2005

青土社の新刊案内より気になる書目をチェック。まだ書物そのものを手にしていないので、書誌のみ(以下同様)。 ★マイク・モラスキー『戦後日本のジャズ——映画・文学・アングラ』(青土社、2005/07、amazon.co.jp)★多木浩二『根源への旅——ベンヤミンの幼年…

★『ユリイカ』第37巻第8号、2005年08月号(青土社、2005/07、ISBN:4791701364) 特集は「雑誌の黄金時代——紙上で見た夢 1969-2005」。 四方田犬彦氏と坪内祐三氏の対談「雑文家渡世」は、雑誌の書き手であり、かつては編集にも携わっていた両氏が雑誌をめぐ…

★『美術手帖』 第868号、2005年8月(美術出版社) 特集は、金沢21世紀美術館にて2005年07月02日から「マシュー・バーニー:拘束のドローイング(Matthew Barney: Drawing Restraint)」展が開催されているマシュー・バーニー(Matthew Barney, 1967- )。新…

★蓮實重彦+山根貞男編『成瀬巳喜男の世界へ』(リュミエール叢書36、筑摩書房、2005/07、amazon.co.jp) 今年2005年は、映画監督・成瀬巳喜男(1905-1969)の生誕百周年にあたる。この節目を記念した各種特集上映やDVDボックスセット(東宝)のリリースなど…

★川口喬一『昭和初年の『ユリシーズ』』(みすず書房、2005/06、amazon.co.jp) 本書は、ジェイムズ・ジョイス(James Joyce, 1882-1941)の『ユリシーズ』(Ulysses)(1922)が、ヨーロッパの片隅からはるばる東の果ての島国へたどり着き、かの地でたどっ…

★日夏耿之介『荷風文学』(平凡社ライブラリー、平凡社、2005/07、amazon.co.jp) 著者は狷介孤高をもって知られた学匠詩人。ゴシック・ロオマン体と称される特異な詩風が名高いが、その文学的鑑識眼も稀有である。全集未収録の批評文を多数収めた、瞠目の荷…

★クロード・レヴィ=ストロース『レヴィ=ストロース講義——現代世界と人類学』(川田順造+渡辺公三訳、平凡社ライブラリー543、平凡社、2005/07、amazon.co.jp) Claude Lévi-Strauss, L'anthropologie face aux problèmes du monde moderne 1988年3月にサ…

★『みすず』no.529、2005年7月(みすず書房) 川田順造(かわだ・じゅんぞう)氏による「光芒を放ちつづける巨星」は、2004年10月にレルヌ叢書(L'Herne)から特集号(第82号)が刊行されたクロード・レヴィ=ストロース(Calude Lévi-Strauss, 1908- )にま…

★五十嵐太郎『現代建築のパースペクティヴ——日本のポスト・ポストモダンを見て歩く』(光文社新書、光文社、2005/07、amazon.co.jp) ⇒50's THUNDERSTORM http://www.cybermetric.org/50/

★ヴェロニク・パテヴ編『What is OMA——レム・コールハースとOMAについての考察』(橋本啓子訳、TOTO出版、2005/05、amazon.co.jp) レム・コールハースが率いるOMAは近年完成したシアトル公立図書館、プラダの一連のプロジェクト、そしてこれまでにない特異…

★フランク・ロイド・ライト+ルイス・マンフォード『ライト=マンフォード往復書簡集 1926-1959』(富岡義人訳、鹿島出版会、2005/05、amazon.co.jp) きっかけは一通の手紙であった。人生の苦難に弄ばれる建築家が、駆け出しの批評家に呼びかけたその言葉は…

★『メタボリズムとメタボリストたち』(美術出版社、2005/05、amazon.co.jp) 大高正人+川添登編、川添登+大高正人+菊竹清訓+槇文彦+栄久庵憲司+粟津潔+黒川紀章著。 1960年、世界デザイン会議を期に結成された建築・デザインの運動、メタボリズム。…

★八束はじめ『思想としての日本近代建築』(岩波書店、2005/05、amazon.co.jp) 日本の近代国家の成立と展開の中で建築はどのような広がりをもちながら近代化し,また歴史に影響を及ぼしてきたか.錯綜する政治学,歴史学,文学等における議論を参照しつつ,…

ことのついでに、最近目にした建築関連書から。 ★吉見俊哉+若林幹夫編著『東京スタディーズ』(紀伊国屋書店、2005/04、amazon.co.jp) 1980年代を中心に華々しく語られてきた東京。しかし、グローバル化の波にもまれ都市のあり様が急激に変化している昨今…

★『10+1』 No.39(INAX出版、2005、amazon.co.jp) 特集は「生きられる東京——都市の経験、都市の時間」。 内田隆三+遠藤知巳の両氏による対談「生きられる東京——東京の「現在」における生の様態」のほか、「東京カタログ」と題して内田さんが皇居、丸の内、…

