芸に記される時間についてあれこれ考えており…