翻訳 の検索結果:

2024年これからの予定

…ません ■執筆 ・【翻訳】DK社編『哲学ってなんだろう?』(拙訳、東京書籍、2024/03/08) ・【解説】エリック・ジマーマン『遊びと創造』(高崎拓哉訳、BNN、2024/04/17) ■終了 ★イヴェント ・03/28:川名晋史+山本貴光「日本に130の米軍基地がある意味とは 中公新書『在日米軍基地』刊行記念トークイベント」(丸善ジュンク堂書店) ・03/17:柴崎友香+谷川嘉浩+ドミニク・チェン+山本貴光「記憶のデザイン 過去と未来のあいだ」(DISTANCE.med…

ペ・スア『遠きにありて、ウルは遅れるだろう』(斎藤真理子訳、白水社)紹介への補足

…。 斎藤真理子さんの翻訳は、声に出して読んだときの音の調子にまで神経が行き渡っていて、そのリズムもまた、読み進めたくなる動力になっています。 結果発表会で朗読したのは次のような一節でした。 自分の書くものが何なのか、ウルには依然として全くわからなかった。書いている文章のすぐ次の文章が何になるかウルにはわからず、もっといえば単語一つ、スペル一つさえあらかじめわかっていない状態で、ウルは取り憑かれたように素早く文を書いていた。コップの縁に蛾が飛んできてとまった。そして、ウルの瞳の…

「アジア文芸ライブラリー」(春秋社)

…の文学作品を、優れた翻訳でお届けします。詳細につきましては内容見本(パンフレット)をご覧下さい。スレッドで収録作品をいくつかご紹介します。→ pic.twitter.com/ZYY2GFf2wp — 春秋社編集部🦉 (@shunjusha_ed) 2024年3月11日 パンフレットに掲載されている刊行予定には、チベット、台湾、マレーシア、インドなど、多様な地域の作品が並んでいます。 普段なかなか自分では遭遇できない作家たちと出会えるうれしい機会を楽しみにしています。全巻購読す…

伊藤亜紗+アダム・タカハシ+山本貴光「新しい文理のデザイン」(DISTANCE.media)

…葉を自分の言葉として翻訳して理解する」という営みを起点に、美学者の伊藤亜紗さん、哲学史家のアダム・タカハシさん、DISTANCE.media 編集委員の山本貴光さんに、文系と理系、中世自然哲学、近代科学、サイエンス&アートといった多岐にわたるトピックについて語り合っていただいた。 伊藤さん、タカハシさんとは話してみたいことがたくさんあって、つい3、4時間くらい話すような大風呂敷を広げてしまいました。お互いのカードを場に出したところで時間切れという感じもなくはありませんけれど、…

DK社編『哲学ってなんだろう?』(拙訳、東京書籍)

…えたらいいなと思い、翻訳を引き受けたのでした。 私は普段、小中高校生に接するときには、相手を子供扱いするのではなく、対等な人間同士という姿勢で接するのですが、本書でもそのような目線で訳文の文体を選んでみました。 訳註などはなく、訳者が書いた唯一の文章は「訳者まえがき」です。以下のように書きました。 「哲学」は謎から出発します。なんの謎かといえば、この世界のさまざまなものについての謎です。宇宙ってどんな場所だろう、自分はずっと同じ人間なんだろうか、よいとか悪いってどう違うんだろ…

エミール・デュ・ボア=レーモンについて

…の二つの講演を収めた翻訳が岩波文庫に入っており、いま私の手元にあるのは以下の本。 デュ・ボア・レーモン『自然認識の限界について・宇宙の七つの謎』(坂田徳男訳、岩波文庫青923-1、1929;第5刷、1988) デュ・ボア=レーモンの邦訳としては、もう1冊『生命と思索』という本があるらしいのだけれど、まだ実物を見る機会がない。 そこで、ドイツ語なり何語なりかで全集が出ていないかしらと思って、少し調べてみたものの、それらしいものには遭遇していない(すぐ全集に頼る)。 もっともこの…

「〈ルリユール叢書〉の楽しみ」(じんぶん堂)

…行している海外文学の翻訳シリーズ「ルリユール叢書」が50巻に達した機に「〈ルリユール叢書〉の楽しみ」という文章を書きました。 2019年の創刊当時からこの叢書を読んでいる一読者として、その概要や魅力についてあれこれ述べております。 文中に添えている写真は、私の家の書棚に収まる「ルリユール叢書」をはじめ、蔵書している本たちです。 書棚の写真を見るのが好きな方も、ちょっとお楽しみいただけるかもしれません。 掲載先は、朝日新聞社と出版各社が運営している「じんぶん堂」というウェブサイ…