★『考える人』No.13、2005年夏号(新潮社、2005/07) 創刊三周年を迎えた季刊誌『考える人』は、創刊三周年を記念して総力特集「「心と脳」をおさらいする」を企画。脳科学者茂木健一郎(もぎ・けんいちろう, 1962- )氏による、ペンローズ、バーロー、ハン…

★『岡倉天心——日本文化と世界戦略』(平凡社、2005/06、amazon.co.jp) 2005年02月05日から06月26日までワタリウム美術館で開催された「岡倉天心——日本文化と世界戦略」展のカタログ。 ■第一章 五浦六角堂 ・五浦六角堂 磯崎新 ・「日本文化と世界戦略」をめ…

★藤枝晃雄『現代芸術の彼岸』(MAUライブラリー03、武蔵野美術大学出版局、2005/06、amazon.co.jp) 美術研究者・藤枝晃雄(ふじえだ・あきお)氏の美術評論集。この人の怒りはどのようにして持続しているのか。 真の創造とは何か。真の批評とは何か。錯綜し…

★『美術手帖』第866号、2005年7月号(美術出版社、2005/06) 特集は、「日本近現代美術史」。美術出版社創業一〇〇周年記念特大号とのことで400ページに迫るヴォリュームに1905年から2005年までの日本美術氏を畳み込んでいる(特集のページは200ページほど)…

★カトリーヌ・マラブー『ヘーゲルの未来——可塑性・時間性・弁証法』(西山雄二訳、未來社、2005/07) 《刊行にあわせ著者来日!》 「歴史の終わり」を超えて、真新しい未来が到来する――。時間性をめぐるヘーゲルとハイデガーの生産的対話をつむぎだしながら…

★『現代思想』第33巻第8号、2005年7月号(青土社、2005/06、amazon.co.jp) 特集は「イメージ発生の科学——脳と創造性」。 2005年02月号「脳科学の最前線」にひきつづいて脳関連の特集。前回も巻頭の対談は港千尋+茂木健一郎の両氏で「イメージする脳」につ…

★『舞台芸術』08(京都造形芸術大学・舞台芸術研究センター編、月曜社、2005/06、amazon.co.jp) 太田省吾、鴻英良の両氏が責任編集を務める演劇誌『舞台芸術』の最新号が刊行されています。特集は「パフォーマンスの地政学」。 リチャード・シェクナー、吉…

★『ユリイカ』第37巻第7号、2005年7月号(青土社、2005/06、amazon.co.jp) 特集は、「この小劇場を観よ!——なぜ私たちはこんなにもよい芝居をするのか」。 ケラリーノ・サンドロヴィッチと長塚圭史の対談「小劇場のスピリッツとはなにか」、江本純子(毛皮…

★藤村里美『写真の歴史入門——第2部「創造」モダンエイジの開幕』 (とんぼの本、新潮社、2005/05、amazon.co.jp) 東京都写真美術館の専門調査員・藤村里美(ふじむら・さとみ, 1967- )氏による上記展覧会のカタログに該当する書物。展覧会と同様に四部構成…

★「写真はものの見方をどのように変えてきたか 2 創造」(東京都写真美術館) 東京都写真美術館が開館10周年を記念して企画した特別企画展「写真はものの見方をどう変えてきたか」の第二部「創造」が開催されている。 同企画展は、写真の歴史を全4部の構成…

★『フリースタイル』創刊号(フリースタイル、2005/06、amazon.co.jp) 山上たつひこ『喜劇新思想大系 完全版』復刊、松本大洋、吉田戦車、片岡義男の作品を中心に書目を増やしつつある出版社フリースタイルから、同名の雑誌が創刊。 山田宏一氏が青山学院大…

★笙野頼子『徹底抗戦! 文士の森——実録純文学闘争十四年史』(河出書房新社、2005/06、amazon.co.jp) 純文学をめぐる論争文を集めた前作『ドン・キホーテの「論争」』(講談社、1999/11、amazon.co.jp)、純文学を外側から勝手に定義するさまざまな勢力との…

★『描くべきか愛を交わすべきか』(98min, 2005) Peindre ou faire l'amour アルノー・ラリユーとジャン=マリー・ラリユー兄弟監督作品。 天気予報士の仕事を早期退職したウィリアム(ダニエル・オートゥイユ)と会社経営をする傍ら絵を描く趣味をもつマド…

★中沢新一『はじまりのレーニン』(岩波現代文庫学術、岩波書店、2005/05、amazon.co.jp) よく笑い,子どもや動物に触れるのを好み,音楽好きだったレーニン.彼が理解し,直観した唯物論は,生の律動に触れる思想だった.ヤコブ・ベーメを経由してヘーゲル…

★山口昌男『「敗者」の精神史(上)』(岩波現代文庫学術、岩波書店、2005/05、amazon.co.jp) 明治維新以後の薩長中心の階層秩序から離れ,「もう一つの日本」をつくりあげて来た人々がいる.上巻では日比翁助の三越改革,淡島椿岳・寒月父子の知的バサラ術…