2005-08-01から1ヶ月間の記事一覧

★村井淳志『脚本家・橋本忍の世界』(集英社新書0305F、集英社、2005/08、amazon.co.jp) 日本映画史上、もっとも偉大な脚本家の世界。 『羅生門』『七人の侍』『真昼の暗黒』『私は貝になりたい』『切腹』等、数々の傑作を生みだしてきた脚本家・橋本忍。本…

★『成瀬巳喜男と映画の中の女優たち——生誕百年特別記念出版』(ぴあ、2005/08、amazon.co.jp) 名匠の名作を彩った女優39人。 蔵出しスチール400枚で綴る名匠の世界。 成瀬巳喜男フォトアルバム 成瀬映画のヒロインたち、そのしたたかさとさりげない美…

★阿部嘉昭『成瀬巳喜男——映画の女性性』(河出書房新社、2005/08、amazon.co.jp) 今年生誕100年を迎える、映画監督についての書き下ろし。女性を描くことに定評のあった名匠の映画術を、『浮雲』をはじめ12作品を中心に、さまざまな「映画の女性性」を考察。…

★『愉しき哉人生』(77min, 1944) 冒頭、縦書きで「撃ちてし止まむ」の一文がスクリーンに映り、戦時中の作品であることが思い起こされる。それにしても国策に諸手をあげて大賛成、という作家ならいざ知らず、必ずしもそうではない作家は戦時下という状況で…

★鈴木博之+石山修武+伊藤毅+山岸常人編『シリーズ都市・建築・歴史 7 近代とは何か』(東京大学出版会、2005/07、、amazon.co.jp) 全10巻が予定されている「シリーズ都市・建築・歴史」第一回配本。 「建築・都市」から人類の営みの歴史を読み解き直すシ…

★五十嵐太郎『現代建築のパースペクティブ——日本のポスト・ポストモダンを見て歩く』(光文社新書、光文社、2005/07、amazon.co.jp) 現代建築とは何か。 「現代」というのは移り変わるものだから、この言葉が発せられる時代によってその意味は変わるだろう…

★長嶋康郎『ニコニコ通信』(acetate003、編集出版組織体アセテート、2005/08) この面白さをいったいどうお伝えすればよいのか困り果てている。 映画なら筋書きや見所を、日頃紹介している類の本ならテーマや立論の仕方など、芸術なら解釈や特異さを述べれ…

わが相棒・吉川浩満が、「[本]のメルマガ」にエッセイを発表しています。 ★吉川浩満「嫌韓節考」(「[本]のメルマガ」2005.08.25発行、vol.223) 巷をにぎわせている山野車輪『マンガ嫌韓流』(晋遊舎、2005/07、amazon.co.jp)をひとつの契機として、無限…

★『ライフ・イズ・ミラクル』(154min, 2004) ZIBOT JE CUDE 古来、色恋に騒動はつきもので実生活はもちろんのこと、創作の世界にもゴマンと例がある。 古くはホメロスの作といわれる『イリアス』(成立は前8世紀とも)などは、色恋とそれが引き起こす騒動…

★泉井久之助『ラテン広文典』(白水社、2005/09予定、amazon.co.jp) 白水社創立90周年記念出版の一環として復刊。 今年が生誕100周年となる言語学の大家、泉井久之助氏の手になる本書は、現在もラテン語文法書の最高峰に位置する。「ラテン語が示す現象の細…

★ドミニック・ルクール『科学哲学』(沢崎壮宏+竹中利彦+三宅岳史訳、文庫クセジュ891、白水社、2005/08、amazon.co.jp) Dominique Lecourt, La philosophie des sciences (Collection QUE SAIS-JE? No.3624, P.U.F., 2001) 欧米の科学哲学の歴史をいくつ…

★「ブラッサイ——ポンピドゥーセンター・コレクション展」(東京都写真美術館) 2005年08月06日(土)〜09月25日(日)の会期で、ブラッサイ展が開催されている。 パリのポンピドゥーセンター(フランス国立近代美術館産業創造センター/ジョルジュ・ポンピド…

★「写真はものの見方をどのように変えてきたか 第3部 [再生]」(東京都写真美術館) 全4部で写真の歴史を概観する写真展シリーズ「写真はものの見方をどのように変えてきたか」の第3部「再生」が東京都写真美術館で開催されている。 写真の誕生を概観する第1…

★グザヴィエル・ゴーチエ『シュルレアリスムと性』(三好郁朗訳、平凡社ライブラリー547、平凡社、2005/08、amazon.co.jp) Xavière Gauthier, Surréalisme et sexualité (Gallimard, 1971) アンドレ・ブルトン(1896-1966)によって起草された「シュルレア…

★アラン・サヤグ+アニック・リオネル=マリー編『ブラッサイ写真集成』(堀内花子訳、岩波書店、2005/08、amazon.co.jp) 19世紀末ハンガリーに生まれたブラッサイは,ベルリンで美術を学び,1924年パリに出て,シュルレアリスムの芸術家たちやピカソ,ミラ…