森の図書館司書便り:『吉田健一に就て』国書刊行会

…面白さを感じるという対象で、付かず離れずという付きあいをしてきました(翻訳はまた別です)。その審美の感覚には必ずしも賛成できないけど、その手つきには興味を惹かれるという感じでしょうか。そこで、各種文庫などをはじめ、吉田健一の本が出るとそのたび買って読むということはしてきた次第です。いわゆる気になる存在というやつかもしれません。 本書で多方面からの読み方を教えてもらおうと思います。 https://www.kokusho.co.jp/np/isbn/9784336075376/

物書き仕事をふりかえる

…げてみました。ここに翻訳した本、編んだ本、寄稿した本を加えると、ここにもう10冊ほど加えることになるでしょうか。 吉川浩満くんと最初に書いた『心脳問題』(朝日出版社)を刊行したのが2004年ですから、来年2024年は物書きの仕事を始めてから20年ということになります。 だからなんだというわけでもありませんが、20年もやっていると仕事の痕跡も積み重なるものなのだなあ、と思うのでした。 目下はもう何冊かの企画を進行中で、物書きはもうしばらく続きそうです。全体的に遅れ気味ではありま…

ジャン=ルイ・ド・ランビュール編『作家の仕事部屋』(中公文庫)

…君の対話式で、編者や翻訳についての情報、フランスの知への憧憬があった時代のこと、といったバックグラウンドの話から出発して、「儀礼」という鍵概念を使ってこの本の味わいを論じ、翻ってそれが同書刊行から40年以上を経ている現代の私たちにも大いに示唆するものである、ということを説得的に教えてくれる名エッセイ(対話)で、これも折に触れて読み直したい。 私はこの本があることを、友人の中村健太郎さんから教えてもらい、そんな本があるならぜひとも読みたいと探して手にしたのだった。 このたびの文…

J. G. フレイザー『金枝篇』の顛末

…ギリシア語・ラテン語翻訳を残すのみとなりました。刊行もそう遠くない…⁉︎ pic.twitter.com/EX9HXL72VV — 金枝篇bot (@JamesFrazerBot) 2023年3月14日 国書刊行会から刊行中のJ. G. フレイザー『金枝篇』完訳版(全10巻+別巻予定)の次に出る第8巻について、少しばかりお手伝いをしているのでした。 引き受けたはよかったものの、2/3くらいまで作業をしたところで、残りを果たさぬままけっして短くはない時間が過ぎてしまい、そろそろ…

作家/翻訳家とのわくわく文学トーク」

「洋書ファンクラブ」などでお馴染みの渡辺由佳里さんのYouTubeチャンネルに、吉川浩満くんともどもお邪魔しました。「作家/翻訳家とのわくわく文学トーク」というコーナーです。本や読書について、90分ほどおしゃべりをしております。 www.youtube.com

2023年の展望

…なんらかの機会があったらば再始動したいと思う。 書いているうちに、「やりかけたまま止まっているもの」コーナーのようになってしまった……。以上の他に、執筆・翻訳と準備を進めているものがいくつかあるのだけれど、実現に向けて頑張っておりますとだけ述べるに留めたい。 2022年は『マルジナリアでつかまえて2』(本の雑誌社)と『世界を変えた書物』(橋本麻里編、山本貴光著、小学館)の2冊の本を完成できた代わりに、新たな企画(上記以外)がいくつか増えて、執筆予定リストが長くなったのだった。

おしらせ 2022年版

…/03/14) ・【翻訳】ケイティ・サレン+エリック・ジマーマン『ルールズ・オブ・プレイ――ゲームデザインの基礎』(全4分冊、山本貴光訳、ニューゲームズオーダー、2019) ★連載中 ・「文芸的事象クロニクル」(『文藝』、河出書房新社) ・「古典再訪」(『しししし』、双子のライオン堂) ・「『本を読む本』を原書で読んでみる」(『手のひら』、本の雑誌社) ・「文学のエコロジー」(『群像』、講談社) ・「世界の文芸誌から」(「Web本の雑誌」、本の雑誌社) ・「岩波文庫で読む「感…

2022年の回顧

…:川戸道昭『幕末明治翻訳文学史 第一巻』(国書刊行会、2022/11/08) チラシに推薦文を書きました。 ■D. 寄稿(雑誌・新聞など) ★01:「今日もどこかで転回が 「コペルニクス的転回」の歴史的展開について」(『ユリイカ』2023年1月号、「特集=コペルニクス」、青土社、2022/12/27) ★02:「22年下半期読書アンケート」(『図書新聞』、2022/12/24) ★03:「2022年の収穫!!」(『週刊読書人』、2022/12/16) ★04:「棚から棚へと本…

『田中美知太郎全集 増補版』(全26巻、筑摩書房、1987-1990)

