2005-04-01から1ヶ月間の記事一覧

アセテートの編集者日記を拝読して、遅まきながら無限社という書肆からサヴォナローラの説教と政治論が邦訳されていたことを知る。 ★サヴォナローラ『ルネサンス・フィレンツェ統治論——教説と論文』(須藤祐孝編訳・解説、F.ミニーニ+G.チプリアーニ協力、…

★『ベルギー象徴派展』(2005)#0371 同展覧会のカタログ。展示作品の図録のほか、本展覧会の構成を担当したブリュッセル自由大学教授・ミシェル・ドラゲ氏による50ページ近いヴォリュームのある解説、関連年表、文献表が収録されている。 ドラゲ氏の論文は…

★「ベルギー象徴派展」(Bunkamura ザ・ミュージアム) 2005年4月15日から、Bunkamura ザ・ミュージアム(東京渋谷)にて、「ベルギー象徴派展」がはじまった。 19世紀後半のフランスの文学界に震源地をもつ象徴主義(symbolisme)の潮流に平行して美術の世…

★マリー=マドレーヌ・ダヴィー『シモーヌ・ヴェーユの世界』(山崎庸一郎訳、晶文選書6、晶文社、1968/07、amazon.co.jp)#0370 Marie-Magdeleine Davy, Simone Weil (Éditions Universitaires, 1956) ヴェーユの評伝と思想を紹介する一冊。ガブリエル・マ…

★『ロートレアモン論』(渡辺広士訳、AL選書、竹内書店、1970/07)#0369 「現代の芸術・文学を意欲的に紹介する」AL選書の一冊を古書店の軒先でひろいあげる。 レオン・ピエール=カン(Léon Pierre-Quint, 1895-1958)による書物『ロートレアモン伯爵と神』…

★渡邊二郎『はじめて学ぶ哲学』(ちくま学芸文庫ワ3-4、筑摩書房、2005/04、amazon.co.jp)#0368 渡邊二郎(わたなべ・じろう, 1931- )氏による哲学入門書。親本は、放送大学の教材『哲学入門』として刊行されていたもの。 初学者向けに書かれた教科書なの…

★エドマンド・スペンサー『妖精の女王 1』(和田勇一+福田昇八訳、ちくま文庫す16-1、筑摩書房、2005/04、amazon.co.jp)#0367 Edmund Spenser, The Faerie Queene (1590-1596) イギリス・ルネサンス期の詩人エドマンド・スペンサー(Edmund Spenser, 1552?…

★三角みづ紀『オウバアキル』(思潮社、2004/11、amazon.co.jp)#0366* 読みながら既視感を覚える詩集だった。世界のなかに居場所が見つからない「私」のモノローグに満ちている。いじめ、薬、不安、リストカット/自傷行為、死、性、精神科。 なぜ既視感が…

★ロジカ・パーカー+グリゼルダ・ポロック『女・アート・イデオロギー——フェミニストが読み直す芸術表現の歴史』(荻原弘子訳、ウイメンズブックス11、新水社、1992/04、amazon.co.jp) Rozsika Parker + Griselda Pollock, Old Mistresses: Women, Art and …

★辺見庸+坂本龍一『反定義——新たな想像力へ』(朝日文庫へ3-1、朝日新聞社、2005/05、amazon.co.jp)#0364 2001年9月11日の出来事をうけて、辺見庸(へんみ・よう, 1944- )氏と坂本龍一(さかもと・りゅういち, 1952- )氏が行った対談をまとめた書物。親…

★山本東次郎+近藤ようこ『中・高校生のための狂言入門』(平凡社ライブラリー530、平凡社、2005/02、amazon.co.jp)#0363* 漫画家・近藤ようこ(こんどう・ようこ, 1957- )氏が聴き手となって大蔵流狂言方・山本東次郎(やまもと・とうじろう, 1937- )氏…

先ごろ刊行された磯崎新+鈴木博之+石山修武監修『批評と理論』(INAX出版、2005/03、amazon.co.jp)に連動したシンポジウム・シリーズがはじまる模様。第一回は、「丹下健三あるいは建築状況2005」と題し、下記の要領で開催される予定。 公開シンポジウム…

★五十嵐太郎編『READINGS:1 建築の書物/都市の書物』(INAX出版、1999/10、amazon.co.jp)#0362+ ことのついでに、建築書ガイドを一冊ご紹介しておきたいと思う。 本書は、建築史研究家・五十嵐太郎(いがらし・たろう, 1967- )氏の編集による「20世紀の建…

★『10+1』No.38(INAX出版、2005、amazon.co.jp)#0361 ☆特集=建築と書物——読むこと、書くこと、つくること 『10+1』の最新号は、「建築と書物——読むこと、書くこと、つくること」と題して、建築書あるいは建築関係者の読書術を特集している。 特集名を冠し…

★淀川長治『淀川長治映画塾』 (講談社文庫よ20-1、講談社、1995/02、amazon.co.jp)#0360 1991年からアテネ・フランセ文化センターで開催された「淀川長治映画塾」29回から20講を収録した書物。映画の愉悦をいっそう引き立てる淀川さんの縦横な知識と語りに…