★野村進『日本領サイパン島の一万日』(岩波書店、2005/08、amazon.co.jp) 90年前に南の島に漂着した山口百次郎,彼の誘いで移住した石山家.本書は山形出身の2家族を軸に日本人移民の苦難の歴史を壮大に紡ぎだす.後に日米両軍による凄惨なる戦場となるこ…

★佐藤泉『戦後批評のメタヒストリー——近代を記憶する場』(岩波書店、2005/08、amazon.co.jp) 破局と復興を生きる人々の心情を充填して展開された戦後の批評.文学作品を論じつつ,ナショナリズムや日本の近代を問い直した場が,何を記憶させ,何を見えなく…

★『思想』No.976、2005年08月号(岩波書店) 特集は、「医療における意思決定」。 ・加藤尚武「思想の言葉」 ・清水哲郎「医療現場における意思決定のプロセス——生死に関わる方針選択をめぐって」 ・立岩真也「他者を思う自然で私の一存の死」 ・柘植あづみ…

★種村季弘『断片からの世界 美術稿集成』(平凡社、2005/08、amazon.co.jp) 著者の批評活動の大きな柱であった美術をテーマとした遺稿集成。単行本未収録のものを中心に、芸術原論や国内外作家論等を4章で構成、著者独自の物の見方を開示した大パノラマ。 …

★林淑美『昭和イデオロギー 思想としての文学』(平凡社、2005/08、amazon.co.jp) 中野重治、戸坂潤、小林秀雄、坂口安吾など、思想としての文学の闘いの内に、支配の言説への加担と対抗の内に、昭和という時代を貫くイデオロギーの諸形態をみとる、果敢な…

★柳田泉『随筆明治文学1 政治篇・文学篇』(東洋文庫741、平凡社、amazon.co.jp) 明治の文学・文化研究の先駆者・柳田泉。その仕事の精髄を集めた随筆明治文学正続二編を3巻に再編。第1巻は、政治運動と近代小説の相携えて進む道行きを示す論考など。 (…

★グザヴィエル・ゴーチエ『シュルレアリスムと性』(三好郁郎訳、平凡社ライブラリー547、平凡社、2005/08、amazon.co.jp) 自由と愛を求めたシュルレアリスムはエロスの破壊力に賭けたが、その苦闘とは裏腹に、結局は革命に失敗する。その原因を抜きがたい…

★北野圭介『日本映画はアメリカでどう観られてきたか』(平凡社新書285、平凡社、2005/08、amazon.co.jp) 日本映画は、アメリカでどのような評価を受けてきたのか? そういえば、たまさか個々の批評家や映画監督が日本映画やクロサワやオオシマについて語る…

★『ユリイカ』第37巻第9号通巻510号、2005年8月臨時増刊号(青土社、2005/08、amazon.co.jp) 臨時増刊号の総特集は加野瀬未友氏とばるぼら氏の責任編集による「オタクvsサブカル!——1991-2005ポップカルチャー全史」。ブックデザインは、HOLON。 ◆1:「せん…

★上田和彦『レヴィナスとブランショ——〈他者〉を揺るがす中性的なもの』(水声社、2005/07、amazon.co.jp) 「私」に呼びかける「他者」とは、誰なのか。「他者」の呼びかけに応える「私」とは、誰なのか。著者が2002年に東京大学大学院人文社会系研究科…

拙サイト「哲学の劇場」を更新しました。 ひきつづき雑誌『季刊パイデイア』(1968-1973、全16号)の目次情報を作成しています。今回は、第7号をアップしました。 ★資料集 > 『季刊パイデイア』第7号 http://www.logico-philosophicus.net/resource/paideia/…

★『現代思想』第33巻第09号、2005年08月号(青土社、2005/07、amazon.co.jp) 2005年08月号の特集は「靖国問題」。 ◆1:靖国問題 ちくま新書から刊行した『靖国問題』(ちくま新書、筑摩書房、2005/04、amazon.co.jp)が25万部を超える売れ行きを見せている…

拙サイト「哲学の劇場」を更新しました。 ひきつづき雑誌『季刊パイデイア』(1968-1973、全16号)の目次情報を作成しています。今回は、第6号をアップしました。 ★資料集 > 『季刊パイデイア』第6号 http://www.logico-philosophicus.net/resource/paideia/…

まだきちんと調べていないが、内田魯庵に関して情報を集積しているサイトに出会わなかった。ここには関連ウェブサイトへのリンクを追記してゆく。 ⇒電子図書館 > 内田魯庵 http://www.eonet.ne.jp/~log-inn/04chosya_au.htm#内田魯庵 ⇒丸善 > 丸善社史 http:…

★伊藤整『日本文壇史2——新文学の創始者たち』(講談社文芸文庫いD3、講談社、1995/02、amazon.co.jp) 私たち文学史の門外漢にとって明治文学史をたどるさいに便利なリソースのひとつに、伊藤整+瀬沼茂樹『日本文壇史』(全24巻+目次総索引、講談社文芸文…