本が届いた。今日はいい日だ。 『田中美知太郎全集 増補版』(全26巻、筑摩書房、1987-1990) ある大学図書館の除籍本。この全集、プラトンやプロティノスなどの翻訳も収めているのですね。『ギリシア語入門』(松平千秋との共著、岩波書店)は入っていないようでした。読む読む。

古代のアリストテレス注釈者たち

…人びとの著作を英語に翻訳して提供するもので、シリーズの編集はリチャード・ソラブジ(Richard Sorabji)氏とマイケル・グリフィンMichael Griffin)氏による。 Bloomsburyから刊行中で、同社のメールマガジンで最新刊のお知らせがあったのをここにもメモ。 シンプリキオスによるアリストテレス『自然学』(全8巻)への注釈は、同シリーズで全12分冊で刊行で、このたび最後の巻が出たようです。また、注釈全巻の翻訳についての概説も併せて刊行とのこと。 ・Simp…

アウグスティヌスを引用するドロシー・L・セイヤーズを引用するアラン・チューリングについて

…い。 「知能機械」の翻訳は『コンピュータ理論の起源[第1巻] チューリング』(伊藤和行編、佐野勝彦・杉本舞訳・解説、近代科学社、2014)所収のものを読んでいる。解説もついて大変便利でありがたい本だ。原文のほうはネット上でPDFが手に入る。 * 同論文の冒頭で、チューリングは「機械が知的な振る舞いをしてみせることがありうるかという問題」について検討しようと述べている。そして、考えられる反論を5種類並べてみせる。 その一つに、機械というものはとても簡単な仕事を反復するものだ(だ…

はやく言ってよ、仮想デスクトップ

…れを一つのデスクトップでやると、単なる混沌の渦となり、毎回片付けたり切り替えたりするのが手間なのだった。 例えばいまなら、大学の仕事用、各種連載、翻訳、執筆など、仕事ごとにデスクトップを分けてみたい。 使う前に懸念されることがあるとすれば、いま画面に表示している以外のデスクトップの存在を忘れてしまうことだろうか。画面のどこかに常に他の仮想デスクトップの存在を知らせる表示があるとよいと思う。これまた、どなたかがそういうツールをつくっているのではないかと期待している(他力本願)。

「公開加圧」の効能

…ともあって、物書きや翻訳は、主業務のあいまのスキマ時間に行っている。 以前なら、「締切前になんとかまとまった時間をつくって一気に片付ける」という短期決戦型の発想をしていたところ、「次の会議まで30分。ちょっとあれを書き進めておこう」てなもので、数百文字でもできるときに進めるという意識になっている。結果的に仕事の時間にメリハリがついたりもする。 3)執筆以外の意識も変わった なんだか冗談みたいだが、「公開加圧」で物書きの進捗を意識するようになってから、ものを読むことについても同…

J. S. ミル『功利主義』(岩波文庫)

…』は、これまで何度か翻訳されているものの、文庫化は初めて。 ちなみにこの本を最初に日本語に訳したのは、西周(1829-1897)で、その際は『利學』(上下巻、1877)と題されている。下記リンクは、国立国会図書館デジタルコレクションで公開されているデジタル版。 dl.ndl.go.jp dl.ndl.go.jp ■初出 初出の『フレイザーズ・マガジン』は、Fraser's Magazine for Town and Countryといって、1830年から1882年にかけてロン…

豊﨑由美さんの「読んでいいとも!ガイブンの輪」

…をおススメし、魅惑の翻訳小説ワールドへとみなさんをご案内いたします。 第69回目の今回は、前回ゲストの奥泉光さんのご紹介で、山本貴光さんをお招きします。 テーマは「これも小説? それも小説!――小説と小説ではないものの違いを考えさせる小説」 (B&Bイベント紹介ページより) というわけで、稀代の読み巧者でいらっしゃる豊﨑さんに、あれこれ伺ってみたいと思います。いまからとても楽しみです。 なお、この対談はオンライン配信のみとなりました。 bookandbeer.com 2021…

「これが示したいことだった」最終回(『数学セミナー』)

…リー・ポイボー『機械翻訳――歴史・技術・産業』(高橋聡訳、森北出版、2020) ★薩日娜『日中数学界の近代――西洋数学移入の様相』(臨川書店、2016) ☆Alan Turing, "Intelligent Machinery" (1948) ☆ジェイムズ・ノウルソン『英仏普遍言語計画』(浜口稔訳、工作舎、1993) ☆浜口稔『言語機械の普遍幻想』(ひつじ書房、2011) ■第11回:『紅楼夢』と数学の大樹 ★ウィトルーウィウス『ウィトルーウィウス建築書』(森田慶一訳、東海選…

