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『文藝』2024年冬季号(河出書房新社、2024.10.07)の「ゲームをせんとや生まれけむ」特集に「そこは何ができる場所なのか」という文章を書きました。 拙著『文学のエコロジー』(講談社)で、文芸作品にはどのような世界が描かれているかという関心から、こ…
「週刊読書人」2024年10月4日号に『スクウェア・エニックスのAI』(ボーンデジタル)の書評を書きました。三宅陽一郎さん率いるスクウェア・エニックスのAIチームのメンバーが、ゲーム開発に関わる多様なAIをその発想と技術の観点から案内してくれる贅沢な本…
石井千湖『積ん読の本』(主婦と生活社、2024)で取材を受けました。 積ん読をテーマにした本で、12名の人たちへのインタヴューから成ります。登場するメンバーは、下の表紙写真の帯をご覧くださいませ。 私が登場するパートの扉はこんな具合です。 発売後忽…
Perlegoで教えられた4巻組の詩のアンソロジー。 巻を追って時代順に並んでいる、というわけではないようで、よく分からないので頭の整理がてらここに並べてみます。 総題は Poems for the Millennium で、版元はカリフォルニア大学出版(University of Calif…
「モダニスト・ジャーナル・プロジェクト(Modernist Journals Project)」 1995年にブラウン大学で始まったプロジェクトで、19世紀末から1920年代にかけて英語圏で刊行された文芸誌や関連文献を閲覧できるデジタルアーカイヴです。 例えば、ジェイムズ・ジ…
本日、小学館辞書編集室のTwitterアカウントが、こんな投稿をしていました。 【お知らせ】ついに『#日本国語大辞典 第三版』改訂の始動を発表できました。今後、小学館&kotoba、そして編集委員会で進めてまいります! 公開予定は初版から60年、小学館110周…
「図書新聞」第3649号(2024/07/27)の「2024年上半期読書アンケート」に回答しました。3冊を選んで150字ほどで紹介するコーナーです。 なにを選んだかは、ご覧になってのお楽しみ。 私も同号を読んで、何冊か注文しました。 toshoshimbun.com
ロバート・オッペンハイマーの著作についてのメモ。 Atom and Void: Essays on Science and Community (Princeton Legacy Library, Princeton University Press, 1989)というオッペンハイマーの講演と試論を編んだ本が手元にあるのですが、他の著作とどのよ…
2024年5月の岩波文庫の新刊として、ゲルツェンの『過去と思索』(一)(二)が刊行されました。 これは19世紀ロシアの思想家・作家のアレクサンドル・ゲルツェン(1812-1870)が、40代から50代にかけて書いた自伝的回想録で、当人の経験もさることながら、彼…
エリック・ジマーマン『遊びと創造』(高崎拓哉訳、BNN、2024/04/17) プレイ(遊び)、それを成り立たせるシステム(しくみ)、それを作って試すデザイン(設計)という三つの要素から、遊びと創造を探る本です。ルールをつくって試し、気づいたことを考察…
「図書新聞」2024年4月6日号に、澤直哉『架空線』(港の人)の書評を書きました。 一枚の紙から出発して、本とそれが人間にもたらすものを論じる講義「本をめぐる/こころの/ことばの/形にふれる」、詩と人とのあいだに生じうることを記した試論「発生へ」…
『文藝』2024年夏季号(河出書房新社)に連載「文芸的事象クロニクル 2023.12-2024.02」を書きました。 これは過去3カ月に世界のあちこちで生じた「文芸的事象」を選んでクロニクルとして構成するものです。 できるだけ日本や欧米に偏らないように、あちこち…
第4回「みんなのつぶやき文学賞」結果発表会の「海外篇」で、ペ・スア『遠きにありて、ウルは遅れるだろう』(斎藤真理子訳、エクス・リブリス、白水社、2023)の紹介を担当しました。 原書の書誌は下記の通りです。 배수아『멀리 있다 우루는 늦을 것이다』…
2024年3月23日(土)に、第4回「みんなのつぶやき文学賞」の結果発表会を行いました。YouTubeを使ったオンライン配信で、倉本さおりさん、長瀬海さん、橋本輝幸さん、若林踏さん、そしてわたくしの5名で、国内篇、海外篇についてそれぞれ10冊前後の本を紹介…
「日本経済新聞」2024年3月16日号の書評欄に、ビオリカ・マリアン『言語の力』(桜田直美訳、今井むつみ監訳・解説、KADOKAWA、2023/12)の書評を書きました。 同書は日常的に複数の言語を使っているマルチリンガルの人について、いまなにが分かってきている…