★双葉十三郎編『映画講座 第1巻 映画の歴史』(三笠書房、1952/06)#0359 順序が逆になったが、第1巻は「映画の歴史」がテーマ。映画の歴史といっても1952年当時だから、いまの半分強程度の範囲である。 第2巻の「世界の映画理論」が欧米と日本に限定されて…

★上野一郎編『映画講座 第2巻 映画芸術の理論』(三笠書房、1953/04)#0358 三笠書房から出ていた『映画講座』(全4巻)の第2巻は、「映画芸術の理論」と題して、1950年代の時点から世界の映画理論を概観している。 二部構成で、第一部は「世界の映画理論」…

★金子務『オルデンバーグ——十七世紀科学・情報革命の演出者』 (中公叢書、中央公論新社、2005/03、amazon.co.jp)#0357* 先ごろ、『スピノザ往復書簡集』(畠中尚志訳、岩波文庫青615-7、岩波書店、1958/12、amazon.co.jp)が久々に重版された。同書は、スピ…

★John R. Searle, Mind: A Brief Introduction (Fundamentals of Philosophy, MIT Press, 2004/08, amazon.co.jp) 昨日から「第十章 知覚」にとりかかる。知覚の対象自体と、その対象についての感覚与件(センス・データ)の関係をめぐる議論。ヒューム、ロ…

ことのついでに、ちくま学芸文庫、2005年04月の新刊書目。個人的には未読の西郷さんの『古事記注釈』に注目。 ★若桑みどり『イメージを読む』 (ちくま学芸文庫、筑摩書房、2005/04, amazon.co.jp) かつて(1993年)、ちくまプリマーブックスに入っていた本…

★辻惟雄『奇想の図譜——からくり・若沖・かざり』 (ちくま学芸文庫ツ7-2、筑摩書房、2005/04, amazon.co.jp)#0356 『奇想の系譜――又兵衛―国芳』(ちくま学芸文庫ツ7-1、筑摩書房、2004/09、amazon.co.jp)に続いて辻惟雄(つじ・のぶお, 1932- )氏の『奇想…

★ジョン・K.ノイズ『マゾヒズムの発明』 (岸田秀+加藤健司訳、青土社、2002/01、amazon.co.jp)#0355* John K. Noyes, The Mastery of Submission: Inventions of Masochism (Cornell University Press, 1997, amazon.co.jp) 19世紀末に病理学者リヒャルト…

ちくま文庫、2005年04月の新刊は以下のラインナップ。個人的には大竹伸朗、涙香、志ん生、足穂、スペンサーは読まねばと思っている。 ★辰巳芳子『味覚旬月』(ちくま文庫、筑摩書房、2005/04、amazon.co.jp) ★北原尚彦『奇天烈!古本漂流記』(ちくま文庫、…

★鈴木邦男『新増補版 新右翼——民族派の歴史と現在』(彩流社、1994/06、amazon.co.jp)#0354 これまで左翼運動史にまつわる書物はそれなりに集め読んできたのだけれど、対する右翼については積極的に調べてこなかった。過日、たまさか通りがかった古本屋の露…

★猪野健治『日本の右翼』(ちくま文庫、筑摩書房、2005/04、amazon.co.jp)#0353 右翼とはなにか? これはわかりやすいようでいて、その実、実体がよくわからないもののひとつではないかと思う。いまふつうに右翼といったら人が思い浮かべるのは、黒塗りで軍…

★大野裕之編『チャップリンのために』(とっても便利出版部、2000/11、amazon.co.jp)#0352 ・『ゴダールの肖像』(1997/04; 改訂版、2000/12、amazon.co.jp) ・『マルクスの現在』(1999/04、amazon.co.jp) ・『パゾリーニ・ルネサンス』(2001/06、amazo…

★大野裕之『チャップリン再入門』(生活人新書、NHK、2005/04、amazon.co.jp)#0351 「チャップリンに関しては、いろんな本に出てるので、よっぽど個性的な特別な質問をしなきゃだめだよ」とは、淀川長治(よどがわ・ながはる, 1909-1998)さんのお言葉。か…

この4月に二作品を刊行した古東哲明(ことう・てつあき, 1950- )氏の情報を更新しました。 古東氏の新刊はつぎの二冊。 ★『現代思想としてのギリシア哲学』(ちくま学芸文庫コ21-1、筑摩書房、2005/04、amazon.co.jp) 1998年に講談社選書メチエから刊行さ…

★『早稲田文学』第30巻第3号、2005年5月号 #0350 次号より、二年間の限定でフリーペーパーへと移行する『早稲田文学』の2005年5月号は増ページでもりだくさん。まだ眼を通しおわってないので目次だけご紹介。 ★特集=現在と未来をめぐって ・古井由吉+寺田…

★『文學界』第59巻第5号、2005年5月号(文藝春秋社)#0349 特集は「文学のなかの危機」。 「この二十年の芥川賞」は、芥川賞選考委員を退任する古井由吉氏へのインタヴュー。その他、内田樹「私家版・ユダヤ文化論」は第四回。詳細な目次は下記サイトにて。 …