2021年、書き物方面の抱負

…史』は、何度か書いてみたものの、文法を語る文体を開発しあぐねて足踏みしつつ、どうしたらよいかを思案中。『科学の文体』は、少しずつ書き進めている。これは調べ物も厖大だが、完成したら面白い本になると思う。 翻訳『時間のカルトグラフィ』(吉川くんと共訳)をそろそろ仕上げたい。その他のお約束している本も、順次書き進める所存。お声かけいただいたまま、企画をまとめきれていないものについても、よいアイデアが浮かべば進めたい。 遅ればせながら、2021年の執筆方面の抱負でした。がんばります。

コミットについてコミットできない

…読み始めた哲学方面の翻訳書で、冒頭近くに何度か「コミット」や「コミットメント」という言葉が現れる。そこでの commit(ment)は、「関わる」と言い換えるだけでは済まないようで、こうなるともう少し真面目に検討する必要がある。 例えば『ランダムハウス英和大辞典』でcommitを引くと、次のような項目が載っている(ただし、文中の前置詞の表示は省略した)。 v. t. 1 (1)〈人・物・事を〉(人(の世話)などに)任せる,委任する,委託する (2)〈人を〉(法的に)(施設に)…

京谷裕彰編『薔薇色のアパリシオン――冨士原清一詩文集成』(共和国、2019)

…行されたのは、二冊の翻訳書と、ニューヘブリディーズ諸島(現バヌアツ)の地誌のみだそうで、このたび共和国から刊行された『薔薇色のアパリシオン』は、この三冊を除き、現時点で知られている冨士原清一の詩文と翻訳を編んだもの。一巻ものの全集ですね。 私自身は、冨士原清一について、かつて鶴岡善久編『モダニズム詩集I』(現代詩文庫特集版3、2003)に掲載されていた数編を目にしただけでしたので、とても新鮮な心持ちで読み進めているところです。 『薔薇色のアパリシオン』の巻末につけられた年譜を…

本の雑誌編集部『働くわたし』(本の雑誌社)

…名ゆかり 海外マンガ翻訳・研究 ・土器屋由紀子(認定NPO富士山測候所を活用する会) NPO理事 ・五十嵐友理(鷗来堂) 事務 ・石田由美子(東京開智法律事務所) 弁護士 ・五味洋子(五味醤油) ・五味雅子(五味醤油) ・梅村由美(SCAI THE BATHHOUSE) キュレトリアル・ディレクター ・松倉宏子(鷗来堂) 校閲者 ・鹿毛静穂(肉とハーブ マツノヤ) 代表兼オーナーシェフ ・小倉和子(ヘアーサロンオグラ) 理容師 [働くわたし ブックガイド]・働くわたしの来た道…

Instagramからちょっと離れて

…は本の書誌を書く際、翻訳書は原書の書名なども書くようにしている。英語の本はまだよいのだが、フランス語やドイツ語、あるいはギリシア語やロシア語などの書名を入力するには、iPadの入力アプリは非力すぎて手間が多い。 というので、現在はもっぱらパソコンからInstagramに投稿している。なによりコメント入力が段違いにしやすい。他方で、iPadで撮影した写真をiCloudからダウンロードする必要があるので、その点は手間がかかる。 理想的には、iPadからコメントが入力しやすい状態に…

★072/1020:『ナイトランド・クォータリー』第17号(アトリエサード、2019/05/31)

…さん、インタヴュー、翻訳、評論、ブックガイドと大活躍。 目次 ・表紙作品:戸田和子(うつのみや妖精ミュージアム所蔵) ・いわためぐみ「昏い森への誘い――ケルト幻想に寄せて」 ・アーサー・マッケン「変容」(遠藤裕子訳) ・ピエール・コムトワ「幻の巻狩」(大和田始訳) ・ジェレマイア・カーティン「聖マーティン祭前夜 (ジョン・シーハイによって語られた話)」(下楠昌哉訳) ・ジェフ・C・カーター「かかる警句のなきがゆえに」(待兼音二郎訳) ・デイヴィッド・テラーマン「木の葉のさだめ…

荒木優太編著『在野研究ビギナーズ――勝手にはじめる研究生活』(明石書店)

…ー3 ゼロから始める翻訳術 大久保ゆうに聞く第一四章 アカデミアと地続きにあるビジネス/朱喜哲 在野のための推薦本 寄稿した文章でも冒頭で断っているのですが、吉川くんと私はそもそも専門もなく、研究をしている者ではないので、この本のなかでもちょっと特殊な立場かもしれません。 www.akashi.co.jp この本は、「在野研究」と銘打っていますが、研究はしないけれど、ものを読んだり調べたり考えたりするのが好きな人には、いろいろなヒントを得られる内容かと思います(といっても、私…