2024年3月の平凡社ライブラリーは次の2点です。 ★962:クラウス・リーゼンフーバー『中世哲学の射程 ラテン教父からフィチーノまで』(村井則夫編訳、平凡社、2024/03/05) 『中世哲学の源流』(創文社、1995)、『中世における理性と霊性』(知泉書館、2008…
2024年3月の講談社学術文庫は、以下の5冊です。 それぞれの本の冒頭にある4桁の数字は、講談社学術文庫の通し番号です。 ★2808:クラウス・リーゼンフーバー『存在と思惟 中世哲学論集』(山本芳久編・解説、講談社、2024/03/12) 『中世哲学の源流』(上智…
春秋社編集部のツイートによると、2024年4月から「アジア文芸ライブラリー」という新シリーズが刊行されるようです。 ||◤ 海外文学ファンに朗報 ◢||#アジア文芸ライブラリー という新たなシリーズを、この4月より刊行開始します。アジア各地の同時代の文学作…
2024年3月8日に、DK社編『哲学ってなんだろう? 哲学の基本がわかる図鑑』(拙訳、東京書籍)が発売予定です。 DK社から刊行されているWhat's the Point of シリーズの1冊で、What's the Point of Philosophy? (2022/08/04)を訳したものです。 目次はこんな…
ここでは、本ブログで全集に触れている記事へのインデックスを作成します。 リンクがない項目は、将来記事をつくる予定です。 なお、個人名を冠した全集については、当該人物の姓の五十音順で並べます。 【あ】 ・『アインシュタイン選集』(全3巻、共立出版…
マルグレート・クラウル『ドイツ・ギムナジウム200年史 エリート養成の社会史』(望田幸男、川越修、隈元泰弘、竹中亨、田村栄子、堤正史訳、ミネルヴァ書房、1986) ドイツのギムナジウムでどういう教育がされていたのかを知りたいと思い手にしてみました。…
Twitterのタイムラインで「ナディーム『目録』」という文字列をお見かけして、昔英訳版を手にしたのを思い出しました。 これは、10世紀頃のバグダードで書籍商のイブン・アン=ナディームが記録した本の目録です。その当時、どんな本が存在したかという知識…
アカデミー版『カント全集』新版の刊行が始まったことを、Twitterで教えてもらいました。 先日、アカデミー版カント全集新版第1巻を入手した。1747~1756年までの著作が収録されている。ドイツ語著作の字体がフラクトゥーアからローマン体に変更されたほか、…
「持ってたはずなのに近頃見かけないな」と思っていた本が、電子化した本を放り込んでいるフォルダに見つかるケースがままある。 先日、電車での移動中、iPad Proの画面を見ながら、「そういえば」とたいそう久しぶりに電子書籍管理アプリを起動してみたとこ…
東京工業大学 未来の人類研究センターのオンラインジャーナル『コモンズ』の第3号が公開されました。 今回の特集テーマは「あそび」です。 河村彩さんの巻頭言「「あそび」と生きる」からご覧くださいませ。 特集の他にも6本の論文を掲載しています。 私は「…
シン・ジュヒョン『シリアスゲームの社会的受容を問う 韓国の事例にみる「ゲーム」と「教育」の社会文化的研究』(福村出版、2024/02/15)が刊行されました。 韓国での実例を通じてシリアスゲームを作ったり普及させたりする難しさを分析した研究で、シン・…
長谷川祐子監修、金沢21世紀美術館編『デジタル・バイツ アート&テクノロジーの摂り方』(BNN、2024.01.15)に寄稿しました。 こんな装幀です。装幀・基礎設計は加瀬透さん、レイアウトは平野雅彦さん。 これは、金沢21世紀美術館で開催が始まり、能登半島…
『文學界』2024年2月号(文藝春秋)で、酒井泰斗さんと吉川浩満くんの新連載「読むためのトゥルーイズム」が始まりました。 この対談式連載は、酒井さんと吉川くんが主催している読書会をもとに構成されたものです。サブタイトルにある「非哲学者による非哲…
いつの頃からか、岩波文庫をすべて集め読もうと思うようになり、1990年代半ばころからはとりあえず毎月の新刊を欠かさず手にとるようにしています。また、たまさか目にした既刊書目も入手して読んできました。 とはいえ、1927年の創刊で全体としては6千点ほ…
『文藝』2024年春季号(河出書房新社、2024/01/06)に連載「文芸的事象クロニクル 2023.09-2023.11」を書きました。 この連載は、季節に一度、過去3カ月について世界で起きた文芸に関わりのある出来事から、いくつかを選んで記録し、場合によってコメントを…